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演説論点集

棋譜研19

2008-12-12 01:44:16 | 将棋
竜王戦第6局

1日目
 3連敗の後2連勝、竜王が優勢であるが、100%の勝ちは見えない。第4、5局に関しては絶対勝つと思っていたが、第6局になって若干不安が残る。しかしこれに勝たないと話にならない、将棋ファンとしては理屈抜きで応援する。対局が始まり差し手が進むにつれて、どこで勝敗がはっりするか注目である。
 迷った挙句対局開始8時間前、渡辺竜王勝ちで考えがまとまった。羽生名人の流れが悪く、第7局にもつれれば危ないので事実上の決勝戦。永世七冠にしてもどうせなら最終局で、このファンの期待を裏切ることになる。根拠としては不十分だが、渡辺竜王にとって真価の問われる重要な対局。
 初手7六歩、8四歩で矢倉になったが何か秘策、それよりも終盤に時間を残して置くのだろう。駒組みが進み15手目6九王、16手目7四歩で急戦含み、18手目5三銀で驚きの声。普通にやっていれば羽生名人の思うつぼ、どうせ攻めるなら早い方がいい。
 この局面羽生名人の8戦8勝、渡辺竜王が勝つのはわかっているがすごい。8五歩に7七銀、5五歩の阿久津流、同歩、同角、7九角、角交換は先手有利。7三角、4六角、6四銀で昼食休憩、羽生名人矢倉が完成し形はいいが、現在1時間9分の差、これを封じ手までに広げたい。
 再開後7五歩、8四歩、7四歩、同飛、5六歩、三浦八段ー及川四段戦と同じ。とにかくどこまで研究して臨んでいるか、渡辺竜王の作戦通りに違いない。しかし3一王に6五歩でどうするのか、同銀で角交換、8三角で参ってる。羽生名人長考しているが誘いに乗らないのか、この局面を研究してきたなら尊敬に値する。
 1時間19分考えて2五歩、これにも驚くがなぜ6五歩がダメなのか。2四歩、同歩、同角でこのまま封じる可能性がある。現在17時、後1時間考えてもまだ残り時間は余裕だ。と思ったら6二角、これでまた羽生名人が時間を使うと明日は厳しい戦いを強いられる。
 1時間13分考えて封じ手、何を指すのかわからないが難しい。封じることは出来ても、後の読みで失敗に気づいて落胆する可能性が高い。消費時間は羽生名人5時間1分、渡辺竜王2時間48分、これでは勝負は既に終わっている。
 形勢は4六角、6八角で後手難しい、鈴木八段は振り飛車党らしい見解。私としてはまあまあ悪くないしこれで充分、1日目でもう勝った気分。羽生名人もあきらめて何でこうなったのか、第7局に気持ちを切り替えているだろう。

2日目
 封じ手3六歩、2七歩、同飛、2六歩、2八飛、予想通りの進行、渡辺竜王もかなり考えて自信はあるはず。飛を切って2七銀、2ニ歩を同王で切れ模様のはずだが緊張する。1時間以上考えていたが何か問題でも、読みから外れているとは思えない。
 ここで消費時間が並んだ、追いつかれるとまずい感じだが、慎重になっているのかも。2三歩に同王の局面、2五飛、3三桂の後の変化が難しい。後手王も危ないが先手が勝ちきれるとは思えない、このまま昼食休憩になった。
 再開後2五飛、3三桂、同角成、同王、6五歩、検討通りに進んでいるが、羽生名人昼食をほとんど手をつけなかったらしい。5五銀もあったが4五桂が厄介、4四歩、6四歩、2八銀成、6三歩成、8四角は読み通り。
 と金を作られていやだが、ここの形勢判断は銀に当たっているので先手。2四銀に2ニ王、1五桂には1四角で大丈夫、先手は4九飛が受からない。7九王、4九飛、8八王、7六歩で投了。
 こんなに大差になるとは思わなかったが、後手も際どく受け読みの深さに驚く。これで3勝3敗、第7局は勢いで渡辺竜王の勝ちはゆるぎない。竜王戦は終わったといえるが、まだ後1局せっかくだから楽しむのは自由だ。

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