アヴダビ: ねえ、そろそろ譲一でもやらないかい?
チャキオ: やろうやろう
アヴダビ: フワッフワッホー!
チャキオ: ぽへぽへぽー
アヴダビ: ぴきゅーー くわば!(ボン!)
チャキオ: げろっふ
アヴダビ: メランコリー譲一 第十二部 新宇宙編
チャキオ: オラの胃袋は宇宙だ!
ナレーション(アヴダビ): 電話ボックスの中で途方にくれる譲一。パトカーのサイレンがだんだんと近づいてきます……。どうぞ
譲一(チャキオ): 「ヤバイなあ。どうしよう……。そうだ、こんな時は……電話だ、電話。警察に電話だ!」
ナレーション: 「はい、こちらは宇宙警察です。どうしました?」
譲一: 「あの、変な人たちが追ってくるんです。どうすればいいのか……」
ナレーション: 「落ち着いて下さい! ええと、そこの電話ボックスなら、今ちょうど警官が向かっていますので、保護させます」
譲一: 「お願いします。ここで待ってればいいんですね?」
ナレーション: 「そうです」 と、同時に、キキー! パトカーが到着しました。中からは屈強な警官が二人躍り出ました。どうぞ
譲一: 「助けてください! 今、変なヤツが!」
ナレーション: 「変な奴はお前だ!」 警官が銃を構えました。「そんなハレンチな格好でうろちょろしやがって……。たまんねえぜ」 どうぞ
譲一: 「あっあひいっ! 俺じゃないんです! 俺はこんな格好にさせられただけでっ!」
ナレーション: 「おいおい、コイツ何か言ってるぜ?」 「くくくっ、武器を持っているといけねえ。身体検査してやりな」 警官(屈強な黒人です)はガムをくちゃくちゃ噛みながら、近づいてきます。どうぞ
譲一: 「わあぁっ! やめてぇ! 俺は、確かに可愛いよ。それは分かってるけど、でも、そういうの……やだよ!」
ナレーション: 「うるせえ! 俺様がじきじきにテメエのクソいまいましいホットパンツの中に凶悪な武器が隠されてねえか調べてやるって言ってんだよ!」 黒人警官は飛び掛ってきました。どうぞ
譲一: 「うわああーーーーっ! 助けてーーーーっ! 誰かあぁーーー!」
ナレーション: 「待ちなさい!」 どこからともなく声がしました。「誰だ!?」 振り向く警官。と、その顔が凍りつきました。「あ、あなた様は、新皇帝譲一様……」 土下座する警官二人。現れたのは、本来の譲一だったのです。どうぞ
譲一: 「あれ? この美男子はどちら様?」
ナレーション: 「ぼっちゃん……。お忘れになるのも無理はありません。私ですじゃ、ヨハネス小向です」 どうぞ
譲一: 「え? あれ? ヨハネス? ゴメン、ちょっと思い出せない……」
ナレーション: 本来の譲一(ヨハネス)は寂しそうな顔をしました。それから、土下座している警官に何か囁きかけ、お菓子を握らせると、警官達は頭を下げて帰っていきました。どうぞ
譲一: 「あ! お菓子、俺にも俺にも!」
ナレーション: 犬のようにハァハァ言う譲一にとまどいながらも、本来の譲一(ヨハネス)はアンドーナツを渡しました。どうぞ
譲一: 「ありがとー! あれ……。このドーナツ……」
ナレーション: 「え? (ドキリ)」 どうぞ
譲一: 「ヨハネス特製の……アンコの代わりに、味噌が塗りたくられてるヘンテコドーナツじゃない?」
ナレーション: 「…………」 ヨハネスはただじっと立ち尽くしています。どうぞ
譲一: 「ヨハネス? もしかして……ヨハネスなの!?」
ナレーション: 「ぼ、ぼっちゃん、やっと思い出して……」 その時です。「譲一くーん!」 パンチョスが走ってきました。「さっき、パトカーのサイレンが聞こえたから。きっと譲一くんが何かやらかしたかと思って……」 どうぞ
譲一: 「パンチョス! パンチョス……。心配して……来てくれたんだね……グスッ」
ナレーション: 「ええ! 大丈夫? 何もされなかった? は! あ、あなた様は……!」 パンチョスは本来の譲一(ヨハネス)に気付くと、凍りつきました。どうぞ
譲一: 「パンチョス、ヨハネスの事、知ってるの?」
ナレーション: 「知らない人なんているはずないわ。この国の支配者ですもの……」 いつしかパンチョスは汗だくになっていました。ヨハネスと見つめあっています。二人の間に、火花が散っているのです。どうぞ
譲一: 「ちょっとちょっと、二人ともやめてよ! ケンカは良くないよ。穏便に行こうぜ!」
ナレーション: しかし譲一の言葉は耳に入らないようです。にらみ合う二人。一触即発という感じです。どうぞ
譲一: 「もう! 二人とも、離れろよ! ブレイクブレイク! パンチョスは右! ヨハネスは左! そしてファイッ!」
ナレーション: 譲一に煽られて、二人のバトルが始まりました! 応酬するパンチ&キック! 物凄い戦いです。これはどちらも相手を殺す気でやっているようです。どうぞ
譲一: 「やべえっ。どうしよう……。というよりも、あれ、俺の可愛い顔じゃない? ボコボコになるのは見るに耐えないっす。ということで、二人ともストーーーーップ!!!!」
ナレーション: 止めるんだね? ではクイズ判定に入ります! 用意はオッケー?
譲一: オッケー
ナレーション: 問題です。渋谷で待ち合わせしている若者は、意外とホームレスが近くにいても平気です。なぜでしょう?
譲一: 「俺とお前はマジでマブダチだと思ってる。なんつーの? ソウルメイトってヤツ? 今に俺らもソッチの世界に行くからさ!」みたいな感じ?
ナレーション: おしい!
譲一: じゃあねえ
譲一: 渋谷の若者は、臭いを感じる機能を持たない新人類なんだ。だから、臭い人がいても、ネイティブかなんかだと思ってるんじゃないかな?
ナレーション: 物凄くおしいー! 次、ラストチャンスです。
譲一: じゃあ、
譲一: お父さんがいるんだ! 実は彼らの仲間の中の、誰かのお父さんなんだ。悪い奴らとつるんでないか、心配で見に来てるんだ! そうでしょ?
ナレーション: 正解!!
譲一: ふひー。
ナレーション: 「ぼっちゃん……」 身をていして必死に二人を止める譲一に、本来の譲一(ヨハネス)の目に涙が溢れました。「ぼっちゃん……良い人を見つけましたなあ」 ヨハネスがパンチョスを見ると、パンチョスがうなづきました。どうぞ
譲一: 「ヨハネス……。俺、パンチョスと暮らしていきたい……。俺、パンチョスがいないと……ダメなんだ……」
ナレーション: 「……。ぼっちゃんの幸せは、ヨハネスの幸せでございます。どうか、どうかいつまでも、お幸せに……!」 ヨハネスは涙を拭くと、高級外車に飛び乗り、走り去りました。どうぞ
譲一: 「パンチョス……俺、さっき言いたかった事……ちゃんと言ってもいい?」
ナレーション: 「ええ……。なあに?」 パンチョスは譲一の手を握り締めました。どうぞ
譲一: 「パンチョス……俺と一緒に……幸せになってください!」
ナレーション: 「こんな……こんな私で……ぐすっ……」 後は言葉になりませんでした。身を震わせて男泣きに泣くパンチョスは、なぜだかとても、しおらしいのでした。どうぞ
譲一: 「パンチョス……。イチゴのケーキ、一緒に食べに行こう! さ、お手をどうぞ」
ナレーション: 「はい……。喜んで」 パンチョスは譲一とそっと手を重ねました。「幸せにして下さいね……」 どうぞ
譲一: 「うん……。パンチョスも……俺を幸せにしてね……」
ナレーション: パンチョスは心からの笑顔で、答えるのでした。
ナレーション: 第十二部・完
譲一: えーーーーっ!?
ナレーション: そしてメランコリー譲一・完
譲一: うわあああーーーー
長い間ご愛読ありがとうございました。
次回の作品にご期待下さい。
チャキオ: やろうやろう
アヴダビ: フワッフワッホー!
チャキオ: ぽへぽへぽー
アヴダビ: ぴきゅーー くわば!(ボン!)
チャキオ: げろっふ
アヴダビ: メランコリー譲一 第十二部 新宇宙編
チャキオ: オラの胃袋は宇宙だ!
ナレーション(アヴダビ): 電話ボックスの中で途方にくれる譲一。パトカーのサイレンがだんだんと近づいてきます……。どうぞ
譲一(チャキオ): 「ヤバイなあ。どうしよう……。そうだ、こんな時は……電話だ、電話。警察に電話だ!」
ナレーション: 「はい、こちらは宇宙警察です。どうしました?」
譲一: 「あの、変な人たちが追ってくるんです。どうすればいいのか……」
ナレーション: 「落ち着いて下さい! ええと、そこの電話ボックスなら、今ちょうど警官が向かっていますので、保護させます」
譲一: 「お願いします。ここで待ってればいいんですね?」
ナレーション: 「そうです」 と、同時に、キキー! パトカーが到着しました。中からは屈強な警官が二人躍り出ました。どうぞ
譲一: 「助けてください! 今、変なヤツが!」
ナレーション: 「変な奴はお前だ!」 警官が銃を構えました。「そんなハレンチな格好でうろちょろしやがって……。たまんねえぜ」 どうぞ
譲一: 「あっあひいっ! 俺じゃないんです! 俺はこんな格好にさせられただけでっ!」
ナレーション: 「おいおい、コイツ何か言ってるぜ?」 「くくくっ、武器を持っているといけねえ。身体検査してやりな」 警官(屈強な黒人です)はガムをくちゃくちゃ噛みながら、近づいてきます。どうぞ
譲一: 「わあぁっ! やめてぇ! 俺は、確かに可愛いよ。それは分かってるけど、でも、そういうの……やだよ!」
ナレーション: 「うるせえ! 俺様がじきじきにテメエのクソいまいましいホットパンツの中に凶悪な武器が隠されてねえか調べてやるって言ってんだよ!」 黒人警官は飛び掛ってきました。どうぞ
譲一: 「うわああーーーーっ! 助けてーーーーっ! 誰かあぁーーー!」
ナレーション: 「待ちなさい!」 どこからともなく声がしました。「誰だ!?」 振り向く警官。と、その顔が凍りつきました。「あ、あなた様は、新皇帝譲一様……」 土下座する警官二人。現れたのは、本来の譲一だったのです。どうぞ
譲一: 「あれ? この美男子はどちら様?」
ナレーション: 「ぼっちゃん……。お忘れになるのも無理はありません。私ですじゃ、ヨハネス小向です」 どうぞ
譲一: 「え? あれ? ヨハネス? ゴメン、ちょっと思い出せない……」
ナレーション: 本来の譲一(ヨハネス)は寂しそうな顔をしました。それから、土下座している警官に何か囁きかけ、お菓子を握らせると、警官達は頭を下げて帰っていきました。どうぞ
譲一: 「あ! お菓子、俺にも俺にも!」
ナレーション: 犬のようにハァハァ言う譲一にとまどいながらも、本来の譲一(ヨハネス)はアンドーナツを渡しました。どうぞ
譲一: 「ありがとー! あれ……。このドーナツ……」
ナレーション: 「え? (ドキリ)」 どうぞ
譲一: 「ヨハネス特製の……アンコの代わりに、味噌が塗りたくられてるヘンテコドーナツじゃない?」
ナレーション: 「…………」 ヨハネスはただじっと立ち尽くしています。どうぞ
譲一: 「ヨハネス? もしかして……ヨハネスなの!?」
ナレーション: 「ぼ、ぼっちゃん、やっと思い出して……」 その時です。「譲一くーん!」 パンチョスが走ってきました。「さっき、パトカーのサイレンが聞こえたから。きっと譲一くんが何かやらかしたかと思って……」 どうぞ
譲一: 「パンチョス! パンチョス……。心配して……来てくれたんだね……グスッ」
ナレーション: 「ええ! 大丈夫? 何もされなかった? は! あ、あなた様は……!」 パンチョスは本来の譲一(ヨハネス)に気付くと、凍りつきました。どうぞ
譲一: 「パンチョス、ヨハネスの事、知ってるの?」
ナレーション: 「知らない人なんているはずないわ。この国の支配者ですもの……」 いつしかパンチョスは汗だくになっていました。ヨハネスと見つめあっています。二人の間に、火花が散っているのです。どうぞ
譲一: 「ちょっとちょっと、二人ともやめてよ! ケンカは良くないよ。穏便に行こうぜ!」
ナレーション: しかし譲一の言葉は耳に入らないようです。にらみ合う二人。一触即発という感じです。どうぞ
譲一: 「もう! 二人とも、離れろよ! ブレイクブレイク! パンチョスは右! ヨハネスは左! そしてファイッ!」
ナレーション: 譲一に煽られて、二人のバトルが始まりました! 応酬するパンチ&キック! 物凄い戦いです。これはどちらも相手を殺す気でやっているようです。どうぞ
譲一: 「やべえっ。どうしよう……。というよりも、あれ、俺の可愛い顔じゃない? ボコボコになるのは見るに耐えないっす。ということで、二人ともストーーーーップ!!!!」
ナレーション: 止めるんだね? ではクイズ判定に入ります! 用意はオッケー?
譲一: オッケー
ナレーション: 問題です。渋谷で待ち合わせしている若者は、意外とホームレスが近くにいても平気です。なぜでしょう?
譲一: 「俺とお前はマジでマブダチだと思ってる。なんつーの? ソウルメイトってヤツ? 今に俺らもソッチの世界に行くからさ!」みたいな感じ?
ナレーション: おしい!
譲一: じゃあねえ
譲一: 渋谷の若者は、臭いを感じる機能を持たない新人類なんだ。だから、臭い人がいても、ネイティブかなんかだと思ってるんじゃないかな?
ナレーション: 物凄くおしいー! 次、ラストチャンスです。
譲一: じゃあ、
譲一: お父さんがいるんだ! 実は彼らの仲間の中の、誰かのお父さんなんだ。悪い奴らとつるんでないか、心配で見に来てるんだ! そうでしょ?
ナレーション: 正解!!
譲一: ふひー。
ナレーション: 「ぼっちゃん……」 身をていして必死に二人を止める譲一に、本来の譲一(ヨハネス)の目に涙が溢れました。「ぼっちゃん……良い人を見つけましたなあ」 ヨハネスがパンチョスを見ると、パンチョスがうなづきました。どうぞ
譲一: 「ヨハネス……。俺、パンチョスと暮らしていきたい……。俺、パンチョスがいないと……ダメなんだ……」
ナレーション: 「……。ぼっちゃんの幸せは、ヨハネスの幸せでございます。どうか、どうかいつまでも、お幸せに……!」 ヨハネスは涙を拭くと、高級外車に飛び乗り、走り去りました。どうぞ
譲一: 「パンチョス……俺、さっき言いたかった事……ちゃんと言ってもいい?」
ナレーション: 「ええ……。なあに?」 パンチョスは譲一の手を握り締めました。どうぞ
譲一: 「パンチョス……俺と一緒に……幸せになってください!」
ナレーション: 「こんな……こんな私で……ぐすっ……」 後は言葉になりませんでした。身を震わせて男泣きに泣くパンチョスは、なぜだかとても、しおらしいのでした。どうぞ
譲一: 「パンチョス……。イチゴのケーキ、一緒に食べに行こう! さ、お手をどうぞ」
ナレーション: 「はい……。喜んで」 パンチョスは譲一とそっと手を重ねました。「幸せにして下さいね……」 どうぞ
譲一: 「うん……。パンチョスも……俺を幸せにしてね……」
ナレーション: パンチョスは心からの笑顔で、答えるのでした。
ナレーション: 第十二部・完
譲一: えーーーーっ!?
ナレーション: そしてメランコリー譲一・完
譲一: うわあああーーーー
長い間ご愛読ありがとうございました。
次回の作品にご期待下さい。