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演説論点集

王座戦第三局

2008-09-30 17:24:16 | 将棋
 171手で羽生王座が木村八段の挑戦を3-0で退け17連覇を達成した。王位戦のショックを微塵も感じさせない、3日で不安を払拭かえって勢いづけてしまった。
 羽生王座先手、得意の矢倉で穴熊に、これでは負けるはずない。途中まで竜王戦挑決第1局、王位戦第5局、渡辺竜王ー佐藤四段戦(棋王戦)と同じ進行、1六歩と後手が変化した。
 羽生王座は細い攻めをつないで無駄がなく、歩1枚の余裕もない。入玉模様の気配があったが、局面はどっちが優勢なのか2転3転4転、終わってみれば大差。しかし将棋の密度が高く、長編ドラマを見ているような1日だった。 
 渡辺竜王は5年前に挑戦し、3-2で惜敗しているが、今回は脅威になる。4-0でタイトルを防衛し、時代は変わるかもしれない。

進化論

2008-09-29 02:14:17 | 将棋
 将棋が限りなく進化するとどんな結論に達するか。先手が勝つのか後手か先日手か、ゲームとしての機能を失うのか。しかし100年、200年経っても今とたいして違わないだろう。
 100メートルを走って10秒を切り、9秒を切り、限りなく0に近づくか。光より速く走ればマイナスの記録になり、フライングで失格なんてあるかな。
 将棋の結論は絶対に出ないというより、既に相対性理論で出ているのではないか。にもかかわらず現在何の影響もないのだから、どんな結論が出ようと心配には当たらない。
 近いうちにコンピューターは人間を追い抜き、最新型定石を作り出し将棋界に貢献しているだろう。将棋は考えるゲームから記憶するゲームに変わっているに違いない。

打倒羽生四冠

2008-09-28 18:35:45 | 将棋
 将棋世界10月号に木村八段と渡辺竜王の対談が載っていた。さすがトッププロだけあって正確に細かく分析してある。二人が共通して羽生四冠には弱点がない、柔軟で特徴がないと言っていた。
 常にあらゆる最新型を差し変化をしてくるので厄介である。確かに人間であること、後手で多少勝率が悪いぐらいで、それは将棋そのものの欠陥だろう。
 序、中盤では差がつかず終盤の競り合いとなるが、羽生四冠の最も得意とするところ。相手は1局に序、中、終盤の3度勝たねばならないのに、羽生四冠は終盤だけ勝てばいい。しかもその終盤で相手がミスをして自滅、最初から最後まで何もする必要がないくらいだ。
 明日王座戦の第三局が行われるが、王位戦のショックから立ち直れているか。深浦王位がタイトルを防衛したことは、対局者にとって勇気づけられたことだろう。ここで木村八段が1勝すれば、渡辺竜王には追い風になる。

王位戦第七局

2008-09-26 22:20:20 | 将棋
 羽生四冠に再び7冠を目指してもらいたかったが、目標としてよくないのかもしれない。敗因を考えると皆の期待、タイトルにこだわりすぎた。無心、自然体、本来持っている遊び心、チャレンジする姿勢が重要だと思う。
 封じ手の長考は5五歩を早い段階で決めていたはずで、むしろ敗北を悟って心の整理だったか。直前に指せば見苦しいかも知れないが、勝負どころだったかもしれない。
 2日目はかなり深浦王位を追い詰め、羽生四冠恐るべしというところだ。
 この結果は受け入れがたく、これからの対局に影響が出るかもしれないが、竜王戦までには立ち直れるだろう。
 

居飛車VS振り飛車

2008-09-26 11:57:10 | 将棋
 どうして人は飛車を振るのか、それが一番手っ取り早いから。ほとんど指し手が決まっている感じで、時間の短い将棋では圧倒的な力を発揮する。しかし勝っても負けても振り飛車しかなく、居飛車の研究をしている暇がないのが現実だ。
 結局少数を除けば居飛車が6-4で優勢であると思う。それは闘牛とマタドールの関係に似ている。どんな凶暴な牛であっても最後には殺される運命なのだ。
 チェスをやってみると、それ以前に将棋があったことを感じる。そこでは必ず飛車を振り、しかも互いに穴熊にするというもの。チェスは将棋の居飛車振り飛車を抜き出しゲーム化、囲いは一発で完成とかなり合理的だ。

週刊文春

2008-09-24 18:57:21 | 将棋
 渡辺ブログが炎上との記事が週刊誌に載っていると聞いて、さっそく書店に行って探してきました。ポスト、現代、新潮、毎日、まさかフライデー、女性誌、買い損なったかとあきらめかけたとき、新総理の陰に隠れ文春にあるのを見つけました。
 読んでみると9月5日の記事に竜王が名人をからかったとあって、確かにコメントが次々に書き込まれリアルで面白かった。程なくコメント停止の措置、ファンとしては責任と失望、これから何をとショックが大きかった。しかしこれをきっかけにブログを作ってトラックバック、新たな展開に結果は悪くない。
 こんな些細なことが事件になるなんて、竜王はすごい収入だけじゃなかった。タイトル戦が近いので盛り上げるために、中傷・捏造記事に訴訟なんてことになるかもです。

奨励会

2008-09-23 01:58:24 | 将棋
 先月奨励会の試験が行われ、ブログで知り合った研修会員が合格し、プロを目指してがんばってもらいたいです。
 竜王の4歳のお子さんは既に将棋を指し、将来はプロ棋士になりたいということでファンとしても成長が楽しみです。
 先日は西川七段の息子さんが、三段リーグを突破し新四段になられた。現役親子棋士は戦後初ということで他の世界と比べるときわめて稀なケース。
 どうして棋士の子供たちがプロになりにくいか。それは好き嫌いや適正もあるが、昇級して四段になることがかなりの狭き門だからである。
 伊藤四段が5級のころ新宿将棋センターで指したことがあったが、筋がよく絶対にプロになると確信したがフリークラス。
 吉田新四段も簡単にプロになるだろう思われたが、次点連続2回でフリークラス。
 そういえば竜王の義兄伊奈六段もフリークラスからではなかったか。
 三段リーグは厳しすぎ、昇段を2人から3人にすべき。このままでは6級から二段までが無意味。奨励会が分裂し別な養成機関が2つ存在しているという気がする。
 

渡辺マジック

2008-09-21 15:57:35 | 将棋
 日曜の11時ごろテレビをつけたらNHKで渡辺竜王と森下九段の対戦、すっかり忘れていて危なく見落とすところだった。
 局面は先手72角に後手96歩、81角成、97歩成り、同歩、同飛成。ここまでは後手竜王の方がいいと思ったが、77玉と逃げられると先手は4枚の金銀に守られ、後手は73の銀が浮いている。
 ここで竜王は3、4回と続けて考慮時間を使い、さらに5回目も使ってしまう。これだけ考えるところを見ると端を破ったが苦しい感じだ。
 結局85桂に同銀、同歩に73角成と駒損。25銀、74馬、86銀、76玉、96竜、一瞬ひやりとしたが先手64歩と逃げ道を作る。
 75歩、同馬、87銀不成、65玉、78銀不成、77金。ここで竜王は最後の考慮時間を使って83金としたが、63歩成とされもう負けたと思った。
 74歩、84歩、75歩で馬を取るが83歩成、と金が2枚できて森下九段優勢。87銀成も遅い感じだが、25歩と銀を取った手が必要なのか、ここまでくれば普通は入玉しか考えない。
 77成銀、同銀、そして狙いの28角、これを見落としていたというが、ありえない。29飛もわからないが62桂とされ、何だこれはとびっくり受けが難しい。66桂に46角成、55桂はかなりあせった感じだ。
 74金で投了。やった、信じられない、渡辺マジックか。こんな逆転は羽生名人以外には考えられない。竜王の強さを強烈にアピールした放送になった。



夢と将棋

2008-09-21 03:01:17 | 将棋
 夢は幻というより現実の一部であり、人生経験そのままです。その中には謎を解く鍵が隠されていて、決して油断なく手にすることです。
 夢の中で将棋を指すのであれば、日ごろ感じている疑問をぶつけてみることです。将棋は現実というよりむしろ夢に近い、必ず解決の糸口が見つかるはずです。
 将棋に対する悩みというのは谷川九段にも感じられましたが、奨励会を簡単に抜けた者にありがちな壁のような気がします。
 人を考えさせるものは恐怖や苦しみです。それが強ければ強いほどより大きなエネルギーに変わるでしょう。
 形勢がいいと感じるより少し悪いと感じたときの方がいい結果に結びつく。すべての失敗は油断からだと思います。

渡辺システム

2008-09-20 15:36:08 | 将棋
 竜王戦まで1ヶ月を切って少しずつ調子を上げていかなければいけないのに、行方八段に負けてしまうとは不覚です。今年は防衛戦が最重要対局になるので、A級への昇級は後回しということもないでしょうが、いまひとつ集中できてないようです。
 それにしてもこの93桂から85桂という使い方は渡辺竜王独特、非常に勇気があるなと思います。去年の竜王戦でも第1局72手目と第5局52手目に93桂とし、これを佐藤棋王が執拗に攻めるという展開になりはらはらしました。
 そして羽生名人の将棋を見てもわかるとおり必ず桂を跳ねて火蓋を切っています。今度のタイトル戦は桂の使い方が明暗を分け勝敗を決するでしょう。