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四つ仮名の漢字変換の不思議

昨日5月18日は「言葉の日」でした。ということで、「言葉の日」にちなんで言葉に関して私が興味を持ってる話題を一つ取り上げます。

現代仮名遣いにおいて、いわゆる「四つ仮名」の使い分けは、「鼻血(はなぢ)」「三日月(みかづき)」のように複合語で「ち」「つ」が濁ったものと、「ちぢむ」「つづく」のような連濁の場合は「ぢ」「づ」を用い、それ以外の場合「じ」「ず」を用いる。固有名詞も基本的にはこれに準じる。「千津子(ちづこ)」、「望月(もちづき)」。しかし、パソコンで「ちずこ」、「もちずき」からもそれぞれ「千津子」、「望月」に漢字変換できるし、実際に振り仮名でそう書く人もいる(ここでいう変換とはすべて変換モードを「名」にした時の話です)。「じ」「ず」が普通で「ぢ」「づ」は特殊だから、そうなるのも無理ない。
さらに、不思議なことにその逆バージョン(いよいよこの記事の本題)、つまり「し」「す」が濁ったものだけど「ぢ」「づ」でも変換できるものもある。例えば「千寿子(ちずこ)」は「ちづこ」でも変換できるし、実際に「ちづこ」と振り仮名が振られているのも見たことがある。
他に
英司(えいじ/えいぢ)
真至(しんじ/しんぢ)
「真至」に至っては文字列をマークして再変換をかけた時真っ先に出る読みは「しんぢ」だし。まあ、人名(下の名前)に用いる漢字の読みについては法的な制限がないから、「千寿子」の振り仮名を「ちづこ」として出生届を出しても問題ない。

苗字、地名系のものもかなり見られた。
小島(こじま/こぢま)
田島(たじま/たぢま)
石末(いしずえ/いしづえ)
野末(のずえ/のづえ)
吉住(よしずみ/よしづみ)
両角、諸角(もろずみ/もろづみ)
鷲巣(わしず/わしづ)

ちなみに、「但馬(たじま)」(兵庫県北部の旧国名)の旧仮名遣いは「たぢま」だが、パソコンでは「但馬」に「たぢま」という読みは持たされていない。「たぢま」から(「し」が濁った)「田島」には変換できて(旧仮名遣いで「たぢま」だった)「但馬」には変換できないというのは、普通逆じゃないかと思った。しかし、「対馬(つしま)」というのがあるし、「馬」は「島」と漢字の字形が少し似てることから、「但馬」の旧仮名遣いが「たぢま」というのも変だと思う人もいるんじゃないかしら?でも実は、但馬は古くは「たちま(多遅摩、田道間)」と言い、それが濁って「たぢま」になった。
「石末」、「吉住」、「鷲巣」に関しては「つ」が濁った「石杖」、「吉積」、「鷲津」との混同によって「づ」でも書かれるようになったとも考えられる。
「両角、諸角」は「もろづの」(角=つの)とも読むから、混同が起こったと考えられる。

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