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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

2015年 秋季東京都高校野球大会 一次予選 2回戦

2015年09月12日 | 誓球の空2011-2015

[写真] 三塁打2本(1本目はラッキーだったが、2本目は右中間真っ二つでスタンディングトリプル)、持ち前の長打を炸裂させた4番中山


2015年 9月12日(土) 12:04~13:58 晴れ やや強い風(中→本) 東大和創価グラウンド

秋季東京都高校野球大会 一次予選 2回戦

都立芦花 (世田谷区)  0  0  0   1  0  0   0  2  0 =  3
創価    (小平市)  1  2  0   2  2  0   0  0  X =  7

[ 投 手 ] 谷井
[ 本塁打 ] 
[ 三塁打 ] 中山2
[ 二塁打 ] 

1番 (右) 仁木
2番 (二) 辻郷
3番 (三) 近内
4番 (一) 中山
5番 (投) 谷井
6番 (遊) 塚野
7番 (左) 真下
8番 (捕) 八柄
9番 (中) 笠原

線上降水帯という、あまり聞きなれない気象現象により、10日の未明から11日にかけて東日本を襲った記録的な大雨は、
関東から東北にかけて河川の氾濫や決壊などの水害を各地でひき起こし町を水没させてしまった。

一夜明けて、すっかり晴れ上がった青空の下、野球を観戦していることについて少し申し訳ない気もするが・・・
まずは被災された多くの方々に、お見舞いを申し上げるとともに、一日でも早い復旧が行われるよう願ってやまない。

先週とほぼ同時刻の11時ぐらいに着いたのだが、なんと第一試合がもう終わっててグラウンド整備が始まっていた。
ちょっと焦ったのだが、結果オーライで観戦者の入替と言うか帰られる方が多く、
観戦するには、結構良い位置を確保することが出来ラッキーであった。

夏の日差しが降りそそいではいたが、センターから本塁に向けてやや強い風が吹き、それほど暑さを感じることもなく絶好の野球日和
にも拘わらず・・・ ちょっと気になったのは試合開始前の散水で、担当の部員がちょっと撒き過ぎていた。
マウンドの左からショートの前辺りにかけては水が浮いていて、当り損ねのボテボテが怖いなぁ、なんて思っていたら、
直ぐにそうなってしまうのだから、ちょっとハラハラで胸騒ぎのプレーボールとなってしまった。

試合開始は定刻の約30分前となる12時04分、後攻めの創価のマウンドには第一戦に続いてエース谷井
スターティングメンバーも第一戦と同じで、レギュラーナンバーを付けた選手が守りに就いた。

1回表、都立芦花のトップバッターの当たりは、完全につどん詰まりで谷井の左に転がるボテボテのゴロ、
谷井が取ろうと思えば取れたんじゃないかと思うが、谷井はショート塚野に任した。
ところが・・・ ツーバウンド目がグラウンドに浮いた散水の影響で弾まず、ショート塚野が懸命に前進して送球するが惜しくもセーフ
前の試合から続く谷井のノーヒットノーランは、あえなく先頭打者の当たりそこねとグラウンドコンディションで終わってしまった。

無死1塁から都立芦花の2番は送って来るが、谷井のダッシュが素早く2塁へ送ってホースアウト
さらに併殺を狙って1塁へ送球するが、これが暴投
キャッチャーの八柄がカバーに入っていたので2塁へは走らないと思っていたが、打者走者は無謀にも1塁ベースを過ぎて2塁へ向かう。
これを見た八柄が、2塁ベースカバーの塚野へストライク送球してタッチアウト
これでちょっと変則だが併殺となり二死ランナーなし、続く3番がショートゴロに倒れバタバタしたがこれでチェンジとなった。

その裏の創価は、トップの仁木が初球を打つが平凡なセカンドゴロでワンアウト
2番辻郷はショートバウンドのボールがスパイクに当たって、ゴチになりますというか痛くない死球で1塁に出る。
辻郷がすかさず走ると、3番近内は右に綺麗にミートしてライト前のタイムリーを放ち今日も創価が先制をする。

さらに辻郷が走って一死1塁から、4番中山はストレートの四球で歩き一死12塁と攻めたてるが
5番谷井はおっつけ気味に打つも平凡なライトフライ、6番塚野はインコースのボールに詰まってショートフライで追加点が取れない。
ここでベンチに戻り守備に就こうとする選手に対し、片桐監督から強烈な檄が飛んだ。

分からんでもない、谷井のライトフライも塚野のショートフライもファーストストライクを見逃した後
カウントを悪くしてから際どい所を攻められ窮屈なスイングになってしまった。
相手投手はボールが速い訳もなく、変化球が切れてる訳でもない、にも拘わらず平然とストライクを見逃し追い込まれて窮屈なスイング

なぜ・・・ 積極的に打ちにいかない、監督はそう言いたかったのではなかろうか。
立ち上がりだから、じっくり見ていきたい気持ちも分かる。
しかし、積極性を欠いたら受け身になってしまう、監督の思いは声にこそしないがスタンドも同感である。

そしてもう一つ気になっったのは、谷井のスイングがアッパースイングになっていること。
バッティングは余程でなければ、個人的には個性を重んじるべきで、自分が一番打ちやすいスイングで良いと思う。
だが今シーズンの谷井のスイングは、5番ということから長打を意識しすぎていて杓っているように見える。

主将でエースという役割もある中でクリーンナップ、応援する側は気楽に期待するが、彼のプレッシャーは相当なものだろう。
もう少し肩の力を抜いて、上からたたくことが出来れば、楽にタイムリーが打てるのにと思うが、
まぁそれはそれで、新チームとして挑む公式戦の一戦目・二戦目なんだから、もう少し気長に待つしかないのだろう。

[写真] 四球が5個と制球が乱れたが、要所をしめて完投勝利の谷井投手、配球が偏り後半狙い撃ちされていたことが気にかかる。

2回表、谷井が三者凡退に抑えると、その裏の創価は一死からチャンスを掴む。
8番の八柄が粘って四球で歩くと、9番笠原の時にヒットエンドラン、
笠原は緩いサードゴロに倒れるが、2塁をチラッと見たサードがファーストへ大暴投
2塁から八柄が長躯生還すると、打者走者の笠原は好走塁で3塁を落とし入れる。

一死3塁から、打順は1番に戻っと仁木、引きつけて思いっきり叩くと三遊間を真っ二つでもう1点
さらに2番辻郷は、センター前にポトリと落として一死12塁としチャンスを広げる。
ところが・・・ 自慢の3番と4番は連続して簡単に打ち上げてしまい追加点が取れない。

点は取れてるのだが・・・ 貪欲さがもう一つ
もう1本出ていれば、もっともっと楽になるのだが、チェンジの直後に再び監督の檄が飛んだのも仕方ないだろう。

3回表、谷井は先頭をスリーボールツーストライクから歩かしてしまうが、続く打者の犠打に素早く反応してセカンドホースアウト
続く打者には犠打を決められたが、二死塁からピッチャーゴロに打ち取り危なげない。
その裏の創価は、先頭の谷井がヒットで出ると塚野が送って一死2塁とするが、後続はフライ二つで無得点
またもやベンチ内では監督の檄、今日の片桐さんは血圧が上がりっ放しで落ち着く間が無いようだ。

4回表、谷井は先頭の2番に無造作にストライクを取りに行ったボールを痛烈に叩かれ、レフトフェンスを直撃する二塁打を打たれる。
今シーズン初めて打たれた長打に動揺したか、続く3番にはボールが先行すると、
何とかスリーボールツーストライクまでカウントを戻すが歩かせてしまい、4番に犠打を決められしまい一死23塁
さらに5番にはストライクが入らず四球で一死満塁の大ピンチ

6番にはストライクを先行させるが、制球が定まらず真ん中高めのストレートをライト定位置まで運ばれる犠牲ライでついに失点
続く7番は三振に打ち取り、大ピンチは1点で凌いだが・・・ ちょっと気になるのは、スリーボールツーストライクから粘りが足りない。
際どいとこを攻めてはいるが、バッターが殆んどスイングしないまま簡単に歩かせている。
もちろん今後の課題になるのだが、強豪相手には無用の走者は禁物だろう。

また、ここでもう一つ注目したいのは、ライト仁木からのホームへの返球
セカンド辻郷が中継に入ったが、中継がなければホームベースはクロスプレーになっていただろう。
仁木は小柄で、肩の強さは平均だと思うが、この場面では中継がなくてもストライクが返って来ていたように見えた。
もちろん、ちょっと間延びしたワンバウンドか、ツーバウンドなんだが、
走者もタッチアップのスタートが良くなかったので、ちょっと残念なプレーであった。

4回裏、片桐監督の檄にやっと選手が応える。
先頭の9番笠原が初球を叩いてセンター前、1番の仁木が初球を叩いてレフト前、2番の辻郷は初球を手堅く送る。
打てるボール、特にファーストストライクに反応すると、僅か3球で一死23塁だから、
監督からすれば、やれば出来るチームということなんだろう。
いずれにしても監督の檄は期待の裏返しだから、声の大きさに比例して、その応え方も大きいようだ。

そして、一死23塁から3番近内もストライクに反応するが、当たりは良かったもののライト正面の低いライナーとなりツーアウト
続く4番が倒れたら、また檄なんだろうが、今度は中山が応えてキッチリとライト前
スライディングキャッチを試みたライトが捕球できず、後逸すると中山は俊足を飛ばして3塁を落とし入れた。
さらにもう1点、試合を決めにかかる絶好の場面だったが、期待の5番谷井はショートゴロ
もう1点取れていれば楽になるのだが・・・ 残念


[写真] 一年生が守る三遊間(左がサード近内、中がショート塚野)、右はセンターを守る笠原

4回を終わって5対1、試合は創価ペースで進んでおり、7回コールドは時間の問題と思っていたが
ところが、ところが・・・ ここから創価の拙さが攻守に渡って出てしまい、ドタバタの展開となってしまう。

5回表の都立芦花、谷井が先頭を歩かすとヒットエンドランを仕掛けてきた。
打球はベースカバーに入ろうとするショート塚野の真正面、ところがゲッツーを焦った塚野はトンネル
ゲッツーで二死走者なしは一変して無死12塁の大ピンチ

しかしここはキャッチャーの八柄が冷静で、離塁が大きかった2塁走者を見ると2塁へ素早い送球、挟んでアウトにし一死2塁とする。
ところが直後に、今度は八柄がトリックプレーにひっかかる。

前の走者と同じように、するすると離塁した2塁走者をみて2塁へ送球すると、ランナーは3塁へ走りセーフ
八柄が2塁へ投げようとした時、ランナーは23塁間の真ん中辺りにおり、2塁へ投げたら3塁へ走るのは必然
落ち着いて、1本疑投(投げる動作)をして走者の動きを見極めれば、3塁に送球出来た場面だった。
このようなシーンは、今後も似たような場面が想定できるだけに、しっかりと学習して欲しいと願う。

一死3塁の大ピンチは、結果的に内野ゴロ二つで凌ぐが、ここではナイスプレーが二つあったことを忘れてはならない。
最初のショートゴロは、前進守備の塚野が三遊間の当たりを逆シングルで抑え、チラッと目で牽制して1塁へ送球
スリーアウト目は、3塁ベース際の当たり、これを近内が逆シングルで捕ると、体勢を崩すことなくファーストへ投げピンチを凌ぐ。
2本とも決して痛烈な当たりではなかったが、3塁走者が目に入りミスの起こりやすい場面だっただけにナイスプレーだろう。

その裏の創価は、6番の塚野がセンター前ヒットで出ると、7番真下は強硬策でショートフライとなるが、
一死1塁から8番八柄はユニフォームの袖をかする死球を貰って歩き12塁、続く9番笠原は絶妙の犠打をサードの前に転がす。
完璧な内野安打だったが、送球を焦ったサードが握り損ねて12塁間へ大暴投
スタートを切っていた12塁の走者は、スピードを緩めることなくホームインで2点を追加する。

なおも一死2塁、1番仁木の当たりは三遊間へ飛ぶ、ショートは上手く取って投げたが送球が逸れて1塁セーフ
さらに2番辻郷がセンター前に落として一死満塁、ほぼ試合を決める場面が来たように見えたのだが・・・ ここからが拙かった。

3番近内の当たりは痛烈でセンターの左を襲う、後数センチで抜けそうな当たりに見えたがセンターがランニングキャッチ
この時、3塁走者の笠原はライナーだったので、すかさずベースに戻りタッチアップの体勢を取るが、
2塁走者の近内は大きく飛び出し打球の行方を見ていた。

結果は明らかだった、ランニングキャッチだったので勢いがついていて本塁は投げてもセーフだったが
打球に一番近いところに居た仁木は2塁ベースに戻れず、センターから2塁ベースにボールが送られホームインの前に併殺が成立
2塁走者がハーフウェイに居るのは分かるが、一番近いところで見ている走者が判断ミスをしては相手に流れを渡すことになってしまう。
1点を争うゲームだったら、本当にヒヤッとする場面だったが、貴重な経験と捉えて次につなげることが大事だろう。

さらに6回裏は、先頭の中山が右中間を真っ二つに破るスタンディングトリプルででるが、
5番谷井はショートゴロ、6番塚野のショートゴロで中山が本塁アウト、直後の7番真下がレフト前ヒットというちぐはぐさ
7回裏にも先頭の9番笠原のヒットを1番塚野が送って一死2塁とするが、後続が凡退し得点に至らない。
5回、6回、7回の1点が持つ意味は、7回コールドの必要条件である7点差となる8点目だっただけに大きく、8回のピンチに繋がってしまう。

8回表、拙攻もあるが自らのバットで決めきれなかった谷井のピッチングが明らかに違っていた。
先頭にセンター前のクリーンヒットを許すと、続く打者にもしぶとくライト前に落とされ無死13塁
続く打者を三振に打ち取り一死とした後、セカンドゴロで併殺を狙うが1塁セーフとなり1点返されると、
二死1塁からライト前ヒットを浴びる。

この一打で3塁を狙う1塁走者を見たライト仁木からの送球は大きく右に逸れてしまい、
バックアップに入った谷井も取れずホームインまで許してしまう。

9回も谷井は先頭打者にヒットを許すが、ネジを巻きなおして後続を抑え試合終了
勝つには勝ったが、何となくモヤモヤ感が残ってしまった。

あと1点を取るべき場面は何度もあった、特に5回以降は毎回あった。
詰めが甘いと言えばそれまでだが、拙い攻めで逸すると・・・ こうなってしまうの典型ではなかろうか。

ポジティブに捉えれば、シーズンは始まったばかりだから、良い経験をしたと思うことだろう。
確かに攻めは荒っぽいが、3番4番は当たっているし打点を挙げている。
さらに、チャンスメーカーとなる1番2番はすこぶる元気し、不動のエース谷井も健在だ。

焦らず、落ち着いて、練習の成果を発揮しようじゃないか。
ガンバレ、創価


1 表/芦花 遊安、犠打失併殺(1-6がアウト、6-3が暴投、キャッチャーがバックアップして2-6と送って打者走者がアウト)、遊ゴ
  裏/創価 二ゴ、死球、盗塁、右安1点、盗塁、四球、右飛、遊飛

2 表/芦花 三ゴ、三振、中飛
  裏/創価 三ゴ、四球、三ゴ失(暴投)1点左安1点、右安、中飛、右飛

3 表/芦花 四球、犠打失(1-6)、犠打、投ゴ
  裏/創価 中安、犠打、左飛、中飛

4 表/芦花 左二、四球、犠打、四球(一死満塁)、右犠飛1点、三振
  裏/創価 中安、左安、犠打、右直、右三2点、遊ゴ

5 表/芦花 四球、遊ゴ失(後逸)、牽制死(2-6-5)、盗塁(一死3塁)、遊ゴ、三ゴ
  裏/創価 中安、遊飛、死球、三安失(暴投.5-3)2点、遊ゴ失(逸れる.6-3)、中安(一死満塁)、中直併殺(2塁走者が戻れず.8-6)

6 表/芦花 三振、二直、遊ゴ
  裏/創価 右三、遊ゴ、遊ゴ(本塁アウト)、左安、遊ゴ

7 表/芦花 一ゴ、四球、三振、三振
  裏/創価 中安、犠打、二飛、四球、二飛

8 表/芦花 中安、右安(無死13塁)、三振、二ゴ(併殺崩れ)1点右安失(9-5が暴投)1点、一ゴ
  裏/創価 二飛、遊ゴ、四球、左邪飛 

9 表/芦花 中安、右飛、一邪飛、三振、試合終了

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