この動画を観ていると本当に演奏を楽しみながら音楽を創っていると改めて思わされます。
演奏の端をかじっている素人の私が言うのも何ですが、どうも日本の音楽は学問的で正確に演奏することが最優先で楽しさが感じられないような気がします。
Tchaikovsky: Serenade for Strings in C major // Tønnesen & NCO
追伸
最近放送ネタが無くなって細々としていたコロナ情報がオミクロン株で再び水を得た魚のごとくまた煽り建て始めましたが如何なものでしょうか?
もう普通の風邪扱いでそんなに騒がなくてもいいのでは?
と思う今日この頃です。
いい音楽を聴いて免疫力アップをしたらいいのでは?
小説「Obralmの風」
岳はその痛みが病気から来るものなのかと思った途端、顔が急に熱くなり額に汗が浮くのが判った。
「おいおい大丈夫か、帰ったら医者に診てもらえよ」
「何でもないよ、ほらっ。こうして肩を回すと背中の張りがほぐれて楽になったよ」
「久保、やっぱり痩せてるよ。俺達の言うことを聞いて病院に行ってくれ」
「そうやな、来年も皆と一緒に行きたいからそうするよ」
背中は痛みの種が残ったままであった。
「それより久保、いいかげんに身を固めろよ。いい女性を紹介しようか」
中島は真剣な顔つきになった。
「ありがとう、でもこの年になると邪魔くさくって一人の方が気楽でええわ」
「それは聞き飽きるほど聞いたよ。一度うちの店でセッティングするわ」
「おいおい、待ってくれよそんなわざわざ場を作ってくれなくても」
「おや?妙に拒否するってことは・・・」
「中島よ野暮やで、こいつにはとっくにええ女がいるよ、そうに決まってるわ」
弓田は笑いながら言った。
「そ、そうや適当にやっているから心配するなよ」
中島はどうも納得が行かない素振りで岳に食い下がった。
「だから、適当に何をしているや」
「そう絡むなよ中島。この続きは近々お前の店でやろうや。そろそろお開きにしよう」
寺井の言葉に今まで集中していた意見は何もなかったかのように治まった。
(何や、この程度の話やったのか・・・)
岳は世間でよくあるお節介話の一端だと思うと、笑いが自然と込み上げて来た。
旅行を終えて二日後、岳は明子に会おうと電話をしたが留守電が応答するだけで彼女は出なかった。
(職場に復帰したのかな・・・)
その日の夜、明子の帰宅を見計らって再度電話したが依然として留守番電話であった。
(どうしたのだろう・・・)
岳は妙な胸騒ぎを覚え、弟の進に電話をしてみた。
「それはご心配頂きまして申し訳ありません、姉はこの二学期から職場に復帰しました。何だか連日残業でかなりきついそうです」
彼の明るい受け答えに岳は安心した。
「それはよかった、じゃあ週末にでも連絡してみるわ」
「それより岳さん病気の方はいかがですか?」
「ああ、退職後のんびり生活をしていたらあれは嘘やったのかと思うくらい元気だよ」
「それはよかった。でも安心しないで病院には通ってくださいよ」
進はそう言って電話を切った。
岳は進に言ったように旅行中南の島で温暖な気候の中に居ると病を忘れるどころか、食欲も旺盛になり一種の食い力が生命維持の原点のような気がしている。
いっそのこと再び島を訪れて長期滞在をしてみようかとも思うようになってきた。
この病に治る見込みが数パーセントでもあるというのなら、医療プログラムに従って抗癌治療も受けるが、見込みのない宣言を受けたのだからこの環境から脱出して、岳の思う人間らしさのある生活に奇跡を託してもいいのではないだろうかと甘いことを思って苦笑した。
演奏の端をかじっている素人の私が言うのも何ですが、どうも日本の音楽は学問的で正確に演奏することが最優先で楽しさが感じられないような気がします。
Tchaikovsky: Serenade for Strings in C major // Tønnesen & NCO
追伸
最近放送ネタが無くなって細々としていたコロナ情報がオミクロン株で再び水を得た魚のごとくまた煽り建て始めましたが如何なものでしょうか?
もう普通の風邪扱いでそんなに騒がなくてもいいのでは?
と思う今日この頃です。
いい音楽を聴いて免疫力アップをしたらいいのでは?
小説「Obralmの風」
岳はその痛みが病気から来るものなのかと思った途端、顔が急に熱くなり額に汗が浮くのが判った。
「おいおい大丈夫か、帰ったら医者に診てもらえよ」
「何でもないよ、ほらっ。こうして肩を回すと背中の張りがほぐれて楽になったよ」
「久保、やっぱり痩せてるよ。俺達の言うことを聞いて病院に行ってくれ」
「そうやな、来年も皆と一緒に行きたいからそうするよ」
背中は痛みの種が残ったままであった。
「それより久保、いいかげんに身を固めろよ。いい女性を紹介しようか」
中島は真剣な顔つきになった。
「ありがとう、でもこの年になると邪魔くさくって一人の方が気楽でええわ」
「それは聞き飽きるほど聞いたよ。一度うちの店でセッティングするわ」
「おいおい、待ってくれよそんなわざわざ場を作ってくれなくても」
「おや?妙に拒否するってことは・・・」
「中島よ野暮やで、こいつにはとっくにええ女がいるよ、そうに決まってるわ」
弓田は笑いながら言った。
「そ、そうや適当にやっているから心配するなよ」
中島はどうも納得が行かない素振りで岳に食い下がった。
「だから、適当に何をしているや」
「そう絡むなよ中島。この続きは近々お前の店でやろうや。そろそろお開きにしよう」
寺井の言葉に今まで集中していた意見は何もなかったかのように治まった。
(何や、この程度の話やったのか・・・)
岳は世間でよくあるお節介話の一端だと思うと、笑いが自然と込み上げて来た。
旅行を終えて二日後、岳は明子に会おうと電話をしたが留守電が応答するだけで彼女は出なかった。
(職場に復帰したのかな・・・)
その日の夜、明子の帰宅を見計らって再度電話したが依然として留守番電話であった。
(どうしたのだろう・・・)
岳は妙な胸騒ぎを覚え、弟の進に電話をしてみた。
「それはご心配頂きまして申し訳ありません、姉はこの二学期から職場に復帰しました。何だか連日残業でかなりきついそうです」
彼の明るい受け答えに岳は安心した。
「それはよかった、じゃあ週末にでも連絡してみるわ」
「それより岳さん病気の方はいかがですか?」
「ああ、退職後のんびり生活をしていたらあれは嘘やったのかと思うくらい元気だよ」
「それはよかった。でも安心しないで病院には通ってくださいよ」
進はそう言って電話を切った。
岳は進に言ったように旅行中南の島で温暖な気候の中に居ると病を忘れるどころか、食欲も旺盛になり一種の食い力が生命維持の原点のような気がしている。
いっそのこと再び島を訪れて長期滞在をしてみようかとも思うようになってきた。
この病に治る見込みが数パーセントでもあるというのなら、医療プログラムに従って抗癌治療も受けるが、見込みのない宣言を受けたのだからこの環境から脱出して、岳の思う人間らしさのある生活に奇跡を託してもいいのではないだろうかと甘いことを思って苦笑した。