燕のため風花のため

短歌や文化のみち二葉館(名古屋市旧川上貞奴邸)の文学ボランティア活動(春日井建の蔵書整理)を紹介します

短歌を実人生より上に位置づける生き方

2005-08-04 | 日日雑感
6月より参加をはじめた東桜歌会に岡井隆先生がご出席されるのが、今日で最後となることがわかり、とても残念でならない。

先月、岡井先生にテキストは文脈にそって読むようにと、ともすると深読みをしてしまうのを、ご指導いただいたばかりで、まだまだ、学ぶことは多かったはずなのである。

そして、加藤治郎先生が、岡井先生が最後の会ということで、ご出席になる。ただでさえ、緊張する歌会なのにー、とほとんど硬直状態になってしまう。青山みのりさんがいてくれたおかげで救われる。

ふと、加藤先生のブログに書かれていた言葉を思い出す。




この場合、プロであるということは、 短歌を、短歌以外のすべての価値より優先してみずからの実人生の上に位置づける、そのような生き方の選択のことなのである。     

近藤芳美

『[短歌と人生]語録 作歌机辺私記』 (砂子屋書房)




近藤芳美先生の著書よりの言葉である。お忙しいところを駆けつけられた加藤先生は、あの言葉をあざやかに体現されていると思った。短歌と師への思いを最優先させられる姿を見て、身の引き締まる感じがした。岡井先生と加藤先生の師弟の在り方に触れることができたのは、しあわせであり、きっといつまでも記憶に残る歌会のひとつになるにちがいないと思った。


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