ユトレヒトは、アムステルダムの南、約30キロほどに位置する、オランダ第4の都市です。歴史も古い都市ですが、オランダ的に近代化されていて、オランダ最大の学園都市ともなっているので、オランダの中でもモダンな都市のイメージが強いのではないかと思います。
ユトレヒトのトラムは、オランダ語で、sneltram と呼ばれています。これは、高速トラムという意味です。1983年に開通した比較的新しいトラムです。全線が専用軌道で、国鉄の中央駅と郊外南部の住宅地などとを結ぶ役割の、郊外鉄道型のLRTです。
路線は2系統。先の方が2つに分かれる形で、各系統15分間隔での運転だそうです。ですので両系統が使える中心部は1時間に8本が走っていることになります。
それ以前のユトレヒトのトラムというと、ほとんどが第二次大戦前に廃止されているようです。詳しいことはわかりませんが、いずれにしてもこの都市は、一旦は完全にこういった軌道交通機関がなくなり、近年、復活というよりは、完全な新設路線としてできたと思われます。
専用軌道を走る高速トラムなので、郊外鉄道との中間的な性格といっていいかもしれません。ホームもこのように、普通の路面電車よりは高いです。けれども線路敷に立ち入ろうと思えば簡単に立ち入れる構造は、路面電車的です。
この写真当時の運行会社は、オランダ全土で広くバスなどを運営する、Connexxion社でしたが、今はQbuzzという新しい会社になっているそうです。
右上の写真は、グラート・ファン・ロッゲンウェク(Graadt van Roggenweg)駅で、下の写真は、そこと次の10月24日広場南(24 Oktoberplein-Zuid)駅の間のカーヴで撮ったようですが、今、グーグルのストリートヴューで見ると、随分と変わっているようです。
(Utrecht, Netherlands/Nederland. March, 2003)