EZ

演説論点集

棋譜研22

2008-12-15 10:31:29 | 将棋
朝日杯本戦トーナメント



畠山(鎮)七段ー渡辺竜王
 
 先手畠山(鎮)七段7六歩、後手渡辺竜王3四歩、5四歩でゴキゲン中飛車、竜王戦を意識して手の内を見せないつもり。4八銀で丸山ワクチンを変化、後手5五歩、5ニ飛、6二、7ニ、8ニ王から美濃囲い、先手6八、7七銀の急戦。3六、4五銀、3五歩に3六歩、3八飛、5一、6二角と攻防に利かし、端歩は受けずに3三、4四金。金銀交換で3三歩に3八飛、4九銀はあるが2八飛から2筋を破られる。
 畠山(鎮)七段ここで1分将棋、居飛車党の渡辺竜王が予想外に健闘している。6五銀から5六歩、7七、6八銀と引くのは辛い、5七歩、5五銀と中飛車のいいところばかり出ている。4三とに5六飛、先手は飛が成れない、4八成銀でほとんど終わっている。同飛に5八金、4八の飛を取って5八歩成、6八と、2八飛、まるで藤井九段のように強かった。



渡辺竜王ー羽生名人

 竜王戦を前に注目の一戦、先手渡辺竜王居飛車、後手羽生名人角道を止め3三角、4三金、2ニ銀、5三銀、3一王。先手6八角から2四歩を狙い、6九王、7七銀、5八金、6六歩と指し手が早い。5一角に2四歩から角交換、2三銀、2八飛、2四歩、先手6七金、7九、8八王、後手端を詰め4ニ、3三銀、2ニ王。
 先手負けっぽいが大丈夫なのか、2六銀、3七桂、2五、1五、1三歩の攻め、後手9三、8五桂、2七歩から馬を作る。1五、2四銀、2九、4九飛、桂を取られそうだが時間がないので苦しい。3三歩から1二歩成、1三歩でと金、5一角から馬を作り、1三香成、2三歩と攻勢。
 後手も9ニ飛で端を狙い、3五歩で脱出口を作り、3七桂不成が飛に当り入玉模様。3四、2五、1六、1七、1八王と入玉が確定したが、馬を取られ点数が足りない。
 4六銀に馬を逃げ、4五、5六、8三角成、6二、6三銀で飛を取り、9六歩から入玉を目指す。7四金と頑張るが8八飛、9五王、8五歩、同歩、7七成銀、同桂まで183手の熱戦。
 渡辺竜王の思い切った攻めが決まったが、すばらしい内容でこれが竜王戦の予告になるだろう。この結果は羽生名人の戦略に少なからず影響を与え、練習台にされたショックを引きずったまま臨むことになる。
 
 


コメントを投稿