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猫屋CINEMA缶

観た映画について語ります。独断的かつ、趣味に走っています。
新作はなるべく早く更新します。ご参考になれば…。

ナイロビの蜂

2006-06-05 | 映画【ナ】
 テレビなどのCMを見ると、まるで恋愛ドラマのように宣伝している。しかし間違い。 
 原作はジョン・ル・カレ。冒険・ミステリの作家である。

 講演会で知り合った二人。庭いじりが趣味の外交官と、女性活動家のあいだに恋が芽生え、結婚した。2人は赴任先のナイロビに渡るが、妻が襲撃され、惨殺される。妻はスラムでボランティアに没頭していた。そして新薬開発のために製薬会社がアフリカ人を治験材料にしている事に気づき、証拠を集めている途中だった。
 愛した妻の謎の死から、夫は妻の行動を辿っていく。なぜ妻は死ななければならなかったのか。男性の影がある。浮気をしていたのか。陰謀があるのか。
 真実を知らなければならないという強烈な思いで夫は行動する。そして、妻の死の背景にある壮大な陰謀を調査していくうちに、自分がいかに妻を愛し、妻が自分をどれほど愛していたかを知る。

 ナイロビという生活に厳しい土地が露わになる。本物のスラムで撮影されたシーンの手持ちカメラが、アフリカの土埃や風まで運んでくるようだ。
 妻の真実を追う夫の目線で、観る者をぐいぐいと引っぱってゆく。
 妻・テッサ役のレイチェル・ワイズがとても魅力的。アカデミー賞助演女優賞とゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞したのも納得。妊婦姿の入浴シーンがあるけれど、ワイズは当時本当に妊娠していたので、あのお腹のふくらみは本物。
 物語の核となるミステリと、夫婦の愛、それに加えてアフリカの厳しい現状なども訴えてくる。
 骨太で考えさせられる、少し不思議なインプレッションが残る映画だった。
 音楽も印象的。永く忘れないだろう。
 久しぶりに上質なミステリを観た。

          

 

ニュー・ワールド (試写会)

2006-04-16 | 映画【ナ】
 日本でもディズニー・アニメ「ポカホンタス」などでお馴染みの有名なアメリカの建国神話を、「シン・レッド・ライン」の名匠テレンス・マリック監督が実写映画化。
 17世紀初頭、イギリス船がアメリカ大陸のバージニアにたどり着く。彼らの目的は、新大陸の開発と、黄金を手に入れること。しかしその地には、先住民族のネイティブ・アメリカンが居住していた。
 交渉役を命じられたジョン・スミスは、その先住民の村に迷い込んで捕らわれてしまう。ネイティブ・アメリカンの王は、スミスを処刑するように命じる。だが、末娘のポカノンタスが命乞いをして救う。
 彼女はスミスの勇敢でやさしい瞳にひかれ、スミスも彼女の光り輝く美しさに心を奪われる。しかし、それは許されない恋だった。
 自分たちの生活を守ろうとするネイティブ・アメリカンと、新しい世界を開拓しようとするイギリス人。戦闘がはじまり、二人は引き裂かれてしまう。。
 スミスの選んだ、その後の道は。
 ポカホンタスの歩んだ道は…。

 前半は、新大陸の未開の美しさと、ネイティブ・アメリカンの穏やかな生活を知ったイギリス人スミスの驚きが新鮮に描かれている。アメリカって、本当に広いんだな。こういう風景が撮れるなんて。
 描かれたネイティブ・アメリカンの姿は、正しいのかな。あんなに獣のような声を出すの? 彼らにも文明はあったはず。それが無視されている気がしてならない。大自然と生きる彼らの生活のリアルさも、イマイチ伝わってこない。
 自然を神とする意識が抜け落ちている。それは、描いてはいけないことなのか?
「アメリカの建国神話」だから、仕方がないのか?
 ネイティブ・アメリカンのコミュニティを追放されたポカホンタスは、見事にイギリス人たちの生活に馴染む。それも不思議。

 まあ、後半は普通の恋愛映画だった。テレビの宣伝で「タイタニック」を引き合いに出しているが、芸のないことをするものだ。自力でふさわしい宣伝の言葉を作れないのか。そうして、宣伝文句につられて見に行った人は、憤怒するだろうな~と、思うのです。

 オイラにとっては不満の残る内容の映画だった。「神話」だもんな。アメリカ人好みに作られてしまっても仕方がないか。

 そして、平坦つーか、盛り上がりに欠けるつーか。映画館の座り心地の良いシートなら、寝てしまったような…。ガムを噛んで耐えておりました。後半は怒りで目が覚めてきたが。。

 お金を出してスクリーンで観たら激怒したかも。。試写会で良かった。
 期待が大きかったので、力が抜けたーーー。

 


ネバーランド

2006-01-16 | 映画【ナ】
 新作の不振で落ち込んでいた劇作家、ジェームズ・M・バリは、ある日散歩の途中で、4人の子供を持つ未亡人と知り合う。4兄弟のうち三男だけは父の死のトラウマから抜けられず、子供らしい無邪気さとは無縁だった。バリはこの少年の心をほぐすため、夢にあふれた新作の執筆を始める。それが『ピーターパン』

 しかし、現実の世界では、未亡人一家に入り浸るバリに対する心ない噂が広まり、バリの妻や未亡人の母、劇場主の無理解などがバリの住む現実世界を切迫している。

 「ピーター・パン」の物語には「現実逃避」だという非難がつきものだ。

 モデルになったピーター少年は、実はピーター・パンとは正反対。現実に傷つき、子供らしい想像力を捨てざるを得なかった子供だ。だからこそ、バリは彼にこのファンタジーを与えた。


 実話である。ほぼ、真実の映画化だそうだ。

 子供たちの母親、シルビア役のケイト・ウィンスレットとバリの2人の間のストイックな愛情と情感が、古き良き時代の歴史を感じさせる。

 子供の心を持った大人←バリに扮したジョニー・デップの説得力がなければ、きれいごとに見えてしまったかもしれない。繊細で難しい役どころを、見事にこなしている。

 1903年のロンドンを舞台に、ジョニーは息をしていた。

 余情たっぷりのカメラワークに素直に感動してしまう。美しい田園風景だ。そして猥雑な劇場だ。

 ジョニーは、やはりスゴイ。子役もなかなかだが、ジョニーの上手さが映画に厚みを与えている。

 ・・・余韻・・・

 


コラテラル

2004-11-23 | 映画【ナ】
 監督マイケル・マン、観なくては、と行ってきた。
 「ヒート」「インサイダー」「アリ」「ラスト・オブ・モヒカン」と代表作、話題作が多いが、私にとってはTVシリーズ「マイアミ・バイス」の人である。大好きな監督さん。
 主演のトム・クルーズは別に好きではないが、はずせない映画なので観てきた。今回のトムは銀髪に白髪まじり、無精髭をはやした殺し屋のヴィンセント。いままでにない役どころである。
 ヴィンセントが多額のチップと引き替えに、一晩タクシーを借り切るのだが、そのタクシードライバーがマックス(ジェイミー・フォックス)。12年、ごく平凡な日々を送ってきたドライバー。巻き添えにあったドライバーと殺し屋を乗せて、ロサンゼルスの夜の街を走って行く。。。
 スタイリッシュと呼ばれていたがなるほど、綺麗だった。今まで観た映画のシーンとは、まるで違うロサンゼルスが見えた。そこは監督の腕だろう。
 トム・クルーズがなんとも、良かった。走り方、銃の扱い方、どれもがスマートで役になりきっていた。
 フォックスは流されていたのが、追いつめられた所で強くなり、だんだんと別の顔を見せる。うまい。
 面白かった。楽しめた。独特な街の光が残像として、観たあとも残った。スタイリッシュでスピード感があり、少しだけほのぼのもできる、ちょっと不思議な映画だった。マイケル・マンらしい味である。名作「マイアミ・バイス」を思い出した。


21グラム

2004-08-18 | 映画【ナ】
 はっきり言って不満の残る映画だった。ある事故をきっかけに3組の男女の人生が絡み合って行く話だが。時間軸がバラバラになって構成されている。複雑な構成が良いと言うが、わけがわからん。疲れるだけ。
 古くから有る手法で、こういう構成でもスマートに作ってある映画も多いのだが。途中でうんざりしてしまった。もっとスパッと作れと言いたい。出演者が良いだけに、惜しい気がした。
 死んだら21グラム軽くなる。それは魂の重さ。ってテーマも今更って気がする。
 期待が大きかっただけに気が抜けたのだろうか。凄く体調の良いときにじっくり観るべき映画だろう。でも…。私には面白いとは、思えないのだった。もっとどうにか仕様がありそうな気がして…。

 昔のドラマ『刑事コジャック』で、このように現在と過去が混在している回があった。あの時は画面の切り替わりが見事だった。再放送で大人になってから観た時は舌を巻いた。スゴイと思った。今の映画って、昔のドラマ並?