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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

2018年 春季東京都高校野球大会 準々決勝

2018年04月22日 | 誓球の空2016-2020

[写真] 秋のリベンジを果たしたエース菊地投手、ホームラン1本打たれたが被安打5・無四球で完投

4月22日(日)12:17~14:17 晴れ 無風 神宮第二球場
春季東京都高校野球大会 準々決勝
創価(小平市) 001 123 000= 7
帝京(板橋区) 010 000 000= 1

[ 投 手 ] 菊地
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ] 松田、浪川、若林

1番(二)藤井
2番(遊)門脇
3番(三)浪川
4番(投)菊地
5番(一)吉澤
6番(右)松田
7番(左)桐越
8番(捕)若林
9番(中)古川

ベスト8の激突になると、さすがに神宮第二球場では座席が足りなくなってしまう。
今日は三階席も解放されていたが、お天気が良すぎて・・・ 暑い。メチャメチャ暑い。
キョロキョロ見回しながら、運よく屋根の下の好位置をキープし辺りを見れば、
懐かしいOBたちの顔が、あちらこちらに見える。

試合前のシートノックを見て、ちょっと驚いたことがあった。
ファーストの吉澤は分からんでもないが、サードに外野手の浪川が入り、レフトには背番号18の桐越
守備練習の手伝いには、左瞼の上に大きな絆創膏を貼ってる選手もいた。
けが人が出ているようだが、元気そうなので問題はないだろう。

[1回表・創価]
今日の創価は先攻、帝京のマウンドには背番号3のサウスポー(左のサイド)が上がった。
1番・藤井はツーボールから1球ストライクを見逃したあと、1球も振らず四球で歩く。
2番・門脇は1球犠打をファールにした後、キッチリ転がして一死2塁
3番・浪川は2球目を打つが、力んでしまいセカンドフライ
4番・菊地も2球目を打つが高いバウンドのキャッチャーゴロとなり先制点は奪えず。

[1回裏・帝京]
創価のマウンドにはエースナンバー菊地が上がる。
昨秋は先制したものの制球難で自滅しているだけに・・・ 注目のマウンドだ。

1番はストライク先攻でワンボールツーストライクに追い込むと、高めのストレートを振らせて三振
2番にはファールで粘られるが、ズバッとインコースを突き空振りの三振
3番にもストライクが先行し、ツーボールツーストライクからファーストへのファールフライ
菊地はストライク先攻で、二つの三振を奪い上々の立ち上がりを見せた。

[2回表・創価]

5番・吉澤は痛烈に捉えるがファーストの真正面、ところが・・・ あまにりに打球が速すぎてトンネル
6番・松田は積極果敢に打って出るが浅いセンターフライで一死1塁
7番・桐越が手堅く送って二死2塁と、この回も得点圏に走者を置くが8番・若林はショートゴロ
ちょっと力みがあるのか・・・ チャンスが活かせない。

[2回裏・帝京]
4番を警戒したのだろうか、ボールが二つ先行した後、
あまりに正直にストライクを取りに行ったストレートをライトにはじき返されてしまった。
見た目には振り遅れに見えたんだが、高めのストレートを叩いた打球は伸びてライトスタンドに入った。

あっという間に1点取られた後、5番は初球を叩いてレフトフライ、この打球も大きかった。
6番は変化球を思いっきり引っ張ると、一塁ベースの上を通過してライトフェンスの到達する二塁打
このイニングに入って、菊池のボールが高く変化球も甘くなっている。

7番にも捉えられ左中間に弾き返されたが、レフト桐越が走って走ってランニングキャッチ
二死となったがタッチアップされる。
二死3塁から8番はにはツーボールツーストライクとなるが、変化球を当てただけのライトフライ
制球難で崩れた昨秋のような失敗は繰り返さない。
1点は失ったものの追加点は許さない。

[写真] ファーストの守備に就いて、ファールフライを捕りまくった吉澤選手

[3回表・創価]

9番・古川(左打者)から始まるが、相手左腕の制球が乱れストレートの四球で無死1塁
1番・藤井は初球をバスター、打球はニ塁ベースに入りかけたショートの逆を突きレフト前ヒット
1塁走者・古川の好走塁もあって無死13塁、さぁ・・・ 反撃だ。

2番・門脇は中間守備のセカンドへ高いバウンドのゴロを打ち、まず・・・ 同点
尚も一死2塁だったが、3番・浪川はファーストフライ、4番・菊地はショートゴロ
左対左というのもあるが、古川の時に乱れた制球が、
門脇・浪川・菊地の時は良いボールが来るんだから・・・ これも、野球の妙だろう。

[3回裏・帝京]
9番にはストライク先攻で追い込んだが、甘く入ったストレートを上手くミートされると
打球はショートの頭上を越え、左中間真っ二つの二塁打となり無死2塁
1番が手堅く送って一死3塁、2番の当たりは弾丸ライナーでセンターの正面に飛ぶ。
捕球した古川から、ショート門脇を経てキャッチャー若林に一直線の返球が帰って来た。
三塁走者はタッチアップの構えから5~6歩動いたが、古川の返球を見て思いとどまり二死3塁

このプレーが、私の視点では試合のターニングポイントだったと思う。
古川からの返球を2塁ベースとマウンドの間で受けた門脇から、キャッチャー若林にストライク返球
走っていれば、タイミング的にはアウトだっただろう、帝京の打球判断も見事だ。

菊地は続く3番をワンボールツーストライクからセカンドフライに打ち取り得点を与えない。
ピンチを凌いだ創価の反撃が・・・ 次のイニングから始まるのだから、
やっぱり、このプレーがターニングポイントだったといっても間違いないだろう。

[4回表・創価]

5番・吉澤はセカンドゴロに倒れるが、6番・松田が低いライナーでサードの頭上を破る二塁打
7番・桐越が2球目を叩きつけて二遊間を破ると、松田が好走塁で2塁から戻り1点勝ち越し
押せ押せの雰囲気が出てきたところで、8番・若林は痛烈に捉えるがファースト正面のライナー
思わず飛び出した桐越が戻れずダブルプレーとなったが・・・ 創価打線が芯で捉えはじめてきた。

[4回裏・帝京]
前の打席でホームランを打たれた4番をワンボールツーストライクから低めの変化球で空振り三振
5番にもワンボールツーストライクから、外のストレートで空振り三振
6番は2球目を打って平凡なライトフライ
リードした直後の守りを三者凡退に打ち取り、流れをぐっと引き寄せる。

[写真] 反撃の口火を切った創価の元気印、切り込み隊長の1番・藤井選手

[5回表・創価]

9番・古川は初球をピッチャーの右、セカンドの前に絶妙のセーフティバンドを決め無死1塁
1番・藤井は初球を犠打、2番・門脇は追い込まれたがショートの前に高いバウンドのゴロ
ショートがバウンドを合わせ損ねて一死13塁(記録は内野安打)
3番・浪川は初球を痛烈に叩くと、打球はファーストの頭上を越えライト線を転々
1塁から門脇も好走塁で戻って来て、中押しの2点を追加

ここで帝京ベンチが動きピッチャー交代、背番号17の松澤が上がる。
松澤は背番号こそ17だが、昨秋のエースナンバーである。
昨秋はトルネード投法だったが、今年はオーソドックスなオーバースローに変化していた。

一死2塁でバッターは4番・菊地、2球目を痛烈に捉えたがレフト正面のライナーとなり二死2塁
5番・吉澤はストレートに押され、詰まったバウンドのピッチャーゴロ
リードは3点差に広がったが・・・ 欲を言えば、もう1点欲しかった。

[5回裏・帝京]
7番はツーボールツーストライクの並行カウントから、高めのストレートで空振りの三振
8番にはストライク先攻で追い込むも、センター前に弾き返されて一死1塁
9番にもツーボールツーストライクの並行カウントから、高めのストレートで空振りの三振
二死1塁から、1番も高めのストレートで空振りの三振

この回のストレートには見応えがあった。
三人の空振り三振は見逃せば全部ボールだった。
それに手が出るのだから、ボールが伸びてるということだろう。(ナイスボールだ。)

[写真] 泳がされながらも内野安打でつないだ、キャプテン門脇選手の技ありの一打

[6回表・創価]

6番・松田はヘルメットをかする死球で無死1塁
本当にかすっただけで元気よく1塁へ向かったが、一瞬ヒヤリとするボールだった。
7番・桐越が手堅く送って一死2塁、8番若林は高いバウンドのショートゴロに倒れ二死3塁
9番・古川にはストレートの四球、今日は何故か帝京の投手が9番・古川に苦戦している。

二死13塁から1番・藤井、ツーボールツーストライクからレフトに大きなファールを1本打った後
ストレートが抜けて背中に当たる死球となり二死満塁
バッターは2番・門脇、痛烈に捉えた打球がセカンドの直ぐ右を襲う。
セカンドは飛びつくが、差し出したグラブの下を早い打球が抜けてライト前
3塁走者の松田に続き、2塁から古川も戻って来て2点追加し、1塁走者の藤井も三塁へ達す。

さらに3番浪川の時に帝京は再び3番を付けたサウスポーをマウンドに送るが、
制球が定まらず、暴投が出て・・・ もう1点
浪川が四球で歩くと、帝京はまたまたピッチャーを交代し再び17番
先発したサウスポーが、ファーストから再びマウンドに向かう。
4番・菊地は初球を叩いてレフトフライに倒れるが、この回勝負を大きく左右する3点が入った。

[6回裏・帝京]
2番から始まったが、低めの変化球を振らせて空振り三振
3番は2球目を叩いて平凡なセンターフライ
4番にはストレートで射し込んだものの、打球がレフトの前にポトリと落ち二死1塁
5番の打球は左中間を襲うが、レフトの桐越がランニングキャッチ、今日はフライが多く外野は忙しい。

[7回表・創価]

5番・吉澤の打球は三遊間を襲うが、深いところから相手ショートが素晴らしい送球を見せアウト
6番・松田は粘っていたが、低めの変化球のつられて空振り三振
7番・桐越は死球、ちょっと帝京投手の制球が荒れて来ている。
8番・若林の打球はライトの頭上を越えワンバウンドでフェンスに到達する二塁打

二死23塁から9番・古川はセカンドゴロに倒れ無得点となったが
残念だったのは、若林の二塁打で桐越を3塁コーチが止めことだろう。
帝京の中継プレーが乱れていたので、走っていればもう1点だったのだが、
帝京はそういった守りのミスはしない完成度の高いチームだけに、3塁コーチの判断も責められない。

[7回裏・帝京]
6番は2球目を打って平凡なライトフライ
7番は初球を打ってセカンドゴロ、なんと驚きだが、これがこの試合初のゴロアウト(犠打は除く。)
8番は上手くミートするが、ライト松田の正面へ飛ぶライナーで三者凡退

[写真] 痛烈にライト線に弾き返し、ダメ押し点をあげた浪川選手の一撃

[8回表・創価]
1番・藤井は初球を三遊間真っ二つのヒット
2番・門脇がキッチリ送って一死2塁
3番・浪川はフルカウントから外のボール気味のストレートを振って空振り三振
4番・菊地の時、暴投が出て二死3塁となるが、菊池はフルカウントからストレートを見逃して三振
創価のペースで試合は進んではいるが、ダメが押せないことが・・・ 気にかかる。

[8回裏・帝京]
9番の打球は大きなセンターフライ、古川が走って、走って、もう一つ走って・・・ ナイスキャッチ
1番はツーボール本ストライクからファーストへのファールフライ
2番も初球を打ってファーストへのファールフライ
終盤に入って菊地のピッチングが冴え渡り、この回も三者凡退

[9回表・創価]

5番・吉澤は低めの変化球をハーフスイングし三振
6番・松田のセーフティバントは強すぎてピッチャゴロ
7番・桐越はツーボールツーストライクから高めのストレートを空振りして三振
この試合、始めて三者凡退に打ち取られる。

[9回裏・帝京]
3番はライトとセンターとセカンドの間にフラフラと上げるが、
セカンドの藤井が背走して、後ろ向きで捕るファインプレー
普通ならポテンヒットだけど、こういったプレーが出るとチームは盛り上がる。

4番は大きなフライを打ち上げるが、ライト松田の守備範囲でツーアウト
最後は5番をショートフライに打ち取り試合終了

結果的には、エース菊地がホームラン1本浴びたものの散発5安打・無四球で完投勝利
面白いのは内野ゴロが二つだけ、うち一つはファースト吉澤への犠打だから実質1本だけ
三振8、フライアウト17、内野ゴロ2だから・・・ ちょっ珍しい試合内容と言って良いだろう。

特にブンブン振って来る超重量級の帝京打線に対して、
交わすのではなく、力勝負でねじ伏せた菊地のピッチングは、アッパレの一言に尽きる。

一つラッキーだったことがあったとすれば、初めてサードを守った浪川にゴロが一つもなかったこと
守備位置が深かったので、セーフティをやられていれば、また違った流れになっていたかもしれないが、
それもまた・・・ チームカラーというか、野球の妙なんだろう。

ついにというか、久しぶりの春季大会ベスト4
前評判はそうでもなかったが・・・ 強くなった。本当に強くなった。
試合を積み重ねながら日替りヒーローが現れ、チームとして進化しているのが見ていて分かる。

次は来週の土曜日、相手は強力サウスポーのいる国士舘
最高のゴールデンウィークになりそうだ。

[写真] 東京大会には何となくアンマッチな神宮第二の手書きスコアボード

[写真] かすれてしまった声で精いっぱいのエールを送る応援団長

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6 コメント

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Unknown (火星人)
2018-04-22 17:07:56
帝京に圧勝でしたね!
凄い!
今日は自分も二階席から応援していました。
菊池君は本当にエースとして成長しましたね。
菊池君のリズムの良い投球から攻撃につながっていきましたね。
逆に帝京は守りから崩れていってしまった気がしました。
しかし菊池君の球は力がある感じしますね。
帝京打線がストレートに凄い押されている感じがしました。
来週も楽しみです!
返信する
Unknown (誓球の空)
2018-04-22 17:33:49
火星人さま
応援ご苦労様でした。

試合前のハラハラドキドキは、いったいどこへ・・・
想定外の圧勝に驚きでしたが、次はサウスポーが3人いる国士舘

ここまで来たら、もう一つ
いや、二つですね。
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Unknown (孔明)
2018-04-22 19:17:31
古川君身体は小さいですが、攻守に奮闘していますね。
守備も安定していますし、四球が多くてかなり出塁率が高くなっています。彼が活躍すると打線も繋がりますから、今後もキーマンになりそうな気がします。
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Unknown (誓球の空)
2018-04-22 20:57:04
孔明さん
仰る通りで、古川君は今日のターニングポイントを握る選手でした。
3回裏のあの守備、あれで流れがこちらに来ました。
攻撃でも彼が絡んで得点してますから、今日のヒーローといっても良いかもしれません。
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ターニングポイント (K.H)
2018-04-22 22:11:02
早速、アップしていただき、ありがとうございます。もう1回、試合を楽しんでいます。おかげで、古川君と、その中継プレーが、流れを引き寄せたことに、着目することができました。
孔明さんの速報で、各打者の結果をスコアシートを作って、書き込みながら、速報見ていました。創価は6回まで、三振0ですね。これも、大きかったですね。
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Unknown (誓球の空)
2018-04-23 19:51:58
K.Hさん
コメントを頂戴しありがとうございました。
この春の創価打線は好球必打で、初球からガンガン振って来ます。
初戦がコールドの後は、二回戦と三回戦は大接戦、四回戦と準々決勝は圧勝
打線の方は、試合を重ねるたびに結果がついて来てるので自信につながるでしょう。
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