白線の内側に下がってお待ち下さい…
電車に乗ろうとする時に、よく耳にする言葉です
もし、白線の内側にいなかったならば
あなたは、あるいは私はどうなるのでしょうか?
そこに電車が走っていたら
傍にいる人は、かなりの確率でケガをするでしょう
そこに電車がなかったら
あなたは目的の電車に乗れないか、ホームに落ちて自損するでしょう
たとえそこに電車があったとしても
扉が開いていなければ、乗ることはできないでしょう
たとえそこに電車があったとしても
行き先が違えば、目的は達成できないでしょう
さて、世の中には
分かりやすく明示した白線ではなく
誰にも見えない線もあります
それは「友達と恋人の境界線」という線が…
もし、境界線の内側で待ち続けたら
あなたはきっと、友達のままで終わることになるでしょう
もし、境界線の内側で待ち続けたら
あなたが追いかけている人は、いつかはあなたの前から去るでしょう
もし、境界線の内側で待ち続けたら
いつかは、あなた以外の誰かが愛しの人を連れていくでしょう
もし、境界線の内側で待ち続けたら
失う悲しみを背負うことも、愛しの人を得る喜びもないでしょう
たとえ境界線を越えたとしても
愛しの人がいなければ、想いは途方にくれるでしょう
たとえ境界線を越えたとしても
走りすぎる人を捕まえるのは、とても難しいでしょう
たとえ境界線を越えたとしても
愛しの人が心を開いてくれなければ、想いは伝わらないでしょう
たとえ境界線を越えたとしても
それが遅ければ、あなた以外の誰かに想いを寄せているでしょう
さて、あなたは境界線を目の前にしてどうしますか?
その境界線が、どこまでもどこまでも幅広いものであっても
その境界線が、どこまでもどこまでも高く険しいものであっても
その境界線が、どこまでもどこまでも限りなく長いものであっても
超えたことに後悔するのか
超えなかったことに後悔するのか
超えたことに幸せを感じるのか
超えなかったことに幸せを感じるのか
でも、一つだけいえるのは
たとえ、どんな結果が待ち受けようとも
境界線を越えたからこそ、その線の大きさを知り
人の痛みを知り、あなた自身がより成長できることかもしれない…