噴火の規模はもっと巨大だった
2002年6月、サイエンス誌に掲載された一つの論文が世界中の大量絶滅研究者たちの度肝を抜いた。シベリア洪水玄武岩の広がりが、それまで考えられていた面積の2倍以上に達することが証明されたのである。
2倍以上ともなると、オーストラリア大陸の面積の半分を上回ることになる。巨大噴火の痕跡の残り半分いったいどこに隠されていたのか。
きっかけはロシアの石油会社が長年行っていたボーリング調査であった。西シベリア低地のボーリング調査の際、石油の層の下に2キロ余りにのぼる分厚い岩盤も一緒に発掘されてたのである。イギリスとロシアの共同研究チームによる調査の結果、中央シベリア高原の玄武岩と組成や、作られた年代が同じであることが分かったのだ。
さらに詳しく調査が進むにつれて、※写真内の点線に示されるようなシベリア洪水玄武岩の広がりの全容が明らかになったのである
2億5000万年前の巨大噴火で噴出した溶岩の推定量は、これまでの予想を2~3倍上回ることになった。
※画像出典
http://www.solcomhouse.com/siberiantraps.htm
※参考文献
NHK地球大進化プロジェクト・地球大進化・日本放送出版協会・2004
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