ハネっちのミリブロ?

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HFC134aと152aガスの比較

2023-02-02 14:50:20 | 実験&考察(エアガン)

私が初めてガスガンを買った頃のガスと言えばフロン12(CFC12)、それがオゾン層に穴を開けるとか言われ始めて登場したのがHFC134a(以下、134a)で、その134aも今では地球温暖化に影響があるとかで、これからはHFC152a(以下、152a)や色々混ぜたハイブリットガスに順次替わっていくようです。

という訳で今回は ↑ この2種類のガスの性能を比べてみたいと思います。左は「ウッドランドBBガス(フジカンパニー)」、特に拘りはありませんが安いので何となく昔から使ってる134aガスです。そして右が152aガスの「ハイバレットガス(ライラクス)」になります。

黒い缶で何となく凄そうなイメージですが152aは134aよりも少しガス圧が低く、気温25℃時の飽和蒸気圧(気化したガスの圧力)が11%程度低くなるそうです。また冷えやすく連射するとパワーの低下が激しいなど調べた限りではあまり良い印象がありません。

不燃性の134aに対して152aは可燃性、温暖化係数は134aに対して1/10程度と一見すると環境に優しそうですがCO2(炭酸ガス)と比較すると140倍(汗) でもいくら環境優良児でも10倍以上の圧力があるCO2をエアソフトガンに直接充填して使うのは法的にもかなり微妙なので、この辺が代替えガスとしては無難になるのかもしれません。

比較に使ったのはKHC(啓弊社)の「 MOD.92F(M92F MODEL・モデル)」、固定スライドタイプのガスガンです。サイレンサー仕様にしたのを以前に紹介しましたが、あれから普通の銃口っぽいアダプターを作ってみました。もちろんアダプターを変えればサイレンサーも取り付けれます。

買った時からインナーバレルは1cmくらい短くなっていましたし、加えてガスルートを拡大とハンマースプリングのテンションも変えて(弱めて)ありますのでノーマルとは全く違った特性になっていると思われます。

↑ では室温の22℃から始めます。画像の左が152a、右は134aです。マガジンの表面温度を非接触型の温度計で確認してから0.25g弾を使ってそれぞれの初弾を計測しました。

HFC152a 0.81J  HFC134a 0.76J

あれ?なぜか152aの方がパワーありますね~、ガス圧は134aの方が高いはずなのでちょっと意外です。パワー差は6.5%になりました。

↑ 続いて30℃までマガジンを温めて測定します。ヒートガンを使って加熱してから同条件で計測しました。

HFC152a 0.91J  HFC134a 0.86J

ガスの違いによるパワー差は5.8%と22℃時と同程度、上昇率も152aが12.3%で134aは13.1%でした。

↑ 35℃時の計測結果、計測方法は同じです。

HFC152a 0.94J  HFC134a 0.84J

ガスの違いによるパワー差は11.9%、温度による比較(22℃時)は152aが16.0%で134aは10.5%の上昇、134aは30℃での計測時よりもややパワーが下がっています。

↑ 40℃での計測結果、こちらも計測方法は同じです。

HFC152a 0.88J  HFC134a 0.82J

ガスの違いによるパワー差は7.3%、温度による比較(22℃時)は152aが8.6%で134aは7.8%の上昇、30℃時に見られたパワーダウンが152aでも発生しました。

最後は連射による冷えの影響を見てみます。0.25g弾を使ってマガジン温度30℃で0.5秒程度の間隔をおいて4発続けて発射してみました。(ジュール表示が出ないので弾速で見ていきます)

最高値 82.1m/s(0.84J)  最低値 80.87m/s(0.81J)

まずは134aからです。最高値の3発目と最低値の2発目の差は1.6%、冷えによる弾速のばらつきは特に確認できません。予想はしていましたがガス消費量の少ない固定スライドガスガンは電動ガン並みに安定した弾速のようです。

そしてHFC152aでの結果は・・・こちらもそこまでの変化はないようです。

最高値 85.79m/s(0.91J)  最低値 84.64m/s(0.89J)

最高値の1発目と最低値の3発目の落差は1.3%でむしろ134aより少な目、1~3発目は徐々に低下しているので冷えの影響が出ているとも言えますが、4発目ではまた高い数値が計測されており誤差の範囲内とも言えます。

 

総評

単純なガス圧だけであれば134aに対して11%低くなる152aですが、実際には最大値で12%も高いパワーを発生させていることが分かりました。152aのパワーが高いのはガス圧が低いことでバルブ開度が大きくなり圧力低下を補う以上の流量でガスが放出されたのが原因ではないかと思われます。また134aのパワーが温度の変化に対して安定していたのも高温時に圧力が高くなりすぎてバルブの開度が制限されてしまったことが原因です。

連射テストで冷えによる影響を明確に確認できなかったのは、テストに使用したのが燃費の良い固定スライドガスガンだったからであり、遥かに多くの(一般に5~7倍程度)ガスを消費するガスブローバックを使えばまた違いが出るのかもしれません。

もっと寒い時のデータも計測したら良いのかもしれませんが、冬の屋外などでは僅かな性能差を気にするよりも銃やマガジンを温めながら使った方が手っ取り早いですし、常温では152aガスもとりあえずは使えそうなのでひとまずこのテストは終了します。

 

以上、HFC134aと152aガスの比較テストの様子をお伝えしました。

 



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