カメラを持って出掛けよう

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現代音楽に考えさせられる

2021年08月22日 | 音楽
昨夜、YouTubeでコンサートの前プログラムとして現代音楽が演奏されていました。
それなりにいいのだろうけど、私には作品の良さが伝わりませんでした。
果たしてこれがバッハ、モーツアルト、ベートーヴェン、ブラームス等々の作品のように数百年も演奏されるのかと私には思えません。
いわゆるクラシックとして幾度となく演奏される曲になって行くのだろうとはとても思えず、一時の刺激的な音楽表現ではないかと感じます。
何かと刺激的印象がもてはやされる現代の心の闇を象徴しているように思えてなりません。

やはりいいものは何百年経過しても人々の心に伝わる芸術遺産ではないでしょうか?
前にも述べましたがジャンクフードは身体に良くないのと同じくジャンクミュージックがあるとするならば心身には、長い目で見ればマイナス要素が多いのかも知れません。




小説「Obralmの風」




サイパンの空港に着いたのは深夜だった。
古びた大型バスに乗って寝静まった通りを走れば所々にオレンジ色の街灯に照らし出される家屋が漆黒の闇から浮かび上がる不気味に感じられる。
ホテルに着いて岳達四人はそれぞれの部屋に分かれた。
岳は真っ先にバスルームに顔を突っ込んで声を確認しながら苦笑した。
(まさか・・・)
ここまで来て大山のように女性の咽ぶ声が聞こえたのではたまらない。
吉井美華はあのことがトラウマになったかのようにバスルームには敏感になっているようだがもしかすると岳も同じなのかも知れない。
幸いそのような声は聞こえなかった、というより聞こえるはずがなかった。
時計を見れば明け方の3時を回っている、翌朝は8時過ぎに朝食と言ってそれぞれ別れたのはいいが仮眠程度しか出来ない。
岳は服を着たままベッドに寝転ぶと知らぬ間に寝入ってしまった。

翌日岳達一行はタクシーを貸し切って島内観光をした。
運転手の説明に恥ずかしいことだが、岳も仲間もこの島が戦時中に悲惨な戦が繰り広げられたとは知らなかった。
戦後の復興が一段落した頃に生まれた我々は戦争の知識といえばテレビでの番組が主だった。
それ故この島が悲惨な戦いを繰り広げ日本軍が玉砕したことすら知らない。
しかし今は当時の面影はなく、暖かい南国の風が島中を吹き渡り、海は美しく時間の流れはまったく感じられないほどであった。
岳はこのようなところでたっぷりと飯を食って、木陰でのんびりと潮風に吹かれていれば末期の病も癒えてしまうのではないかと思う。
少なくともストレスが原因の病などはこの島にないだろう。

翌日の早朝から岳たちはゴルフに向かった。
コースは日本のゴルフ場のように混雑はしておらず、ゆったりとしたペースでメンバーとゴルフを楽しめる。
コース内に植えられた椰子がサワサワと音を立てて、コース越しに群青色の海原が望める。
朝だというのに真っ青な空からの陽射しは肌に痛い。
コース両脇には人の背丈より高いブッシュの塊が並んでいて、その大きな塊が海風を受け左右に揺れている。
ハーフ最終のロングコースで岳は二打目をブッシュの中へオービーしてしまった。
スタート前にフロントの説明でブッシュの中にオービーを打ち込んだらボールは見つかりにくいのでワンペナルティでそのままゲームを続行するよう注意されていた。
しかし岳はボールが惜しい訳ではないがブッシュの中に入ろうとした。
「おーい久保!オービーのボールは諦めろ」
弓田が少し離れたコースから叫んだ。
「ああ判っているよ、ちょっと小用」
と答えながら分け入った。
成るほどボールは見つかるものではなかった。
自分の背丈以上のブッシュに視野を塞がれ方向を見失ってしまいそうになる。
岳はボールを諦めて、小便をしようとした時突然背後から誰かが怒鳴りつけた。
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