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支流からの眺め

株価好調と生活実感

 2024年2月23日
 株価が好調だ。日経平均は続伸して昨日は39,000円を越え、1989年12月29日(38,915.87円)以来の最高値を更新した。一時は7千円を割ったことを思い起こせば夢のようだ。もっとも34年前のレベルに戻っただけで、日本株のPER (Price Earnings Ratio:株価収益率)がかなり低いこと、他国の株価はこの34年間で数倍上がったことなどから、少なくとも今の倍は行けるとの強気な見通しもある。

 株価上昇はアベノミクスの基本路線だった。そのために、異次元の金融緩和でお金を注入し、法人税を下げて会社に利益を確保させ、年金基金を株投資で運用することも認めさせた。但し、法人税の減少分を補填したのは(社会保障費に充てるとして騙し取られた)消費税であり、虎の子の年金は損失のリスクを負うこととなった。つまり、国民のツケで株価上昇が実現したわけである。

 これを証明するのは、国民負担率の上昇だ。1970年頃は25%程度であった国民負担率はその後上がり続け、2013年度には40%を超え、2022年度にはほぼ50%になった。給料の半分しか手元に残らないというわけだ。更に物価が上がる割に給料は上がっておらず、実質賃金は前年比2.5%減少し、その前の1年の減少(1%)よりも更に拡大している。個人消費も落ち込み景況感が不調なのは当然だ。

 ここに好調な株価と国民の実感との乖離がある。異次元の金融緩和で増えたお金は、国民の生活費ではなく株価押上げ費となったのだ。お金に引力があると喩えた通り、お金は金融帝国に集まり、実体経済とは別のところで飛び交っている。生産や労働に直接関与することもないにも関わらず、お金持ちの所には、この瞬間も、濡れ手に粟の状態でどんどんお金が貯まっているのだ。

 対策は何か。給料の上昇も知れているし、少子化対策や社会保障確保があるので国民負担が軽くなるとも思えない。こうなれば、理想論はさておき、多くの国民が投資して金融帝国での分け前に与ることだろう。そうすれば、乖離や不公平感は多少なりとも解消される。もちろんリスクはある。それを避けるには、日本人は日本株を買うことだ。(お断り:著者は投資会社の関係者等ではありません)

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