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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

2015年 秋季東京都高校野球大会 一次予選 1回戦

2015年09月05日 | 誓球の空2011-2015

[写真] 7回参考記録ながら、二つの四球を与えただけでノーヒットノーランを達成した谷井投手


2015年 9月 5日(土) 12:25~14:02 曇り 微風 東大和創価グラウンド

秋季東京都高校野球大会 一次予選 1回戦


早稲田 (新宿区)  0  0  0   0  0  0   0  -  - =  0  7回コールド(ノーヒットノーラン)
創価  (小平市)  2  0  1   1  3  1   X  -  - =  8

[ 投 手 ] 谷井
[ 本塁打 ] 
[ 三塁打 ] 近内(1裏/右)、辻郷(5裏/右中間)
[ 二塁打 ] 

1番 (右) 仁木 1年
2番 (二) 辻郷 1年
3番 (三) 近内 1年
4番 (一) 中山 2年
5番 (投) 谷井 2年
6番 (遊) 塚野 1年
7番 (左) 真下 2年
8番 (捕) 八柄 2年
9番 (中) 笠原 2年


例年より一足早い秋雨前線の影響もあって、都内は先月後半からぐずついた天候が続いている。
今朝も厚い雲に覆われていて、すっきりとした秋晴れは望めそうにないが、雨の心配はなさそうである。

蝉時雨が始まる前に終わった夏から一か月半、待ちに待った新チームが今日初陣を迎える。
ここ二年の秋季大会は結果がともなわず、一次予選で敗れているが、今年はエース谷井を含め夏のメンバーが多く残っていることから
今年こそはと・・・ 思いっきり力んではいるものの、戦うのは選手なので肩の力を抜いて、力まずに頑張ってほしいと願う。

試合開始は定刻の5分前となる12時25分、後攻めのマウンドには背番号1をつけた谷井(やつい)が上がる。
受けるキャッチャーは、春にバッテリーを組んだ八柄(やがら)、
袖から伸びた腕は真っ黒に日焼けしており、今夏の練習の厳しさが垣間見える。

内野陣はファーストに負傷の癒えた中山が外野手からコンバートされ、セカンドは春夏続けてレギュラーに定着した辻郷が守り、
サードは今夏1年生ながらレギュラーを取った近内、ショートには今夏スタンドメンバーだった塚野が入った。
外野陣は左から真下、笠原、仁木の三人、仁木は夏に出番はなかったものの、背番号8を付けてベンチ入りした期待の1年生である。
真下と笠原は、夏こそベンチを外れたが、春にはレギュラー番号を背負っており経験は十分だ。
また、久しぶりに守備位置と背番号が一致していることも頼もしく期待が膨らむ。

なお、キャプテンは試合前の挨拶の際、一番先頭に居た選手が谷井だったことから、おそらく谷井で間違いないと思うが
私の記憶が確かなら、ここ20年ぐらいはピッチャーでキャプテンという記憶がなく、打っても主軸の5番を任されていることを踏まえると
投打の要であって、尚且つチームの精神的な部分での大黒柱も担っており、健康面だけには十分に配意して欲しいと願ってやまない。

[写真] 新チームの4番は中山、快音こそなかったが着実に2打点をあげて、ポイントゲッターの役割を見事に果たす。
 

1回表、谷井は先頭打者に粘られるが、スリーボールツーストライクから空振りの三振に打ち取ると、
2番はライト定位置へのイージーフライ、3番はショート正面へのゴロ、塚野が握り損ねるが素早く拾って送球し三者凡退

その裏、創価のトップはライトの仁木(1年)、レフト線へ鋭いファールを飛ばし期待が膨らむも、
スリーボールツーストライクから外に大きく外れたボールに手を出して空振り三振となったが、
大きく外れてたことが幸いしてキャッチャーが大きくはじいてしまい、結果オーライの振り逃げで1塁へ出る。
すかさず仁木が走ると、2番辻郷は犠打を一つ失敗した後のフルカウントから、ピッチャーの頭を緩く超えるショートゴロで一死3塁

いきなりというか、殆んど相手から貰ったチャンスに3番近内の打球がライトの頭上を襲う。
ライトオーバーだが、右を狙って打ったというよりは、若干振り遅れたものの芯でキッチリ捉えて振り切ったというのが正解だろう。
振り負けなかったのも素晴らしいが、捉えた後からパワーで押し込まなければ頭上を越えないので、本当にナイスバッティングだと思う。

さらに一死3塁のチャンスに4番中山は、つまった当たりのセカンドゴロに打ち取られるが、
3塁走者近内のスタートが素晴らしく、前進守備だったものの本塁へ送球できず2点目、
近内の野球センスが光ったのも事実だが、今後のことを考えれば、新チームの4番中山がヒットでなくても打点を挙げたことが大きい。

2回表の谷井は、ショートゴロ二つと三振で三者凡退
ちょっと気になったのは、ショート塚野が待ってバウンドを合わせに行っていること、楽にアウトだから注文付ける必要はないのだが、
もう一歩前に出れる打球だっただけに、仮に最終バウンドでイレギュラーがある可能性もあり油断は禁物だろう。
その裏の創価は、8番の八柄が四球で歩くが牽制で刺され無得点

3回表の谷井は、先頭打者の7番をスリーボールツーストライクから際どいボール選ばれて歩かすが、
8番を外のボール気味のストレートを振らして空振り三振、9番はボテボテのショートゴロでツーアウト
二死2塁から打順はトップに回るが、サインプレーで2塁走者を牽制で刺してピンチを凌ぐ。
練習の成果と言えばそれまでだが、バッテリーを中心とした二遊間の連携はしっかりと鍛えられており落ち着いた良いプレーだと思う。

3回裏の創価は、相手投手の制球が乱れ三つの四球で一死満塁として4番中山を迎える。
中山の当たりは浅いレフトフライだったが、3塁走者の仁木が果敢にタッチアップして1点取るが、
近内の離塁が早いと早稲田がアピールプレー、主審はセーフのコールをして1点は認められたものの・・・
正直言って、私の目には離塁が早かったように見えた。
人が判断することなので、早稲田サイドから見れば気の毒な判定だと思うが、審判の判定だから申し訳ないがそういうことになる。

4回も谷井はテンポよく三者凡退に打ち取る。
キャッチャー八柄が受けたボールを素早く返球すると直ぐにサインを出す、谷井はサインに首を振ることなく即投球動作に入る。
投げ急いだ時には、若干フォームが乱れボール先攻となることもあるが、
テンポが良いことから、打者はバッテリーの術中に嵌まり気味で、創価バッテリーがほぼ主導権を握っているといっても良いだろう。

4回裏も創価は、相手投手の制球の乱れと暴投で労せず1点追加するが・・・ 気になるのは、ここまでヒットが1本だけということ
制球が乱れているので、狙い球が来ないということも分からんではないが、
ファーストストライクを積極的に打って出る等、そろそろ何とかしなきゃならないのではなかろうか。

5回表、谷井は先頭の4番に四球を与え無死1塁の後、5番に痛烈にはじき返されるがラインドライブがかかった打球はレフト真下の正面
右か左に1~2メートルずれていれば長打になる打球だったが、
今日の試合でヒヤッとしたのは、この1本だけで続く6番をピッチャーゴロの併殺に打ち取りスリーアウト
ここまで谷井は二つの四球で走者をだしたが、牽制アウトと併殺で打ち取っていることから、
ノーヒットノーランに加えて、毎回3人でアウトを取っており、ほぼ完ぺきな投球内容といって良いだろう。

5回裏、遅すぎた感があるが・・・ 創価打線が、やっと目覚めた。
先頭の2番辻郷がファーストストライクを叩くと打球は右中間を真っ二つ、俊足を飛ばして三塁打とすると
3番近内もファーストストライクを痛烈に叩いて三遊間を真っ二つ、
前の回までヒット1本だったことは完全に杞憂に終わったが、点が入るときは・・・ こんなもんなのだろう。

さらに無死1塁から4番中山はショートゴロに倒れるが、5番谷井の当たりが痛烈で相手サードのグラブを弾いてレフト前に転がる。
慌てたレフトがホームに返球するのを見ると、谷井は躊躇なく2塁を落とし入れ、全く持ってそつがない。

なおも一死23塁、押せ押せの場面でバッターは6番の塚野、
今日の塚野は守備では大活躍だったが、打撃は全くタイミング合っておらず、ここまで三振が二つ
ファールするのが精いっぱいで、申し訳ないがスクイズかな?と思ってたら・・・ なんと強硬策

ところが、ところが、塚野のバッティングが、このゲームのダメ押しとなる得点になるのだから野球は・・・ 面白い。
塚野が思いっきりスイングした打球は、サード前に転がるどん詰まりのゴロ
3塁走者中山のスタートが素晴らしく、本塁は無理と判断したサードはファーストに送って塚野をアウトにするが
2塁走者の谷井が、躊躇することなく3塁ベースを回って本塁に戻って来た。

ツーランスクイズというのは見たことがあるが、ツーランサードゴロというのは・・・ 初めて見た。
3塁コーチのファインプレーと、それに応えた谷井の勇気に拍手を送りたい。
ナイスプレーだ。

6回裏にはダメ押しのダメ押し、9番笠原がレフトへクリーンヒットを放つと、
1番仁木が手堅く送って一死2塁、続く2番辻郷がレフト前にタイムリーで8点目が入った。

7回表、早稲田の攻撃は1番から、鋭い打球が谷井のすぐ左横を抜ける。
センターに抜けそうな当たりだったが、ショート塚野が素早く回り込んで捌きワンアウト
続く2番はセカンド辻郷の正面のゴロでツーアウト、3番はハーフスイングを取られて空振りの三振

二つの四球を出したが、二遊間の堅い守りに支えられて、谷井投手が見事にノーヒットノーランを達成した。
打線のエンジンの掛りが遅いのが、気にはなると言えば気になるが、初戦ゆえの緊張と捉えれば心配は無用だろう。

クリーンナップも仕事をしているし、まずは期待通りの初戦だったのではなかろうか。
固い守備に更なる磨きをかけて・・・ 次もガンバレ、創価


1 表/早稲田 三振、右飛、遊ゴ
  裏/創価  三振(振逃げ)、盗塁、遊ゴ、右三1点二ゴ1点、中飛

2 表/早稲田 遊ゴ、遊ゴ、三振
  裏/創価  三振、三ゴ、四球、牽制アウト(1-3)

3 表/早稲田 四球、三振、遊ゴ、牽制アウト(1-6)
  裏/創価  二直、四球、盗塁、四球、四球(一死満塁)、左犠飛1点、遊ゴ

4 表/早稲田 三振、二ゴ、遊ゴ
  裏/創価  三振、四球、盗塁、四球、三ゴ、暴投1点、遊飛

5 表/早稲田 四球、左直、投ゴ併殺(1-4-3) 
  裏/創価  右中間三、左安1点、遊ゴ、盗塁、左安、三ゴ2点、四球、盗塁、盗塁、遊ゴ

6 表/早稲田 三振、右飛、投ゴ
  裏/創価  左安、犠打、左安1点、盗塁死、三ゴ

7 表/早稲田 遊ゴ、二ゴ、三振 試合終了(7回参考記録ながら、ノーヒットノーラン達成)

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