超高機動銀河恋愛黙示録モロッソスギャラクシー

美少年刑務所の名物所長チャキオと
小悪魔ボディの見習い天使アヴダビが激突する
モロッソスみそっみそっ創作宇宙

筆ペンコラボ80「ピーターパン」

2008-01-31 20:54:34 | 筆ペン画
「科学技術館短歌」

おなかすき
食堂めざし
いざ地下へ
メニュー見れども
わびしさつのる

子供達
自由気ままに
跳びはねる
科学技術の
意味も知らずに

お父さん
張り切りすぎて
身がもたず
五階の手前で
ベンチに寝そべる

自転車の
歴史をたどり
大車輪
貴婦人達が
ウイリー走行

馬面の
自転車なのか
こんなのが
ペダル無いのに
たてがみはある

コメント (2)
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筆ペンコラボ79「ランランルー」

2008-01-24 20:03:05 | 筆ペン画
「万歳リンメイ ~イエローサブマリンのリズムで~」

あの頃、オイラとお前はリンメイ
海の浜辺でインザスカイ インザスカイ
こんな俺からコングラッチュレーションリンメイ
海の港で アンダーザシー アンダーザシー
ヒーホーヒーヒホ 万歳リンメイ
ドンマイリンメイ ドンクライリンメイ
(繰り返し)
コメント (9)
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妖精大百科フェアリー・マンダーラ61(アヴダビ)

2008-01-19 21:45:29 | 妖精大百科フェアリー・マンダーラ
61匹目「偽の情報で惑わす妖精 イワシクラ」

 いつもはグータラで、昼間っから家でゴロゴロしている洋一郎之介ですが、今日は珍しく朝から学校へ向かっています。
「どいたどいたー! 今朝の俺は一味違うぜい!」
 登校中の子供達を突き飛ばしながら校門を抜け、同じく早くから来ていた連中と校庭で大縄跳びをして遊んだ後、元気よく教室へ入りました。
「に、ににんがし……にさんがろく……にしが……わかりません」
「その前に、君は誰ですか?」
 先生の言葉にビックリしちゃいました。
「誰って、俺は深川洋一郎之介だろうが! ……ていうか、あんたこそ誰だ!? 何セン?(何ていう先生?の略)」
 今までまったく気がつかなかったのですが、見た事もない先生だったのです。先生だけではありません。周りの子供達も、マジで子供だったのです。
「君は学生服着ているけど、中学生じゃないのかね? ダメじゃないか、勝手に入ってきちゃあ」
「いっけねー!」
 慌てて教室を飛び出して中学校へ向かう洋一郎之介でした。

 しかし……。
「どっちに行けばいいんだ!?」
 すっかり道に迷ってしまったのです。
 その時です。
「どうやらお困りのようですねえ?」
 振り向けば、そこにはソ連兵のような格好をした男が立っていたのです。手にはフォークを持ち、背中にはなぜか電車の絵を描いたベニヤ板を背負っています。目の焦点は合っていませんでした。
「迷子、ですかねえ?」
 男はにやりと笑いながら言いました。
「あ、うん……。あんた誰?」
「わたしはね、イワシクラというもんですよ。実はわたし、道には結構詳しくてねえ」
「え、本当!? じゃあさ、俺の中学校へはどう行ったらいいのか知ってる?」
「くっくっく。もちろんですよ。南へ向かうとほこらがある。そこから西へ進み、岩と岩の間へすすめ。……ですけどねえ」
「サンキュー!」
 洋一郎之介は駆け出しました。

 しかし……どこにもほこらなんて無いのです。そもそも「ほこら」なんてゲームの中でしか聞いた事が無いので、実際には何なのか分かりません。
「ちっくしょー!」
「おやおや。お困りで?」
 振り向けば、そこにはソ連兵のような格好をした……イワシクラが立っていました。
「ちょっとー! もっと分かりやすく教えてよ!」
「くっくっく。あいよ! だからよ、ここをまっつぐ行ってだね、タバコ屋の角をしだりにへえった先にあるてえんだよべらぼうめ!」
 イワシクラは突然江戸弁でまくし立ててきました。その勢いに押されて、思わず走り出してしまった洋一郎之介です。

 しかし……どこにもタバコ屋なんか無いのです。
「ちっくしょー!」
「まだこんな所にいたんですねえ」
「イワシクラ! てんめー!」
「おっと、もう発車の時間です。わたしは行きますよ。これがわたしからの最後のヒントです。それでは、御機嫌よう~」
 イワシクラは自分に向かって人差し指を突きたて、目の前でグルグル回しました。まるで自分に対して催眠術をかけるように。
 すると、焦点の合っていなかった目が、さらにおかしくなり、完璧に白目になりました。
 口も半開きになり、体はガクガク震え、トランス状態になっているのです。
「ちょ、ちょっとイワシクラ!?」
「がったんこー、がったんこー……」
 イワシクラは何かに取り付かれたように、電車の口真似をしつつ、真横に走り出しました。そのままカニのように走り去っていきました。
「イワシクラ……。もしかして君は、最大の攻略法を俺に教えてくれたのかな……。そうだよね、イワシクラ……」
 洋一郎之介はイワシクラを真似して、自分に向かって人差し指をグルグル回しました。直後に眠りに落ちて、そのまま夕方まで発見されなかったといいます。
コメント (4)
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ジョギ先すごろく

2008-01-15 22:13:51 | オリジナルグッズ
これは、ジョギング先生とチャキオ先生からの挑戦である!






~校歌・例~

<2番>
竜巻こえて ストレンジ
さらなる絆を 迎え撃つ
伸ばされ 伸ばされ 豆になれ
体操服の お洗濯
閉会式は しめやかに
片付けはじめる 万国旗
ウィーアー 悪漢
アッカンハイスクール ナウ!

(チャキオ、アンディ、アヴダビ)

<3番>
あら波のりこえ ガバメント
いずれドン底 ひゅーるりら
固まれ 固まれ 石になれ
給食袋は 持ち帰れ
反省会は キレ気味に
あしたは みんなでスキヤキだ!

(rinmay、海太郎、アンディ、チャキオ、アヴダビ、春日)


頑張って遊んでみよう!
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僕たちの青春シリーズ ジョギング先生 第二十一話 (チャキオ)

2008-01-12 21:21:51 | ジョギング先生
 第二十一話 「動物以上に奇想天外!」

 ウフフ……。今日は最高に気分がいい。なぜかって? それは、新聞の集金の人が、ステキなチケットをくれたのだ。できたばかりの動物園、「わくわく動物ランド」のチケット。それも2枚。これはもう、竹豊とデートしなさいっていう神のお告げだよね。僕はウキウキで、いつものごとく、早めに学校に行った。チケットというと嫌な思い出が過ぎる。そう、あれはピタゴラスの時のことだった。あの時の教訓を生かし、今回は肌身離さずチケットを持つことを誓う。そして、今度こそ、竹豊を……竹豊を……。
「オハヨーッ! イエーーーーッス!」
 僕がモンモンとしている間に、バカ1号こと洋一郎之介がやって来た。
「わあーーーーっ! わくわく動物ランドのチケットだ! やったーっ!」
 な……何ぃ! どうしてイキナリ……。こいつ……エスパーか!?
「ねえねえ! それ、どうしたの? 俺、行きたい! お願い! 連れてってよ! 何でもするからぁ~」
 そう言って、僕が肌身離さないように、首から提げていたパスケースを引っ張る洋一郎之介。ハアウッ! いけないっ! このパスケース、透明だった! 思いっ切り「わくわく動物ランド」のチケットが丸見えじゃないかーーーーっ!
 なんてことを……。僕は……バカ……? いや、違う。バカじゃない! ちょっとお茶目なだけだもんっ!
「ダメだよ! これはダメ! これだけはダメ! これは……これは……た……」
「おはよ~っ!」
「たたたた……竹豊と行くんだからーーーーっ!」
 僕が叫んだと同時に教室に入ってきたのは、キャァッ! 竹豊♪ 今日もミラクルにカッコいいよ~! それに、こんなタイミングは奇跡だ! いつもなら、オカマやらジョギ先が入ってきて、ソイツと行くハメになるのに……。さては、作者のヤツ、僕に対して何かやましいことがあるな……。
「ねえ。どこに行くの?」
 たたた……竹豊~~~~っ! 今日もステキだね(はあと) 竹豊とだったら、もうどこへでも行っちゃうっ♪
 ハッ。いけない! 竹豊に見惚れて千載一遇のチャンスを逃すとこだった。誘うなら、今しかないんだ!
「これ! ここ! 『わくわく動物ランド』に行きたいんだ!」
「いいの? マジで?」
「マジマジーーーーっ!」
「ありがとう!」
 うひょーーーーっ! こんなにスムーズにコトが進むなんて奇跡だ! やっぱりこれを書いている頭のおかしいヤツは相当、僕に対して何かあってはならないことをしたに違いない。例えば、僕の分身であるピンキー人形をゴミ箱に捨てた……とか……。まさかね。そんなことがあったら、僕、許さないよっ! でも、このスムーズなコトの運びっぷりは、責任逃れだな。じゃなきゃ、こんなに上手く行くはずがないっ! ありえないっ!
「俺、動物園に行きたかったんだ~。楽しみ~。ありがとう!」
 竹豊が目を輝かせている。もう、何でもいいや。竹豊と動物園デートできるなら! 僕、動物なんて見れないかも……。お弁当、作ろっと。

「オイーーーーッス! みんな元気か? みんなのアイドル基次だよ」
 バカ2号も登校してきた。でも、今日の僕は、みんなのバカにも寛容でいられる。ウフフ。
「時に、愚民ども。今日は俺様からロックなプレゼントがあるのだ。目ん玉、ひん剥いてよく見ろよ!」
 そう言って、ジャジャーンという効果音を自分のギターで弾く基次。常に効果音を用意しているだなんて、バカも色々だなぁ……。
「なんと! 『わくわく動物ランド』の入場券だーーーーっ! ホーレホレ!」
 ガガーーーーンッ! 基次じゃないけど、ギターで今の音をつま弾きたい。やっぱり神などいないのか! 神はその全てを隠すのかっ! うわーーーーん! なんで基次も持ってんだよ~っ!
「ハーイハイハイハイ……! 俺! 俺、行きます! 行かせてくだせえ、基次様!」
 洋一郎之介が下僕のように、その足にすがり付く。お前にはプライドがないのか? あまりにもの洋一郎之介の気合に、誰も名乗りを上げることができずに、アッサリとそのチケットは洋一郎之介に渡された。
「ねえねえ! 竹豊君たちも一緒に行こうよ! みんなで行った方が楽しいよ!」
 えーーーーっ! 洋一郎之介のヤツ、余計なこと言いやがって……。ちょっと……竹豊……断っちゃってYo!
「そうだね。そうしようぜ!」
 やっぱな……。だから最初からショックを受けてたんだよ、僕は……。
「おはようダス! みんなっ!」
「グッモーニン! 竹豊君&みんな」
 同時に入ってきたのは、鼻三郎と聖だった。オカマのやつ、竹豊だけ特別扱いったぁ、どういう了見だい!
「あら? それ、『わくわく動物ランド』のチケットじゃない。どうしたの?」
「これは、ミラクルな俺様こと基次ちゃんが手に入れて、みんなで行くことになったチケットだよ」
 おいっ! 残りの2枚は僕が手に入れたんだよ!
「やあだぁ~。きぐう~♪ アタシたちもよ、ねえ、鼻ちゃん!」
「そうなんダス。僕ももらったんダス」
 えーーーーっ! なんだってぇーーーーっ! じゃあ、もしや……まさか……。
「アタシ、鼻ちゃんに連れて行ってもらうことにしたんだけど、せっかくだから、一緒に行かない?」
 やっぱりそう来たな……。そして、おそらく
「いいよ。みんなで行った方が楽しいしね」と竹豊。
「イエーーーーッ! もちろんだゼーーーーッ!」と基次&洋一郎之介。
 こうなったら、もう反対のしようがないじゃないか……。
「そうしよう……」と僕。
 ううう……。涙が溢れそうだよ……。
「それならば、先生が引率してやらねばな」
 ギャッ。後ろから、オッサンの声が。振り返らなくても分かる。短パンにランニングの人に違いない。
「ジョギング先生も行きたいの?」と竹豊。
やっぱり、短パンとランニングの人だった。
「うむ。ヒヨコたちに付いていってやらないと、何をしでかすか分からないからな」
 って、前回のサビテックはアンタも筆頭だったんだよ! 保護者ヅラしやがって! 一番、怒られてたくせに!
 そんなこんなで、次の日曜日に「わくわく動物ランド」にみんなで行くことになった。僕ってば、前回はパジャマでオジャマしてしまったから、今回こそはリベンジだ。ベストジーニストも真っ青のオシャレをしてやるぅ! 見てろよ、竹豊!
 そうそう、今回、僕はカマボコのTシャツをゲットしておいた。これで竹豊とおソロ作戦だ。ウフフ。

 いざ、行ったら、竹豊は今回カマボコのTシャツじゃなかった。どこかの国の指導者みたいなハゲ頭のオッサンの厳つい顔に『理事長』なんて文字がプリントされているTシャツ……。何、これ……。こんなTシャツ、誰が買うんだよっ! って、竹豊かぁ……。もう……。これも要チェックや!

「ごめんね、遅れてぇ……」
 そして、あとからやって来た聖にガガガガーン! アイツも……アイツも……竹豊とおソロ作戦を練っていただなんて~っ! もう分かるよね? つまり、僕は聖とおソロになってしまった訳だよ。
「いやぁーーーーっ!」
 思わず僕は叫んでしまった。だって……。カマボコのTシャツなんかで、意中の人ではない人とおソロになるなんて……どんな確率だよっ!
 だいたいカマボコのTシャツ自体、なかなか見つからなくて、根性で探し出したのに……。今日は、シャツのボタンは開けないっ。開けたりしないんだからぁ。
 それ以外の私服はというと、鼻三郎も基次も洋一郎之介も、だいたい前回と変わらなかったけど、やっぱりジョギング先生だよ……。今日も、ジャージはジャージなんだけどね、テツトモみたいに、ちょっと短かった。なんだよ、これ。っていうか、外出着にジャージを使うな! この人、冠婚葬祭もジャージなのかなぁ……。12色のジャージだなんて、ユニクロだって売らないよっ! 分かんないけど。

 とりあえず、みんな揃ったということで、さっそく園内に入った。どういうわけか、僕たちが入った途端に、ギーギーッとかガルルルル……とか園内が騒がしくなった。
 それはさて置き、まず、最初はやっぱり可愛いレッサーパンダから見たいんだよね。僕、可愛い動物、大好きだし。ところが、僕たちが近づくと、さっきまでモグモグと何かを食べていたレッサーパンダが、一目散に逃げて行った。藪の中とか、すごい見にくいところに行っちゃうんだよ……。何で? レッサーパンダだけのことかと思ってたんだけど、ビーバーとかカワウソとかもサササーッと隠れてしまった。ど……どうしてぇっ!?
 フラミンゴとかは、急にバタバタと羽を動かしたりして、なんか騒然としている。シカとかキリンとかも、完全にいつでも逃げれるといった雰囲気を作り出していて、何だかムッとする感じだよ!
 きっと、このランニングのオジサンのせいだと思う。断じて僕のせいじゃない。僕なんて歩いているだけで、小鳥とか小リスとかが寄ってくるってのに……。それくらいメルヘンなのに……。
 そんなこと全く気づいていないかのような脳天気なバカ1号の声。
「ねえねえ。どこから見る?」
「やっぱさぁ、なんと言っても、キングオブ動物のライオンがいいんじゃない? すげーロックじゃん? アイツらって」
 基次の言うところのロックって全く分からない上、一般常識とズレてる気がするけど、可愛い動物が出てきてくれない以上、猛獣に向かうしかないよね。幸い、サファリバス形式で嫌でもライオンが見れるっていうナイスなサービスだし。
 さっそく乗り込もうと思ったら、それまで並んでいた人たちもサッといなくなって、僕たちの貸切バスになった。どういうことなんだろう……。

 とにかく、バスが進むとライオンが間近に。わーっ! すごい迫力! これはバカでなくとも、コーフンするよ。でも、バカはもっとコーフンしていた。言う間でもないけどね。
「ワーッ! すげーっ! やっぱライオンはパンクロックだぜーいえーっ!」
「すごいよーっ! これはもはや妖精の域だね! イエイイエーイッ!」
 コーフンのあまり車内ででんぐり返しをした洋一郎之介。なんでそんなことするんだよぉ……。良い子のみんなはマネしないでね。
 思った以上に気合の入ったでんぐり返しだったため、ライオンバスのドアを突き破り、外に飛び出すという離れ業をやってのけた。
「うわーーーーぁっ! 洋一郎之介――――っ!」
 ライオンの群れの中に佇む洋一郎之介。さすがにビビっているようだ。アイツ、意外とビビリだからなぁ……。コーフンすると、我を忘れがちだけど……。
 そうこうしている間に、洋一郎之介はライオンに囲まれていた。大変だぁっ! そして、ドアが開きっぱなしなのも大変だぁっ! ライオンが来ちゃうよぉーーーーっ!
 そんな中、僕らのクラスのリーダー、ミラクル王子こと、僕の愛しの竹豊ちゃんが飛び出した! いやーぁっ! 危ないよーーーーっ!
「洋一郎之介!」
「たたた……竹豊くーーーーんっ! ヘルプミー!」
 号泣の洋一郎之介を守るように、竹豊が助けに行ってしまった。完全にライオンは、より美味しそうな竹豊にロックオンした雰囲気だ。竹豊が喰われるくらいなら、洋一郎之介を喰ってくれーーーーっ! おっと……。
「ジョギング先生――――っ! なんとかしてよーーーーっ!」
 僕が叫んだ時には、すでに飛び出していたジョギング先生。さすが早いね。こんな時のためのジョギング先生だよ。
「ヒヨコたち! 大丈夫かっ!」
「ジョギング先生――――っ!」
 ジョギング先生が出てくると、どういう訳だか、ライオンたちが一瞬、怯んだ。やっぱちょっと怖いのかなぁ……。本能ってヤツかね?
 ジョギング先生は、洋一郎之介と竹豊を庇いながら、パアンパアンとライオンを叩いた。すげーーーーっ! 素手で……ライオンに挑んでる……。
 メスライオンくらいなら、さほど困難ではなかったと見えて、ジョギ先が通るとスススと道を開けてくれたライオンたち。しかし、そこに現れたのは、タテガミも立派なオスのライオンだった。まさに百獣の王。かっこいいねぇ。おっと。感心している場合ではなかった。
 オスライオンとジョギング先生の一騎打ちが始まった。まず、ジョギング先生目がけて、ライオンが飛び掛る。それをかわして、逆にジョギ先がライオンの首に噛み付く。って、えーーーーっ! ライオンに噛み付くヤツ、いるんだ……。
 ライオンも負けじとジョギ先を振り払う! ジョギ先は更にライオンに跨って、ライオンのお尻をパァンパァンと叩く。ライオン、堪らず飛び上がる! ジョギ先はそこを狙ってカカト落しを炸裂! ライオンかなりのダメージ! それでも、力を振り絞って、ジョギ先の脇腹に噛み付くと、ジョギ先も負けじとライオンの首元に噛み付く! って……なんの戦いだよ! ジョギ先は人間か? 今更、言うこっちゃないけど……。このままでは双方共倒れだ。見てられないよ!(面白けど)
 その時だった。またしても間に入ったのは、ミラクル王子だった。もうっ! 危ないってばあ! でも、さっきからライオンとジョギ先の戦いを心配そうに見てたもんね。僕なんかは、ジョギ先だから大丈夫だろう、なんて楽観的に見てたけど。
「2匹ともやめなよっ!」
 ……。2匹……。竹豊、先生を1匹、2匹でカウントしてるのかなぁ……。まさか、この僕のことも、竹豊の脳内では匹とみなされてるのかな……。それとも、竹豊の物の数え方は、全て匹で統一されているのかなぁ……。まあ、いいや。この際、そんな細かいことは……。今、重要なことは、竹豊が猛獣大決戦の中に割り込んだことだよ。そうだよっ! もーうっ。危ないじゃんかぁっ!
「ジョギング先生も、やり過ぎだよ! このライオン、怯えてるじゃないか!」
 えっ……。竹豊……。どこを見て言ってんの? このライオン、さっきから怯えるどころか、ジョギ先を殺そうとしてたじゃん? って、思ってよく見たら、何? このライオン。ちょっと竹豊の後ろに回って、いかにも被害者面してるぅっ!
 ああっ……なんかズル~いっ!
「すまなかった……。リーダーヒヨコ……。先生も、頭に血が上ってしまってな……」
 ライオンは竹豊の後ろでガルルガルル……とジョギ先に歯を剥いている。なんか……言いたいことが伝わってくるよ……。そして、竹豊ったら、なんでライオンに物怖じしないんだろう……。すごい子だね。ジョギ先に牙を剥くライオンを宥めてる。竹豊は可愛い猛獣使いだ! なんて、ちょっとしたメルヘン気分を味わっていた時、僕は信じられない光景を目の当たりにした。聞いて驚くな!
 ライオンが、竹豊に擦り寄った瞬間、バサササ……とタテガミが抜けたのだ。えーーーーっ! タテガミが抜けるって、それはつまり……オスじゃなくなるってこと……かな? ライオン界にとっては……。まさか、竹豊はライオンにまで、そんな力を発揮するのか? 信じられないよ。竹豊……。僕、君のことが、日1日、分からなくなっていく。とりあえず、オスをメスへ変える能力があるのは確かなようだ。不思議だね。
 相変わらず、竹豊に擦り寄るオス(?)ライオンを振り解き、僕たちは何とかバスに乗った。オス(?)ライオンの寂しげな声が園内に響いていたが、僕も竹豊を渡すわけにはいかない。それに、ライバルだと考えると、僕に勝ち目はない。やっぱ、怖いじゃん?

 こんな調子で、動物園デートは成功するのかなぁ……。まあ、バカたちが一緒にいる時点でムードのかけらもないけど。
「ねえ……もうちょっと可愛い動物、見ようよ~」
 そうだよ。バカが何しても危険じゃないやつがいいな。
「じゃあ、あれがいいっ! あれ!」
 そう言って、基次が指差したのは、サル山……。なんだか嫌な予感がする。
「サルだーっ! サルだーっ! やっほーい!」
 洋一郎之介のヤツ、さっきあんなに大変な想いをしたってのに、この発言……。まったく懲りてねぇっ!
「ねえねえ。俺のお供になるサルはどれだと思う? 見て見て!」
 お前のお供になるサルなんかいるかっ! そんな僕の気持ちと呼応するように、洋一郎之介の前からササーッとおサルたちがいなくなった。
「あれぇ? ちょっとちょっと! みーんなー? どうしちゃったのー? 元気ないぞーっ!」
 洋一郎之介は児童向けの演劇で、最初に場を温める司会者のように、サル山のサルに向かって話しかけている。完全にアホの子だ。サルだけじゃなく、さっきまで賑わっていたカップルや親子連れすらいなくなっていた。
「みーんなーっ! もう一度~っ! こーんにーちはーーーーあーーーーっ!」
 言葉と共に洋一郎之介が僕の視界から消えた。正確に言うと、乗り出しすぎて落ちていた。
「洋一郎之介――――っ!」
 バカは懲りないからバカなんだろうなぁ……。ライオンに継いで、二度目の檻の中。洋一郎之介こそ檻の中に入るべきだと思う。ハシビロコウなんて、じっとして動かないし、彼こそ檻の外にいても問題ない気がするよ。目つきが鋭くて、僕は好きだけど……。
 あっ! そんなことより、洋一郎之介だ。アイツ、サル山の中に落っこちたんだっけ?
 キキーーーーィッ! キーーーーッ!
 サルたち、大暴れ。そりゃ、そうだよね。完全に異質な存在(人間の中にいても異質なのに)が、縄張りを侵してんだもんなぁ……。
「洋一郎之介! 大丈夫かっ?」
 って……また竹豊が……。バカのお守りも大概にしないと、いずれ竹豊の方がおかしくなっちゃうよ。
「待って待って! ここは俺に任せろやーーーーっ! 一度、サル山のてっぺんでオンステージをしてみたかったんだ。聞いてください。『サル・ゴリラ・チンパンG』」

    『サル・ゴリラ・チンパンG』

  サル ゴリラ チンパンG    サル ゴリラ チンパンG
  サル 顔コワイ ゴリラはもっとコワイ

  サル ゴリラ チンパンG    サル ゴリラ チンパンG
  サル 役立たず キジはもっと役立たず

  サル ゴリラ チンパンG    サル ゴリラ チンパンG
  サル 頭いい 俺の倍は頭いい

「イエッス! サンキュー! 花束は多めにしといてくれよな!」
 基次……サルにズボンの裾とか引きちぎられてるけど、大丈夫なの? 気にしてないのかな……。だいたい、何の解決にもなってねーじゃねーか! バカヤローッ!
 しかも、檻の中の人が増えただけじゃねえかっ! だいたい、お前ら何で落っこちてんのに、足も挫いてないんだよ! 不死身か?
「ヒヨコたちーーーーっ! 大丈夫かーーーーっ!」
 そう言って、慌てて走ってきたのは、鼻の頭やら、口の周りに白いクリームをつけているジョギング先生。先生、いつの間にソフトクリームなんて食べてたんだよ……。ズルイ……。
 遠くに、一生懸命走ってる鼻三郎が見えるから、二人して何か食ってやがったな! よく見たら、聖の歯にも青のりがついてるから、ヤキソバ喰ってたろ……。どうも、いないと思ったら……。僕に、バカたちの面倒だけ見させておいて……。
「今、先生が助けてやるからぬわーーーーっ!」
 言いながら、サル山に消えていくジョギ先。まあ、ジョギ先なら、サルくらい問題ないだろう。
 キキーーーーッ! キキーーーーッ!
 サルたちの騒ぎが増した。なんか、逆にサルたちの方が可哀想になってきたよ。
 この騒ぎに、奥からゆったりと、一番大きなサルが現れた。ボス猿……かな……? ジョギ先とボス猿の睨み合い。すげー! なんか、火花散るって感じだよ。
 その時だった。
「コラーーーーッ! 君たち、何やってんだーーーーっ!」
 飼育員さんが、異変に気が付いてやってきてくれた。良かった。

 僕たちは控え室に連行され、飼育員さんに、こっぴどく叱られた。
「君たちは、何を考えているんだ!」
「俺のお供を……探してたから……」
「君は桃太郎気分か!」
 もっともなツッコミなんだけど、あんまりバカを相手にしない方が良いと思う。なんか、怒られてるって感じがしないから……。
「だいたい、引率者までいて……って、あれ? 先生は? さっきいたよね?」
「ハイ……」
 僕たちは、ジョギング先生のことを出されると、シーンとせずにはいられない。だって……アイツのことだもん……。きっと……。

 先生を探しにサル山に戻ってみたら、ボス猿よりも高い位置で毛づくろいされているジョギング先生がいた。
「あれ……君たちの先生……だよね……?」
「はい……」
 飼育員さんは、見間違いと信じたいのか、何度も何度もメガネを上げたり下げたりして、見直していた。そんな飼育員さんに、こんなこと言うのも申し訳ないけど……
「スミマセン……。生態観察になると思うので、しばらく置いといてください……」
「えっ!?」
 飼育員さんが固まってしまった。でも、アレを連れて帰れる気がしないんだ。
「じゃあ、僕たち、帰ります。あとは、よろしくお願いします」
 僕たちは飼育員さんに、ジョギング先生を引き渡した。きっと、これが一番良いんだと思う。悲しいけど……。
 さようなら、ジョギング先生。ありがとう、ジョギング先生。
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妖精大百科フェアリー・マンダーラ60 (チャキオ)

2008-01-05 00:13:11 | 妖精大百科フェアリー・マンダーラ
 60匹目「仲間を平気で売る妖精 A作職人」

「裏切り者~~~~っ! アンタの血は何色よーっ!」
 洋一郎之介は、テレビから聞こえたその声に、ビクッとして目を覚ましました。今日も、洋一郎之介は学校に行く気がしなかったので、お腹が痛くて動けない可哀想な子という自己暗示をかけて、ずっとテレビを見ていたのです。そのまま、おコタでぬくぬくしている間に、すっかり昼過ぎになり、大好きなサングラスのおじさんの番組も終わって、いつの間にやら、なんだかドロドロした内容の展開の速いドラマになっていました。
「あひゃぁ……。もうこんな時間……。あービックリした~。普段はボソボソしゃべったりするくせに、揉み合いになると、急に張り切っちゃうんだもんな~。この手のドラマは……」
 洋一郎之介は、食べ散らかしたコタツのテーブルから、お煎餅の袋を取りました。
「あーっ! あと1枚だよーっ。ちっくしょう……。これは大切に食べないと……。お茶、煎れてこよう」
 お煎餅には抹茶ミルク。これが洋一郎之介にとってのベストアイテムです。粉末の抹茶ミルクを煎れ、いざ食べようとコタツに戻った時、あってはならない光景を目の当たりにしてしまいました。
 バリッ……ボリボリボリ……
 嫌な音です。映画館などで聞いたら殺意も芽生えるほどの……。
「ギャーッ! アアア……アンタ……何してんだいっ!」
 洋一郎之介は思わず、抹茶ミルクをガシャンと落としてしまいました。洋一郎之介が楽しみにしていた煎餅を食べていた物体。それは、水族館でよく見かける平べったい魚(?)のエイが、化粧まわしをつけていて、そのまわしには職人のような男の絵がついていました。水が無いのに、そんな生き物がフワフワと漂っている……。つまりは妖精ですね。
「ハッ! き……き……君は……このお煎餅の主だったのかい?」
 妖精は洋一郎之介を見て、オドオドしました。
「当たり前だっ! いきなり来て、アンタは何だいっ!?」
「僕は妖精さ。仲間を平気で……アッウウン。A作職人だよ!」
 A作職人は、可愛らしい顔を向けて、洋一郎之介にウィンクしました。洋一郎之介は、その表情に若干、心を揺らしながらも、食べ物の恨みは黙っているわけにはいきません。
「A作職人! 俺のお煎餅をどうしてくれるんだ! あと1枚だったんだぞっ!」
 言われたA作職人は、オーバーリアクション気味に驚いてユラユラしました。
「ご……ごめんよ……。つい……あまりにもお腹がすいていたものだから……。でもね、僕の家に帰ればもっともっと美味しいお煎餅があるから、代わりに持ってくるよ! 絶対、すぐに持ってくる! 信じて!」
 洋一郎之介は意外とシニカルな面があったため、A作職人の涙も素直に信じることはできませんでした。
「本当かい? そんなこと言って……俺の元に戻って来たヤツなんて、今まで1人だっていなかったんだ! 信用できるか!」
「ししし……信じてくれよ! じゃあ、これを君に預ける。これは僕の親友で、僕の命より大切な存在だ」
 そう言うと、A作職人は、そそくさと、締めていたエプロンのような、化粧まわしのようなものを、外しました。
「コイツは……僕の大親友の“すし太郎”。まだ駆け出しだけど、立派な寿司職人だ……」
 そして、A作職人は、そのまわしを洋一郎之介の腰につけました。
「どんな時も、どんな時も、僕が僕らしくあるために、見守っていてくれた……大切な存在さ。でも、その彼を今、君に預けるよ。これで僕の本気が分かるよね!」
「A作職人! 君の本気……よく分かったよ! 俺、待ってる! 君が戻ってくるのを……お煎餅を持って戻ってくるのを……ずっと待ってるよ……」
「明日の朝日が昇るまでに……必ず戻ってくるから……」
「A作職人――――っ!」
 そのまま、A作職人は窓から大空へと飛び去っていきました。
「ねえ、すし太郎。君の親友は……スゴイ奴だね……」
 まわしの中のすし太郎は、ニッコリと微笑みました。洋一郎之介は、すし太郎を腰につけ、A作職人が戻ってくるのを、今か今かと待ち続けていました。
 しかし、朝日が昇るどころか、次の日も、その次の日になっても、A作職人は帰って来ないのです。
「もしかして……すし太郎……裏切られ……」
 そこまで口にして、洋一郎之介は言葉を止めました。すし太郎が、あまりにも落胆していたからです。すし太郎の目から、キレイな涙が落ちるたび、その姿が薄れていきます。
「あああ……すし太郎……。消えちゃうよぉ……。泣くのはおよしよ……」
 洋一郎之介が慌てて、慰めようとしましたが、コレといって引き止める材料が見つかりません。モゴモゴしている内に、すし太郎はスーッと消えていきました。
「A作職人……。すし太郎……。なんだか……悲しい結末だったな……」
 洋一郎之介はすし太郎のいなくなった無地のまわしを手にして誓います。
「仲間なんて……いるだけムダってことだね。悲しい結末しか生み出さないんだ! あー、俺にはそんな面倒な奴がいなくて良かった!」
 そして、洋一郎之介はその日も、学校に行かずに、サングラスのおじさんの番組を見るのでした。
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筆ペンコラボ78「達郎たちのクリスマス・イヴ2007」

2008-01-04 00:29:55 | 筆ペン画
達郎は永遠の輝きですね。
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筆ペンコラボ77「今年もヨロシク!」

2008-01-01 22:29:23 | 筆ペン画
明けましておめでとうございます!

朝から晩まで食っちゃ寝食っちゃ寝……
いいかげんにしなさいよ!
お正月気分でいられるのも今日までですよ!
今年もヨロシクお願いいたします。
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