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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第95回 全国高校野球選手権 西東京大会 5回戦

2013年07月21日 | 誓球の空2011-2015

[写真] ボテボテのバウンドも、イレギュラーバウンドも、どんな打球も華麗に捌いた堅守のショート林
    思わず「上手い」と何度唸ったことやら・・・


2013年 7月21日(日) 12:29~14:09 晴れ 微風 市営立川球場

第95回 全国高校野球選手権西東京大会 5回戦

都立大泉 (練馬区)  0  0  0   0  0  0   0  0  0 =  0
創価   (小平市)  0  0  0   0  0  1   1  0  X =  2

[ 投 手 ] 内野

[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ] 小野(7回/左)

1番 (二) 奥
2番 (右) 松下
3番 (捕) 南
4番 (左) 矢澤
5番 (中) 海老原
6番 (一) 若林
7番 (投) 内野
8番 (三) 小野
9番 (遊) 林


4時25分、目覚まし時計が鳴る5分前に目覚めた。
動機がメタボ対策だったので、切欠はいささか不純だが、週末に代配をしていた家内のお手伝いを兼ね
夫婦で歩くようになって、途中で中休みもあったが早や15年の歳月が過ぎている。

朝日を仰ぎ、清々しい空気を吸いながら歩く週末の朝のウォーキングはホントに楽しいのだが、
当初の目的だったメタボ対策は、いっこうに成果が出ないばかりか、
むしろ二度目の成長期に入ったかのように、ジワリジワリと進化している。
結果を出せないのは、私の弱さなんだが、そろそろ本気にならねばならい年齢に来ていることは確かだ。

朝9時から試合が始まる関西校は、おそらく私と同じ頃に目覚め、
昼の12時30分から試合が始まる東京校は、おそらく私が帰宅し朝刊を読んでる頃に目覚めたのではなかろうか。
まぁ、そんなことはどうでも良いんだが、連日の猛暑故に体調管理には万全を期してもらいたいと祈る。

さて、いよいよ今日は立川ラウンドの最終戦、ここを勝ち抜けばファイナルラウンドとなる神宮へと進む。
対戦相手は、ここまでミラクルを連発した勝ち上がってきた都立大泉、
四球を連発しても得点を与えない。9回二死から相手のエラーが続く。
そこだけにフォーカスすれば、ミラクルの連続で勝ち上がって来たようにも思えるが、
西東京のベスト16は運だけでは勝ち上がれない。
運も実力のうち、きっと・・・ 何かの因があるはずだ。


 
[写真] ライト前に先制タイムリーを放った5番の海老原、試合後の笑顔は、ごつい体に反して優しい。

12時29分、後攻めの創価のマウンドには今日もエース内野が上がった。
球速はあるが若干制球に苦しみボールが先行し、スリーボールツーストライク、出来れば四球は避けたい。
渾身のストレートに詰まった打球は、緩いバウンドでサード小野の前に転がるが小野が軽快に捌いてワンアウト
2番には、やや強い当りで三遊間にはじき返されるが、これも小野が何でもないように捌きツーアウト
3番の当りはショート前の高いバウンドだったが、林が猛ダッシュでファーストへ矢のような送球

試合開始前のシートノックでは、三遊間の走者が走る辺りは気持ちよくイレギュラーしていた。
たっぷりと散水されたあとだけに、さすがに初回からイレギュラーはなかったが、
創価の守備陣は、一歩も二歩も前に出て捌いていた。

何でもないゴロ三つだが、ひと言で言えば・・・ 軽快ではなかろうか。
軽やかなステップで、スタンドで応援する者に安心感と納得を感じさせてくれた。
上手いぞ・・・ 創価

1回裏、都立大泉のマウンドには13番を付けた技巧派サウスポーの有吉が上がる。
1番奥は、ツーボールからストライクを取りに来るボールを打って出たが、どん詰まりのショートゴロ
2番松下は、粘るもファーストへのファールフライ
3番南は、ボールの後のストレートをレフトフライに打ち取られ三者凡退

1塁側スタンドから見る分には、ごく普通の技巧派サウスポーである。
特別に速いボールを投げるわけじゃなく、鋭い変化球が切れてるわけでもない。
だが・・・ 正面からみると、テークバックが小さく、腕の出所が見ずらいばかりか、
クイックじゃなくて普通に投げてるのに、普通のストレートに詰まらされている。

あえてツーボールから、ストレートでストライクを取りに行くタイミングで待たせておいて
ポイントをずらせる巧みな投球術で、スイングのタイミングを外させる。
これは、ちょっと・・・ 厄介なタイプの投手かもしれない。
ストレートに詰まると感じれば、変化球のタイミングにも迷いが生じてくるだろう。

おそらくミラクルの要因は・・・ この投球術ではなかろうか。
今日も二巡目ぐらいまでは苦戦するかもしれない。

 
[写真] 無四球、9奪三振、3塁を踏ませない好投をみせたエース内野、試合後にインタビューを受けていた。

両投手の立ち上がり状態から想定したとおり、序盤は投手戦で淡々と試合が進む。
2回表、内野は5番打者にライト前にクリーンヒットを打たれるが、6番と7番を連続三振に打ち取り隙を見せない。

4回裏、創価の初安打は2番松下が死球で出た直後、3番南のバットから生まれた。
初球を狙い澄ませて一閃、痛烈なライナーで三遊間を真っ二つ、
一死12塁として、両チーム初めてスコアリングポジションに走者が進んだ。

しかし・・・ ここから大泉のサウスポー有吉の投球術が冴える。
4番矢澤は、ツーボールから狙いすましたようにストレートを打ちに行くが、
一本足打法の右足が降り、スイングの軌道に入った時には、既にボールはベースの手前
それでも矢澤のスイングが速く、上から被せに行くがボールの上を叩いたボテボテのセカンドゴロ

二死13塁から、5番海老原は勝負を避けられて四球で満塁とするが、
6番若林もツーボールからストレートに詰まらされてセカンドゴロに打ち取られる。
不思議だが、ホントに不思議だが・・・ 速くないのに詰まっている。

それでも、だんだんとタイミングを合せて来だした創価は、
5回も小野の四球の後、林のバスターはフライとなったが運良くセンター前に落ち一死12塁と攻めたてる

バッターは1番奥、ここでベンチが動きダブルスチールを仕掛ける。

1塁側ベンチから見ている分には、3塁への送球は若干高く明らかにタッチは遅れていた。
3塁塁審はライン上で相手サードの背中からみており、タッチの瞬間はハッキリとは見えてない(はず)。
だが・・・ ワンテンポ遅れて、サードがボールを持っているのを確認してアウトのコール

判定に文句を言っても仕方ないし、文句を言うつもりもない。
それもこれも含めての高校野球だから・・・ 判定は致し方ないと思うのだが
せめてもう少し、見やすい位置でジャッジしてほしかったと思う。

そして・・・ 期待の奥はサードゴロに打ち取られ、この回も0点
剛の内野(創価)、柔の有吉(都立大泉)、見応えのある投手戦は、とうとう中盤を過ぎ終盤に入って行った。


 
[写真左] 三遊間のカットプレーや、ボテボテの当り、何れをとっても完璧だったサード小野
[写真右] 球際の強さは天性のものか、それとも練習の賜物か、走って飛んで大活躍のセカンド奥

6回表、ここまで2塁が踏めなかった大泉が仕掛けて来た。
8番がライト前にヒットで出ると、ここで9番のピッチャー有吉に代打を送り勝負を仕掛けて来たが・・・
代打は積極果敢に初球から打ってくるがセカンドゴロ、待ってましたの併殺網(4-6-3)にかかった。

おそらく・・・ 大泉ベンチは、何らかのサインを出す予定だったのではなかろうか?
犠打またはヒットエンドラン、ひょっとしたらバスターエンドラン、何でもありの場面だった。
イニングは6回、仕掛けどころだったが・・・ 創価バッテリーが巧く誘い、代打が打ってしまった。

しかし、油断はできない。
1番に戻ると二遊間へ強い当りを飛ばす。
セカンドの奥が逆シングルで押さえ、ショートの林にバックトスして1塁への送球を狙うが
林とのタイミングが微妙に合わず内野安打、さらに初球から盗塁を決めて二死2塁と創価を攻め立てる。

ここが勝負所と睨んだ創価バッテリーは、一歩も引かず力勝負で攻める。
渾身のストレートだった。
相手打者のバットが出ず、呆然と見のがすと主審の右手が力強く上がった。
見のがしの三振、何とかピンチを凌いだが・・・ 終盤6回に入り、試合は確実に動き始めていた。

6回裏、都立大泉のマウンドには、代打に代ってエースナンバーを背負った熊谷が上がる。
担ぐようにして投げる豪快なフォームで力強いボールを投げるが球筋はけっこう荒れている。
先発した有吉に比べてボールは走ってるが、タイミングは格段に取りやすそうに見える。

この回先頭の2番松下は、ボールをしっかり見極めスリーボールワンストライクから四球を選ぶと
3番南の初球に盗塁を決め、無死2塁
南は外の低めのボール気味の球を見のがすが、判定はストライクのコールで見逃しの三振
4番矢澤は果敢に打って出るもサードへのフライを打ち上げ二死2塁

無死2塁が、あっという間に二死となったが、5番海老原がここでみせる。
高めのストレートを強引に上から被せると、痛烈な当りがライト前で弾む。
強打者の海老原だけに、後ろで守っていたライトは勢いよく前に出て懸命に返球するが
俊足の松下は楽々ホームを駆け抜けていた。
待ちに待った1点が・・・ やっと、やっと入った。

 
[写真] 今大会1番のクリーンヒットが出た3番の南、試合後は笑顔で応えてくれた。

1点が入ると、俄かに試合が動き出す。
7回表、6回に続きこの回も大泉が攻めて来た。
まず、この回先頭の3番がライト前のクリーンヒットで出る。

大泉のヒットは総て右打者で、方向は徹してピッチャーから右のライト前
けっして大振りでなく、ミートに徹したバッティングである。
大きいのはないが、上手くミートした時はライナーで飛ぶので一瞬ヒヤッとする。

続く打者は4番、普通ならまず同点で送るところだろうが、あくまでも大泉は強気でヒッティング
高めの危ないボールだったが、内野の球威が勝りセンターフライでワンアウト、

5番は簡単に追い込み、高めのつり球を振らせたのだ・・・ 
見事な大根切りに、打球はフワリとセカンドの頭上を越えて、ライト前に落ちてしまった。
一死12塁、この試合最大のピンチがやって来た。
さぁ・・・ 踏ん張りどころだ。

いかに内野が元気とは言え、7回ともなれば疲れは出るし、握力は低下しコントロールミスも出てくる。
三振が取れればベストだが、力みは返って制球を乱す可能性もある。
ガンバレ内野、ここが勝負所だ。

バッターボックスに入った6番は、内野のストレートにタイミングが合っていないことから
素早く追い込んだものの、所謂大振りなんだが、気持ちよく振っており
出会い頭が怖いな・・・ なんて思っていたら、乾いた金属音を残してセンターへ打球が飛んだ。
一瞬ヒヤッとしたものの、ここは内野の球威が勝り、センター海老原の守備範囲
少しだけ背走して直ぐに向き直ってランニングキャッチ、素早い返球で2塁走者の進塁も許さない。

さらに続く7番も平凡なライトフライに打ち取り、三振以外では一番安全なフライ二つでピンチを凌いだ。
後半戦に入りグラウンドが荒れて来ていたし、イレギュラーが怖いなと思っていたが、全くの杞憂であった。
ここまでは、創価バッテリーのほぼ思い通りに運んでいるといって良いのではなかろうか。

ピンチの後にチャンス有り、7回裏の創価は一死から8番の小野がレフト線の二塁打で出ると
9番の林はセンターフライに倒れるが、1番の奥にセカンドの左を渋く抜くタイムリーが出た。

チャンスがあっても点が入らない時は、本当にじれったいものだが
我慢の時間帯を耐え、なお且つピンチを凌ぐと、まるでご褒美のように点が入るから野球は面白い。
何はともあれ2点目が入った。
残りのイニングを考えれば・・・ この1点は大きい。

8回表、内野は軽快な投球で三者凡退に打ち取るが、その裏の創価打線もチャンスが作れない。
12時29分に始まった試合は、両チームともに失策がない上に四死球も少なく、時計の針はまだ14時過ぎ
あと1イニングだ。ゆっくりと落ち着いて投げ急ぎさえなければ大丈夫だ。ガンバレ内野

固唾を呑みながら見守った9回表の攻防だったが・・・ まさかまさか5球(3分弱)で終わるとは思わなかった。
この回先頭の2番は、2球目を真っ芯で捉え痛烈に弾き返すがライト松下の正面のライナーでワンアウト
続く3番は初球を叩くと、これまた快音を残したもののファースト若林の真正面
ツーバウンド目を若林がショートバウンドで処理しベースに入る。
この時、ミットからボールがこぼれてヒヤッとしたが、直ぐに拾ってツーアウト

最後の打者となった4番は2球目を打った。
良い音がした。低いライナーがセンター方向に飛んで行った。
スタンドで見ていた観客や応援団は、九分九厘センター前ヒットだと思った。

だが・・・ ジャンプ一番、打球はセカンド奥のグラブの先っぽに引っかかった。
奥は着地と同時にバランスを崩して一回転、
2塁の塁審が回り込んで、億のグラブの中にボールがあるのを確認してからアウトのコール

好投手を打ちあぐね、得点こそ2点しか取れなかったが、
バッテリーを中心にした内外野の堅いディフェンス力が随所随所に冴え、
好プレーに加えて無四球、無失策、終わってみれば3塁を踏ませることはなかった。

結果だけを見れば、確かに苦戦だったかもしれないが、神宮決戦を前にして気合いを入れ直したと捉えれば、
都立大泉は、絶好の対戦相手だったのではなかろうか。

いよいよ西東京の頂点が見える所までやって来た。
ガンバレ創価
一気呵成に駆け上れ。


1 表/大泉 三ゴ、三ゴ、遊ゴ
 裏/創価 遊ゴ、一邪飛、左飛

2 表/大泉 遊ゴ、右安、三振、三振
 裏/創価 投ゴ、一ゴ、三振

3 表/大泉 二ゴ、三振、遊ゴ
 裏/創価 遊飛、一邪飛、遊ゴ

4 表/大泉 三振、三振、三ゴ
 裏/創価 二ゴ、死球、左安、二ゴ、四球、二ゴ

5 表/大泉 三振、三振、投ゴ
 裏/創価 三振、四球、中安、盗塁死、三ゴ

6 表/大泉 右安、二ゴ併殺、二安、盗塁、三振
 裏/創価 四球、盗塁、三振、三飛、右安1点、盗塁、三振

7 表/大泉 右安、中飛、右安、中飛、右飛
 裏/創価 右飛、左二、中飛、中安1点、盗塁死

8 表/大泉 遊ゴ、三振、遊ゴ
 裏/創価 遊飛、一邪飛、右安、左飛

9 表/大泉 右直、一ゴ、二直、試合終了

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4 コメント

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お疲れ様でした。 (孔明)
2013-07-21 16:46:26
林君の写真がトップとは、流石ですね。
各人が持ち味を出した試合でしたが、内野君、海老原君と共に林君が今日のヒーローだと思います。
素晴らしい守備を連発していました。
ヒットも一本出て、次は更に活躍してくれるはずです。
神宮で是非お会いしましょう。
返信する
お疲れ様でした。 (誓球の空)
2013-07-21 19:43:27
孔明さん、恐縮です。

内野のストレートに負けまいと、右打ちに徹していた大泉打線
それを創価バッテリーが、巧みに引っ掛けさせたり、強気の配球で詰まらせたり
今日の内野陣はホントに大忙し、華麗なステップとグラブ捌き、さらには正確な送球、
スタンドを何度も何度も唸らせていました。

特にショート林君の巧みなグラブ捌きと、果敢なダッシュには思わず拍手していました。
返信する
お疲れ様です。 (酔いどれ天使)
2013-07-23 23:39:31
いつもありがとうございます。(^.^)
左投手対策などの課題はありますが、総合的に見て
とてもバランスがいいチームだと思います。
写真にある内野君の表情も、ピッチングの何かを掴んだような自信が感じられ、期待が膨らみます。
菅生戦も楽しみですね。(^.^)
返信する
こんにちは (誓球の空)
2013-07-24 07:43:19
ご無沙汰しております。酔いどれ天使さん

薄曇りながら時おり涼しい風が吹く絶好の高校野球日和となりました。
心配されたお天気も、なんとかもちそうですね。

今日はお休みをいただいて神宮へ行く予定でしたが、朝一に急遽会議が入り、残念ながら行くことが出来なくなってしまいました。
菅生の投手は三人いますが、みな左です。
心配というより、大泉での経験が良かったと言われるような試合に期待しましょう。

がんばれ!創価
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