また寒さが戻って冷たい風が吹く日だったが、講演会には、たくさんの人が訪れてくださる。講演開始時間がせまるにつれて、予想をはるかに超える聴衆となり、たぶん100人ほどになっていただろう。立ち見の方がでてしまって、申し訳なかった気がする。
講師の荒川晃さんは、黒のスーツにモノクロのストライプのタイというスタイルで登場される。若々しくおしゃれなのは、春日井建先生に通じるところがあるかもとふっと思う。
お話は多岐にわたり、「旗手」の仲間として出会われたきっかけ、そしてそこからはじまった浅井慎平さんら仲間たちとの交流のこと、春日井建が十代に興味をもっていた外国文学の話、『未青年』の作品にも触れながらの一時間半ほどであった。
なかでもやはり十代をいっしょに過ごされた方ならではの、お話と思ったのは、先生が、密航して外国へ行きたいとしきりに言われていたということだ。それを聴き、三島由紀夫が、『未青年』の出版記念会によせたメッセージの冒頭部分、「春日井君、君は今船乗りになりたいさうですが、僕も君の夢に全く同感する。」を思い出したりした。若き日の春日井建の姿が、あざやかにたちあがってくる感じがするし、裏づけとなる話と思う。
また、銅版画家の加納光於との出会いがきっかけで、加納の鎌倉の自宅で、澁澤龍彦、田村隆一らとの交流があったことなどをお話になった。この加納光於との交友関係が思いのほか深いものだったのだなと感じた。
講演のあとに、質疑応答の時間があったのだが、ここでは都築直子さん、野口あや子さん、喜多昭夫さんらが質問にたたれて、講演会終了まで春日井建という歌人をめぐって、熱気にみちた二時間であったと思う。
今回の展覧会、そして講演会の機会をつくってくださった二葉館のスタッフの方がたにふかく感謝したいと思う。できれば、春日井先生の後半生の展覧会もいつか開けるといいなあ、とはやくも思ったりした一日だった。
講師の荒川晃さんは、黒のスーツにモノクロのストライプのタイというスタイルで登場される。若々しくおしゃれなのは、春日井建先生に通じるところがあるかもとふっと思う。
お話は多岐にわたり、「旗手」の仲間として出会われたきっかけ、そしてそこからはじまった浅井慎平さんら仲間たちとの交流のこと、春日井建が十代に興味をもっていた外国文学の話、『未青年』の作品にも触れながらの一時間半ほどであった。
なかでもやはり十代をいっしょに過ごされた方ならではの、お話と思ったのは、先生が、密航して外国へ行きたいとしきりに言われていたということだ。それを聴き、三島由紀夫が、『未青年』の出版記念会によせたメッセージの冒頭部分、「春日井君、君は今船乗りになりたいさうですが、僕も君の夢に全く同感する。」を思い出したりした。若き日の春日井建の姿が、あざやかにたちあがってくる感じがするし、裏づけとなる話と思う。
また、銅版画家の加納光於との出会いがきっかけで、加納の鎌倉の自宅で、澁澤龍彦、田村隆一らとの交流があったことなどをお話になった。この加納光於との交友関係が思いのほか深いものだったのだなと感じた。
講演のあとに、質疑応答の時間があったのだが、ここでは都築直子さん、野口あや子さん、喜多昭夫さんらが質問にたたれて、講演会終了まで春日井建という歌人をめぐって、熱気にみちた二時間であったと思う。
今回の展覧会、そして講演会の機会をつくってくださった二葉館のスタッフの方がたにふかく感謝したいと思う。できれば、春日井先生の後半生の展覧会もいつか開けるといいなあ、とはやくも思ったりした一日だった。