二葉館に着き、書庫へ行くと、すでに3人の方が作業をされている。今日は、大勢でにぎやかである。久しぶりに、Hさんにお会いする。お会いしていないときに、私のブログを読んでくださっていたらしい。体調とかを気にかけてくださり、うれしく思う。
蔵書の箱を覗くと、革製の洋書が数冊入っている。Hさんに見てもらうと、ドストエフスキーに、ヘーゲル、ゲーテですね、とさっと読んでくださる。さっぱり英語のできない私は、これらをパスして他の本から取り掛かることにする。しかし、この大判の、A4サイズくらいの洋書は、誰が読まれたものなのか、気になるところではあったが。
今日は、歌集・歌書が多かった。
宮柊二の歌集『純黄』は、フランス装のうつくしい本である。口絵に駒井哲郎の版画があしらってある。「黄色い家」とのタイトルのやわらかな黄色の版画。英子夫人のあとがきによると、宮柊二の病状がすすんでいたころで、本人編集ではないのが残念であると書かれている。
『前線』は、平井弘の歌集。解説は富士田元彦。
中を見てみると、ところどころ歌に、1~13までの数字が書き込んである。あと、△のついた歌もある。数字のついた歌は、この歌集の批評を書くための、選歌のような印象をうける。
「短歌周辺」に、春日井建が、亀山桃子歌集『葱花輦』について短い批評を書いているが、「爛漫」「豊饒」などの言葉が多いと結構辛口の歌評である。
『真鍋美恵子全歌集』は、1983年、沖積舎からの刊行。肖像写真、全歌集表紙の写真が掲載。解説は永田和宏。栞では、高安国世、武川忠一、尾崎左永子、河野裕子、佐々木幸綱らが執筆しているらしいが、本には栞がはさまっていなかった。紛失してしまったらしい。永田和宏の解説は、「沼」「卵」の語が多く散見されると指摘した上で、素材の意味するものという視点と、リフレインの多用という文体の分析によって、真鍋美恵子の世界を解き明かしている。
『現代世界文学全集10 ユリシーズⅠ』は、古書店で購入されたものらしい。本の後ろに、「名古屋・松坂屋バス停前 古書竹中書店」というラベルが貼ってあった。確か、間口の小さな書店だったように思うが。
●本日の蔵書整理(整理順)
宮柊二歌集『純黄』 1986年
平井弘『前線』1976年
『定型の自画像』伊藤一彦 1986年
「日本歌人 秋」1968年
「短歌周辺」8月号 1984年
春日井建歌集『夢の法則』1974年
同上
叢書『火の雉子』
『真鍋美恵子全歌集』真鍋美恵子 1983年
『映像の詩学』蓮見重彦 1988年
『現代世界文学全集10 ユリシーズⅠ』1955年
『抒情の軌跡』安森敏隆 1983年
『植松壽樹全歌集』1976年
蔵書の箱を覗くと、革製の洋書が数冊入っている。Hさんに見てもらうと、ドストエフスキーに、ヘーゲル、ゲーテですね、とさっと読んでくださる。さっぱり英語のできない私は、これらをパスして他の本から取り掛かることにする。しかし、この大判の、A4サイズくらいの洋書は、誰が読まれたものなのか、気になるところではあったが。
今日は、歌集・歌書が多かった。
宮柊二の歌集『純黄』は、フランス装のうつくしい本である。口絵に駒井哲郎の版画があしらってある。「黄色い家」とのタイトルのやわらかな黄色の版画。英子夫人のあとがきによると、宮柊二の病状がすすんでいたころで、本人編集ではないのが残念であると書かれている。
『前線』は、平井弘の歌集。解説は富士田元彦。
中を見てみると、ところどころ歌に、1~13までの数字が書き込んである。あと、△のついた歌もある。数字のついた歌は、この歌集の批評を書くための、選歌のような印象をうける。
「短歌周辺」に、春日井建が、亀山桃子歌集『葱花輦』について短い批評を書いているが、「爛漫」「豊饒」などの言葉が多いと結構辛口の歌評である。
『真鍋美恵子全歌集』は、1983年、沖積舎からの刊行。肖像写真、全歌集表紙の写真が掲載。解説は永田和宏。栞では、高安国世、武川忠一、尾崎左永子、河野裕子、佐々木幸綱らが執筆しているらしいが、本には栞がはさまっていなかった。紛失してしまったらしい。永田和宏の解説は、「沼」「卵」の語が多く散見されると指摘した上で、素材の意味するものという視点と、リフレインの多用という文体の分析によって、真鍋美恵子の世界を解き明かしている。
『現代世界文学全集10 ユリシーズⅠ』は、古書店で購入されたものらしい。本の後ろに、「名古屋・松坂屋バス停前 古書竹中書店」というラベルが貼ってあった。確か、間口の小さな書店だったように思うが。
●本日の蔵書整理(整理順)
宮柊二歌集『純黄』 1986年
平井弘『前線』1976年
『定型の自画像』伊藤一彦 1986年
「日本歌人 秋」1968年
「短歌周辺」8月号 1984年
春日井建歌集『夢の法則』1974年
同上
叢書『火の雉子』
『真鍋美恵子全歌集』真鍋美恵子 1983年
『映像の詩学』蓮見重彦 1988年
『現代世界文学全集10 ユリシーズⅠ』1955年
『抒情の軌跡』安森敏隆 1983年
『植松壽樹全歌集』1976年