超高機動銀河恋愛黙示録モロッソスギャラクシー

美少年刑務所の名物所長チャキオと
小悪魔ボディの見習い天使アヴダビが激突する
モロッソスみそっみそっ創作宇宙

マジモ第21話 「落ちているのは恋か愛か」

2008-10-25 20:27:37 | マジカル・モッピング
 ジジイとイオンがまっ逆さまに落ちている。
「あああ……危な……」
 モップはこの際、ティージホーキーのことは無視し、イオンだけを王子のようにかっこよく救うことに集中した。
「イオンちゃんを助ける! 助ける……。ホッスルホッスル!」
 すると、あら不思議。モップの指先から光が一筋走ったかと思うと、それはイオン……を通り越して、ティージホーキーに伸びた。その光はジジイを包み込むと、シャボン玉のような膜を張り、ふんわりと浮かんだのだった。
「おーっ! すげーっ! 俺の魔法! ってバカ! イオンちゃーーーーん!」
 もちろんイオンの方は、相変わらず落下速度を増しながら地面に向かっていた。ギュッと閉じた目からは涙の雫が見えた。モップはパニックになる。
「あああ……。イオンちゃん! イオンちゃーーーーん!」
 イオンが地面に叩きつけられる、その瞬間だった。
 風のかたまりが、突如下から吹き上げ、イオンは少し浮いた。そして、今度は緩やかな速度の元、再び落ち始め、その下にいたのはダイソンだった。ゆっくりと落ちるイオンを見事にキャッチして、その場に下ろした。
 と、ほぼ同時に、モップの元にもティージホーキーのシャボン玉が下り、両手の上で割れた。気づくと、モップはティージホーキーをお姫様抱っこしていた。
 目の前では、イオンがダイソンに少々うっとり顔で、御礼を言っていた。すぐそばのティージホーキーも、なぜか少々潤んだ瞳で、こっちを見上げていて、モップの背中はゾクゾクと悪寒が走った。

 その時だった。フゴーッという地鳴りのような鼻息。またしても突風が吹き荒れた。
「来たなーーーーっ! ダイソンーーーーッ!」
 それはリディアの雄叫びだった。咄嗟のことに、モップはティージホーキーをギュッと抱き締めてしまった。すると、さっきまで殴られたように痛んだリディアの声攻撃を全く受け付けなかった。
 何かのバリアが張られていた。ティージホーキーの体が緑色の光で包まれている。そして、それはモップにもかかっていた。
「痛くない……。こ……これって先生の魔法!?」
「うむ。そうじゃよ」
 ティージホーキーはモップの腕の中で、得意気に笑った。
「ハッ! イオンちゃん! イオンちゃんが!」
 モップは慌てた。リディアのボディーブローのような雄叫びを受けたら、あんなか弱いイオンでは、ひとたまりも無いだろう……。しかし、イオンに目をやって、モップは仰天した。
 イオンも同じく緑色の光に包まれていたのだ。しかも、それはダイソンの腕の中で、しっかりと守られて……。
「ダ……ダイソンも……同じ魔法を?」
 そう言うと、ティージホーキーは、バツが悪そうに目を逸らした。
「先生! なんでダイソンが先生の魔法を!」
 その時、またリディアの第二波が襲ってきた。突風が吹き荒み、飛ばされそうになる。

 ダイソンはイオンを腕に抱きながら、囁いた。
「君……俺の胸ポケットから、羽を一枚取り出してくれ」
「え……?」
 イオンは言われるままにダイソンの胸ポケットを探り、羽を取り出した。
「それは魔除けの羽だ。それを持っていると、身代わりになる」
「これが……?」
「いいか。それを手にし、安全な場所まで走るんだ。その羽が壊れるまでしか使えない。この突風と攻撃をまともに受けていたら、時間の問題だ。急げ」
 そう言うと、ダイソンはイオンを突き飛ばした。イオンはダイソンを不安げに見た後、必死で走り去っていった。
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「ヘイ! ジュード ~ハロウィン編~」

2008-10-21 21:18:35 | ヘイ! ジュード


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マジモ第20話「マジカル変身シリーズ」(アヴダビ)

2008-10-16 22:24:48 | マジカル・モッピング
「す、すげえ……これって伝説の、いわゆる魔法使いのローブじゃないか……?」
 モップは手を広げ、己のまとう薄汚れた法衣をまじまじと眺めた。全身に魔法エネルギーが満ちてくるようだった。
「出来る! 今の俺なら出来る!」
 だがしかし!
「テメエー! 何変身してやがんだー! 魔法なんか信じねええー!」
 リディアが歯を剥き出し、その前歯の隙間から猛烈な勢いで息を吐いた。
「うおお!? 俺のローブが!?」
 あっという間にモップの着ていた薄汚いヨレヨレのローブは切り裂かれ、吹き飛ばされた。
「な、な、なめんじゃねええ!」
 モップはまたもや裸になった胸を抱き、再び「ホッスル! ホッスル!」と気合を入れた。
 その時だった。
 モップは眩いばかりの光に包まれた。そっと瞼を開けてみると、彼はカシミアのセーターと、らくだのももひきを装着していた。
「テメエー! なに優雅なくつろぎスタイルで決めてやがんだー! 調子こいてる野郎は許さねええー!」
 リディアの稲妻タイフーンがモップを直撃した。またもモップの衣服はズタズタに切り裂かれた。
「まだまだぁ! ホッスル! ホッスル!」
 ぼむうっ!
 今度のモップの衣装は、ランニングシャツとステテコだった。
「こんのやろおー! 何枚も何枚も! フンゴーー!」
 ステテコの切れ端が宙を舞う。
「まだまだ! 俺は諦めないぜ! ホッスル! ホッス……」
「やめんか、モップゥ!」
 その声は、モップの師、ティージホーキーだった。
「え、ティージホーキー先生!? どこ!?」
 見上げると、あいあい傘よろしく、傘につかまったティージホーキーとイオンが、ふわふわと空から降りてくるところだった。ティージホーキーは縞々のパンツ一丁だった。
「やっぱりお前の仕業か、モップゥ! わしゃもう困っちょるよ」
 傘の下でティージホーキーは寒そうに身を縮めた。
「ティージホーキー先生、どうしてそんなみっともない格好なの!? ていうか今は黙ってて! そしてイオンちゃんは俺の本気を見ていて!」
 モップはイオンに良い所を見せようと、派手にポーズを決めた。
「いくぜ! ホッスル! ホッスル!」
「ああ~! もう、ばか!」
 空中でティージホーキーが叫び、同時に、モップが光に包まれ、それがおさまると、モップは縞々パンツを穿いていた。
「ぎゃ!」
 イオンが、突然素っ裸になったティージホーキーに驚き、傘から手を離した。
「んもう! 恥ずかしい!」
 ティージホーキーは慌てて両手で股間を隠すため、うっかり傘から手を離した。
「うわあ~」
「きゃーー!」
 ティージホーキーとイオンが真っ逆さまに落ちてくる。
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「ヘイ! ジュード ~バイト編~」

2008-10-13 08:11:35 | ヘイ! ジュード




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筆ペンコラボ92「ドラクエⅦ」

2008-10-09 21:24:08 | 筆ペン画
日本が世界に誇るハイメガRPGドラゴンクエストから、今回は「Ⅶ」のイラストをお届けしましょう。
正直僕自身はプレイした事も見たこともないので、「知らない人が勇者を描く法則」に則って中央に勇者を描かせていただきました。
ドラクエⅦに詳しい皆様からのヒントに忠実に描いたので、だいたい合っていると思います。
それよりも周りのキャラの方がおかしい気がします!
よく分かりませんが、ドラクエらしさってものが漂ってこないんですけど、Ⅶてこうなんでしょうか?
特にロゴに溶け込んでいるコイツ、主役かよ!
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マジモ第19話「ホッスルミュージカル」(チャキオ)

2008-10-05 19:30:38 | マジカル・モッピング
 突如、カラブキの通信が途切れた。トランシーバーからは爆音が聞こえ、その理由となる突風が吹き荒んだ。トイレの個室は、ガタガタと激しい音を立て、今にも戸板が外れんばかりだった。
「な……なんなのよ……。ダイソン様……ダイソン様ぁっ!」
 叫んでも、トランシーバーからは何の応答もなくなった。

 灼熱、地響き、雷。全ての地獄が、一気に襲い来るとてつもない力をモップは、その露になった肌で感じていた。
「す……すげぇ……。これがリディア・カーンの100%……」
 自由になったリディアの筋肉は、盛りに盛り、全ての箇所が起伏を描き、その全体像はひとつの小高い山になっていた。
 鼻息は荒れ狂い、竜巻になって平和な街を襲う。河原のブルーシートは軒並み吸い込まれていった。モップも、立っているだけで精一杯だった。
「おおい! ジョイとか言ったよなぁ! 彼女を何とかしろよ!」
 ジョイは最も安全であるリディアのドレッドヘアーの隙間に挟まり、ニヤニヤと笑った。
「こうなったリディアは誰の言うことも聞かねえぜ! 運命だと思って、諦めるこったな!」
 フンゴーーーーッ! とリディアが相槌を打つように、鼻息を吐いた。第二の竜巻がモップを襲う。
「クソ生徒会長、出て来いやーーーーっ!」
 リディアの雄叫びは、もはや服を裂くどころではなくなっていた。体中にボディーブローを浴びせられているような痛みすら伴う。
「イッ! イタタタッ! ちょっと! 俺は無関係なんだから、会長だけを狙ってよぉ!」
 モップは必死で訴えたが、その声はリディアの耳には届かなかった。
「クソ生徒会長――――っ! アタイを止められるもんなら、止めてみやがれーーーーっ!」
 リディアの叫び声が絶えず襲い掛かる。モップはもはや、気を失いかけていた。
「クソ……。誰か……俺に力を……」
 その時、モップの脳にティージホーキーの声が浮かんだ。
「熟練した魔法使いは、呪文などを唱えずとも、心に欲した力を出すことができるのじゃ。お主もいずれ、そうならねばのう……」
 その時のティージホーキーの、さも自分は簡単にできますよ的な勝ち誇った笑顔まで浮かび、イラッときたモップ。
「クッソォ……。俺だって……俺だって……魔法使いの端くれだぁっ! やってやんぜよーーーーっ!」
 モップは呪文を唱える時と同じように、目を閉じて精神統一を始めた。
 ……俺の一番欲する物……
 ……欲する物……
 ……欲する……ほっする……ホッスル……
「ホッスル! ホッスル!」
 豆電球が点灯したような光が目の前に浮かんだ。それと同時に叫んでいた。それはまるで、何かに誘導されているかのようだった。
 全身に力が漲る。そして、薄ら寒かった肌が、温もりを持っていた。目を開ける。
 すると……。
 モップが服を着ていた。いかにも魔法使いというような、くすんだ色のローブだった。
 リディアの鼻息と怒号は、依然として何の変化も見せず、荒れ狂っていた。
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