★ 12月8・9日に、豊橋市公会堂にて、
創団15周年記念公演「萩家の三姉妹」を上演致します ★ チケットを劇団員が絶賛手売り中
演劇塾の公演は、今回が最後ではありません。
来年も、そのまた来年も、続けていけたらいいし、
きっと続けていけると思います。
でも。
世の中には、「不測の事態」というものが起こります。
今回の公演の翌日に、東海大地震が起こるかもしれない。
団員はみんな被災して、芝居どころじゃなくなって。
何年か後に、運良く生き残った団員が集まって
「結局、あれが最後の演劇塾公演だったねぇ」
と話しているかもしれない。
現に、東日本大震災の時には、そういうアマチュア劇団が
いくつも出ているに違いないのだから。
東海大地震のお膝元のこの地で、今も無事に芝居が続けられる
幸運に感謝しつつ、
万万万万万万万が一、「あれが最後だったねぇ」という事態に
なった時、後悔いっぱいで思い出したくないなあ・・・と思います。
・・・・もちろん、最後になるなんて、そんなことはないとは思いますけど・・・・
「あれが最後とわかっていたら」
・・・こういう体験、誰にでもありそうだと思うのですが、どうでしょうか?
私自身は、思い返してみると、そういう気持ちを何度も持ってここまできたな~、
と思います。
最後だってわかっていたら、もっと一生懸命考えたのに。
もう二度と機会はないってわかっていたら、もっと必死でやったのに。
その時その時は、それなりに一生懸命に、必死でやったつもりですが、
振り返ってみると、ほんと人生、後悔の連続です・・・。
「人生で後悔したくないから」 とか若いモンが宣言してるのを聞くと、
書き損じのDMハガキの角で、ツンツンしてやりたくなりますねっ!
「後悔はするんです! するったら、する!」
さんざん、「あれが最後だとわかっていたら」の失敗体験をして、
そして、「必ず次がある」と信じるには難しいこの歳になって(笑)、
ほんの少しずつ、賢くなっていきました。
すごく大事なのに、「もうやりたくないっっ!」という気分になった時、
できる限り、ちょっと立ち止まって考えるようにしています。
もし自分にとって、これが最後の公演だったらどうするか・・・?
どんなに腹がたっていても、きっと仕事を放り出したりしないと思う。
自分ができることは精一杯考えてやっておこう、と思うはず。
思い返せば、あれが最後だったなあ、という頃になって、
やり直しようのない「過去」になってしまってから、
後悔したくないから。
11月から、稽古日が増えます。
公演準備も佳境です。
みんな、芝居だけやっているのではありません。
家庭は仕事と両立しながら、この時期を乗り切るのは大変です。
特に、役者は今回は話が長くて、セリフも多いし。
ここから本番まで、本当に大変だと思います。
家でも芝居(役)のこと考えて、と言われても、仕事や家事で疲れてるし。
プレッシャーで気分が落ち着かないかもしれないし。
「こんな長セリフ、覚えるだけでもすごいもん、あんたも歳とったらわかる!」とか
「あたしセリフ完璧一番乗りなのに、1回くらいホメてもいいじゃん!」とか
そのとおりだけど、言ってもしょーがないこと言いたくなって落ち込むかもしれないし。
客は意識するな、東田子供会公演とは違う、と言われても、
「東田子供会公演は演劇塾の役者の基本だろっ!」とか
本当だけど、今は関係ないこと言いたくなって困るかもしれないし、
相手のセリフは今始めて聞いたように反応しろ、と言われても、
「何百回も(稽古で)聞いてんのに、今始めて聞いたなんてできるわけねー!」とか
当たり前だけど、芝居じゃ通らないことが頭に浮かんで悩むかもしれないし。
セリフはいつもの1.5倍のテンポで喋ってって言われても、
「滑舌わるいのは生まれつきだもん!早口言葉嫌いだもん!」とか。
ほんとのことは何でも言っていいとは限らないから我慢して胃が痛くなったりとか。
「今日はもう、脚本見たくない!」とか、
「もう稽古行くのいや!」とか、
「もう役者いや!」とか。
私だったら、そういう気持ちになるかもしれない、と思います。
黙って頑張っている役者のみんな。
正直言って、すご過ぎると思ってます。
家事や仕事と両立して、公演準備の佳境を乗り切るのは、
とってもとっても、大変だと思います。
セリフも覚えなくていいし、対話も反応も演技も考えなくていいし、
体調悪くても残業があっても家事が山盛り残ってても、
必ず毎回稽古に出なきゃいけない立場でもない、
そんな私には、出演者の大変さの本当のところは、たぶんわかってない。
だから、こんなこと言うのも申し訳ないと思います。
でも、地震がなくても、不測の事態が起きなくても、
「萩家の三姉妹」というお芝居ができるのは、12月8・9日の二日間だけ。
たぶん、これが最初で最後の「萩家の三姉妹」公演です。
「これが最後の『萩家の三姉妹』公演だとわかっているから」
どうかどうか、悔いの残らないよう、最後まで頑張ってほしいです。
スタッフみんなで、支えていけると思いますから。
先月、10月21日の夜遅く、私の知人が亡くなりました。
このブログにも2度ほど登場している、院内学級に在籍していた小学生です。
享年12歳。
彼女は、短い生の最後の1ヶ月で、演劇塾とほんの少し接点ができました。
最後に見た映像が、7年前の演劇塾公演「のめっけいのがとれた」だから。
多大な苦労をしている役者陣には、大変申し訳ないとは思いますが、
先週の火曜日・水曜日の2日間くらい、私は「マジ切れ非常事態」でした。
そんな修行の足りない私ですが、創作する人達の苦労を考えたことと、
数日前に亡くなった彼女に関わる、「あれが最後だとわかっていたら」体験を
反芻することで、落ち着くことができたと思います。
なんでもかんでも「これが最後かもしれないから」と思っていると、
人生疲れてしょうがないのでやめた方がいいですが、
『どーにもしんどいけど、たぶん絶対、頑張った方がよさそう』・・・という場合には、
コレは、けっこう有効です。
チケットをお買いあげくださった方、本当にありがとうございます。
よいものを観ていただけるよう、精一杯頑張ります。
当日は、公会堂でお待ちしています。
多くの皆様のご来場を、心からお待ちしています。
きっと幸せなコに転生するにゃん
★本番まで、あと36日★