支流からの眺め

2022年初夏の予見

 2019年末から始まった武漢コロナウイルス感染症(WARS)のPandemicには、世界中が難渋した。死者は600万人(日本は3万人)を越えた。しかし、2020年4月15日のBlogで予想した通り、発生から2年程度で落ち着いてきた。それに伴い、社会経済活動も元に戻りつつある。一方、本年2月からの宇露戦争は局地戦では済まず、世界全体が巻き込まれつつある。

 WARS流行で良いこともあった。街が静かであった。交通機関は空いていて、レストランでは歓待され、有名な観光地も閑散とし、騒々しい外人はいなかった。在宅勤務が増え、出張や取引先訪問が減り、家族と過ごす時間が増えた。インフルエンザなどの感染症の流行もなかった。不満を煽って飯のタネにした輩もいたが、社会全体は困難に対して結束し、節度をもって賢明に行動した。

 この先も、リモート勤務やオンライン面会が一般化し、仕事上での儀礼は簡素化し、移動も効率的になるだろう。宴会でのばか騒ぎやグルメへの熱狂も落ち着き、マスクなどの効果が実感され感染症の流行も低下するだろう。但し、繁華街や観光地に溢れていた外人はどうなるか。観光政策も、WARSで良かったことを残して欲しい。金満外人に蹂躙され日本人が小さくなるのは、目指す姿ではない。

 宇露戦争はどうか?2022年3月19日のBlogのように、宇国は一部割譲・分断される可能性が高い。局地はそれで一旦は収まるだろう。一方、この戦争を契機に、専制主義国家と民主主義国家の対立がより鮮明になった。中共国は、露と仲間であることを確認しあい、阿大陸や中東地域、ASEANや南太平洋諸島などの潜在的反欧米国家を籠絡しつつある。

 日本は、西側であることを鮮明にした。これにより、露国とは明確に対立関係となった。中共国とも当然、関係は不安定となる。応えるように、中露は共同軍事訓練で威嚇してきた。パシリである北朝鮮をして、核ナイフを振り回させてもいる。東亜における強力な専制主義国家圏(中露北の3国)の最前線に、日本は韓国と共に立たされることになった。その覚悟が必要な時が来た。

 中露は大国である。広大な国土、巨大な人口、核弾頭などを有し、批判には一切動じない。大国の資格を欠く日本にとっては、厄介な隣人である。明治の開国以来、日本の外交上の難題はこの2国であった。対米戦争も、半島や中国東北部を巡る中露との争いの中で嵌められたのである。今や米国一強で雌伏していた両国が、数十年の眠りから覚めて専制主義国家の本性(支配者の利益の最大化)を露わにしている。

 対立を煽る気はない。しかし、食料や資源の危機は現実である。難癖や攻撃には毅然と抗議し、相手が怖れる反撃手段を備え、味方を増やすべきである。即ち、強気の外交、核装備を含めた軍備増強、諸国との連帯である。相手のやり方を知る必要もある。飴と鞭を巧みに使い分け強面に出ては不意に笑顔をみせる、要人に餌をまいて警戒心を解き弱みを握る、虚偽や作話による宣伝工作を行う、などである。

 国民一人一人がやるべきは、彼の国々の民の常識は日本人と違うことを知ることである。中露が大人しかったこの数十年で、戦前の先達が舐めさせられた苦労を我々は忘れてしまった。外交や戦争だけでなく、様々な局面での見聞を振り返り、そこで経験した「本性」を学び知ることが根本的な解決につながる。緊急事態宣言も出せない憲法を改正すべき必要性にも、自ずと思い至るであろう。

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