
エディアカラ生物群に近い生き物として写真のウミエラが挙げられる。このウミエラをエディアカラ生物群の生き残りではないかと考える研究者もいる。
ウミエラの体には骨が無いので、このうちわのような形をどのように保っているのか分析された。結果、体内から大量のコラーゲンというたんぱく質が発見された。
コラーゲンは水に溶けない繊維状のたんぱく質だ。ウミエラはこの繊維を体中の張り巡らせて体を支えているのだ。ちょうど、乾燥したヘチマの表面や内側に細胞が入り込んで成長するような感じである。
しかしこのコラーゲンという物質、単なる細胞の足場ではない。東京大学の今村保忠博士は、コラーゲンは細胞と接触することで細胞とのあいだで様々な相互作用をし、増殖を促したりと未知の働きがある不思議な物質である、と説明する。
じつは、ウミエラに限らず、クラゲから私たち人間まで、地球上の動物はすべて、このコラーゲンをもつことで大きな体を支えていることが分かってきている。
コラーゲンを使った大型化、その始まりこそがエディアカラ生物群だったと言えるのだ。
※参考文献
NHK地球大進化プロジェクト・地球大進化・日本放送出版協会・2004