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どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

ヒロインは20歳のはちきん娘。

2008-12-04 | 競馬余談
     別府真衣騎手   2008年2月  高知競馬場






2008年のレディースジョッキーズシリーズが終わりました。
最終戦まで大混戦の結末は、高知の別府真衣騎手がJRAの増澤由貴子騎手をわずか1点差抑え、念願の総合優勝。
第3位には、3年連続で岩手の皆川麻由美騎手が入りました。






最終の荒尾ラウンド。
それまで、例年に比べて大人しい印象を受けていたレース内容も、さすがに今回は優勝が懸かった最終ラウンドとあって激しい熱戦が繰り広げられました。
普段地元の競馬場ではいろいろな制約やしがらみがあって、なかなかこんな勝負懸かったレースはできないでしょうし、それは巧屈を超えてファンを惹き付けるものがあったように思います。
概ねどのジョッキーも3コーナーを待たずにムチが入るような展開に、こちらが心配をしてしまうほど。
どの馬も”とことん”彼女達にシバき倒されてましたね。
この馬達の次走が非常に憂慮されます。。。(笑)




そんな荒尾ラウンドを制したのは、3着→1着の増澤由貴子騎手。
金沢ラウンドに続いて2回目のラウンド制覇でした。
今回のLJS全体の中で印象に残っていることのひとつが、彼女の騎乗の美しさ。
素人目ではありますが、見ていて非常にバランスの良い騎乗フォームを持っているように見えました。
地方の馬が総じてズブくて常におっつけ気味に走らせなければならないのとは対照的に、中央の馬はどちらかというと引っ掛かるほどに走りたがる馬が多い。
あのようなフォームが自然と身につくのも、さすがはJRAの10年選手と言えるのかも知れません。
今回はどのレースも騎乗馬に恵まれていましたし、そういった点も要因にはあるのでしょう。
それでも総合2位は決して運だけのものではないように思いました。




荒尾ラウンド第2位は、1着→4着の高知の森井美香騎手。
結果的には、彼女が第5戦に増澤騎手の追い上げを凌ぎ切って3着に抑えたことが同期の別府騎手の総合優勝を後押しした形となりました。
ちょっと独特な騎乗フォームの彼女が、なぜか気になってしまいます。




他に印象に残ったのは、やはり皆川麻由美騎手でしょうか?
一段とパワーアップした感のあるお笑いキャラに他の仕事を薦めてあげたいくらいですが、騎乗となると全く別人。
あの小さい体の全身を使って手綱を扱く様は、迫力満点です。
レース中ずっと彼女を追って見ていると、最後の直線はこちらが先に果ててしまいそうになります。(笑)
残念ながら、荒尾ラウンドは健闘及ばずの第4位。
それでも総合では3年連続の第3位と見事な珍記録?を達成しました。




荒尾の岩永千明騎手にも改めて注目させられた今シリーズでした。
最後の地元ラウンドは、さすがに騎乗馬に恵まれなさ過ぎたのが残念なところです。
第2ラウンドまでに魅せたあの流れに逆らわない落着いた騎乗と勝負勘は、やはり騎乗回数の豊富さの成せる技なのでしょう。
これは宮下騎手や池本騎手にも言えることですが、彼女達は長年その競馬場でたったひとりの女性ジョッキーとして頑張ってきた方々。
見えない苦労や努力もあるでしょうし、その点はぜひ買ってあげたいジョッキーです。







さて、その荒尾ラウンド第3位、見事シリーズ総合優勝を飾ったのは別府真衣騎手でした。
彼女は山本茜騎手などと同期の3年目、まだ20歳の若いジョッキーです。
今回の総合優勝は、それまでの2年連続総合2位が決してフロックではなかったことの証明でしょう。
1着が一度もなくての総合優勝ですが、それは恥ずべきことではありません。
むしろどんな馬でも上位に持ってきているという結果は、総合優勝にふさわしいものだと思います。



オヤジ目線で申し訳ありませんが、表彰台で両隣の二人が綺麗なままの勝負服で立っているのとは対照的に、その真ん中で泥まみれのままで嬉しさを一杯に表す彼女には、こちらまで幸せな気分にさせてくれるような何かを感じます。
彼女の所属する高知競馬は、決して環境が恵まれているとは言えません。
悲しいかな、毎年のように存廃の話が絶えない競馬場です。
彼女はそのデビュー会見から、そんな高知競馬を「私が盛り上げる存在になりたい。」とずっと言い続けています。
そして今でも必ずレース後のインタビューでは、「また競馬場に来てください。」とアピールすることを忘れない。
父親が高知競馬の調教師であるということを考えても、それでもなかなかできることではありません。
別に彼女が高知競馬を背負っているわけではないのに、そんな言葉が普通に出てくるのは凄いことです。
恵まれない環境、恵まれない騎乗馬であっても、最後まであきらめず泥まみれになって必死に馬を追う彼女は、正真正銘の”はちきん娘”。
高知が全国に誇れる存在だと思います。
そんな彼女がいる高知競馬を、無くしてしまうことだけは避けてもらいたい。
私はそんな風に思うのです。











<レディースジョッキーズシリーズ2008 総合順位表>

  第1位 別府真衣(高知)・・・・・74P
  第2位 増澤由貴子(JRA)・・・73P
  第3位 皆川麻由美(岩手)・・・・61P
  第4位 平山真希(浦和)・・・・・60P
  第5位 岩永千明(荒尾)・・・・・60P
  第6位 西原玲奈(JRA)・・・・56P
  第7位 森井美香(高知)・・・・・53P
  第8位 池本徳子(福山)・・・・・47P
  第9位 宮下瞳(愛知)・・・・・・40P
  第10位 笹木美典(北海道)・・・・34P


















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