俺的に、この映画のテーマは「無常観(と書いて“もののあはれ”と読む)」ここまでコレを表現できている映画に俺は今までお目にかかったことが無い。
ストーリー面は印象に残るもんは無いけど、それでも心に強く残った良作映画のひとつ。ストーリーは、よく言えば詩的で散文的、悪く言えばまとまり無さすぎ。わざとなんだろうけど、あえて主人公格の人間を作らずに感情移入を避けているのは、おそらくほとんどの人にとって「つまらない」と感じさせる原因になったんじゃないだろうか。俺みたいに外人の名前と顔がなかなか覚えられない人間にとっては、その辺はもうマイナス要因でしかない。ヘルメットかぶられたらもう誰が誰かわからん。「主人公がいて、起があって、承があって、転があって、結があって」というオーソドックスなドラマ映画を見慣れている人間にとっては苦痛だろうな、この映画は。狭い座席の映画館じゃぜったいに俺は最後まで我慢してみれん。
・・・とここまで悪いところを列挙しておきながら、それでも心に残った映画と思えるのは、上記の点を補って余りあるモノがあるからである。その映像表現が「こんなの今までに見たことが無い!」ってくらい印象的だったからだ。
人間と自然の対比描写が斬新。
悲哀と残酷をあらわす死体の山が野犬にとってはエサでしかなかったり
敵に回りこまれて焦ってる人間の横には、それにはまったく興味ない野生動物がいたり。
ある兵士が死ぬ瞬間を、表情ではなく、その兵士が最後に見た木漏れ日を映すことで表現したり。
人間にとってはまさしく地獄としか言いようの無い苦しみとと、それにはまるで無関心な自然との対比が、むしろ戦争の惨さを表現している。
あとBGMがよかった。ここ一番というド迫力な戦闘シーンで、空虚感漂う寂しくも静かなBGM。やられた。「さぁここで泣いてください!」といわんばかりに演出過剰なBGM鳴らす映画とは全然ちがうなこの辺。
なによりそれより一番「キタ」のは、語りの部分。「この耐え難い悪は、なぜここにあるのか?何が原因なのか?誰のせいなのか?」誰のせいでもない、という無言の語りが聞こえた。
「正義から悪が生まれ、愛から憎しみが生まれる。それぞれはどこから来たのか?おそらくは同じひとつの心からだ。同じ心の表情の違いだ。」思わず考えさせられる部分だ。この映画を見て「自分は絶対戦争いきたくねぇなぁ」と思わせられたらもうそれだけでこの映画は成功といえるだろう。ただ、この語りのパートは、自分が映画監督なら、もっと違う風にしたのになぁ、と思える部分でもある。どういう風にしたいかを説明すると長いので割愛。
ストーリー面は印象に残るもんは無いけど、それでも心に強く残った良作映画のひとつ。ストーリーは、よく言えば詩的で散文的、悪く言えばまとまり無さすぎ。わざとなんだろうけど、あえて主人公格の人間を作らずに感情移入を避けているのは、おそらくほとんどの人にとって「つまらない」と感じさせる原因になったんじゃないだろうか。俺みたいに外人の名前と顔がなかなか覚えられない人間にとっては、その辺はもうマイナス要因でしかない。ヘルメットかぶられたらもう誰が誰かわからん。「主人公がいて、起があって、承があって、転があって、結があって」というオーソドックスなドラマ映画を見慣れている人間にとっては苦痛だろうな、この映画は。狭い座席の映画館じゃぜったいに俺は最後まで我慢してみれん。
・・・とここまで悪いところを列挙しておきながら、それでも心に残った映画と思えるのは、上記の点を補って余りあるモノがあるからである。その映像表現が「こんなの今までに見たことが無い!」ってくらい印象的だったからだ。
人間と自然の対比描写が斬新。
悲哀と残酷をあらわす死体の山が野犬にとってはエサでしかなかったり
敵に回りこまれて焦ってる人間の横には、それにはまったく興味ない野生動物がいたり。
ある兵士が死ぬ瞬間を、表情ではなく、その兵士が最後に見た木漏れ日を映すことで表現したり。
人間にとってはまさしく地獄としか言いようの無い苦しみとと、それにはまるで無関心な自然との対比が、むしろ戦争の惨さを表現している。
あとBGMがよかった。ここ一番というド迫力な戦闘シーンで、空虚感漂う寂しくも静かなBGM。やられた。「さぁここで泣いてください!」といわんばかりに演出過剰なBGM鳴らす映画とは全然ちがうなこの辺。
なによりそれより一番「キタ」のは、語りの部分。「この耐え難い悪は、なぜここにあるのか?何が原因なのか?誰のせいなのか?」誰のせいでもない、という無言の語りが聞こえた。
「正義から悪が生まれ、愛から憎しみが生まれる。それぞれはどこから来たのか?おそらくは同じひとつの心からだ。同じ心の表情の違いだ。」思わず考えさせられる部分だ。この映画を見て「自分は絶対戦争いきたくねぇなぁ」と思わせられたらもうそれだけでこの映画は成功といえるだろう。ただ、この語りのパートは、自分が映画監督なら、もっと違う風にしたのになぁ、と思える部分でもある。どういう風にしたいかを説明すると長いので割愛。