ハネっちのミリブロ?

エアガンはyahooオークションでもyukichi10500のIDで出品していますので併せてご覧頂ければ幸いです。

HOPの原理

2021-10-16 19:43:41 | 実験&考察(エアガン)

「HOPUP(ホップアップ)」とはBB弾にバックスピンをかける機構の通称、これが入ったエアガン(エアソフトガン)は入ってないものに対して2~3倍ぐらい飛距離が伸びる便利なシステムですが、今回はどうしてHOPをかけるとBB弾の飛距離が伸びるのかを説明してみたいと思います。

↑ まずは一般的なHOPの仕組みを見てみます。丸いのがBB弾で灰色の部品がチャンバーパッキン、射出力で前進するBB弾はパッキンの突起部分を通過する際の抵抗や摩擦で矢印の方向に回転(バックスピン)しながら発射されることになります。システムなんて大げさに言いながらも原理は簡単ですね~

↑ 回転しながら飛ぶBB弾は周囲の空気をかき回して渦を作りそれが気圧の差を作ります。そして気圧が下がる上方に向かって吸い上げらる力(揚力)が発生することになります。でも弾をフワフワ浮かせるのと飛距離にいったいどんな関係があるのでしょうか。

 

ところで弾速計に出てくる「m/s」の意味をご存知ですか?これは平たく言えば弾の”勢い”を示したもので、この場合は90m飛ぶのではなく「1秒間に90m飛ぶ勢いがある」という意味になります。

「勢いがあるのなら、実際に飛ぶんじゃないの?」

それが飛ばないんですよ

HOPがない(HOPを切った)エアガンの飛距離は大体20mぐらいでしょうか、角度をつけて撃てばもう少し伸びますがそれでも90mなんて絶対に無理です、でもなぜこんな現象が起きるのでしょうか。

↑ BB弾を指でつまんで地面に立っている様子を想像してみて下さい。その指を離すとどうなりますか?そのまま地面に落ちますよね、それを示したのが右端の「弾道0」です。

これに射出力が加わるとBB弾の落下地点はさっきよりも左にそれます、HOPがないエアガンから発射されたBBの弾道(弾道1)はこの状態です。そして「弾道1」が「弾道2」になれば飛距離は伸びた事になります。

では具体的に飛距離を伸ばすにはどうすれば良いのでしょうか、これには2つの方法があります。

1,弾の移動速度を上げる

いわゆるパワーアップです。弾速を上げることでBB弾が地面に接地するまでに移動距離を稼ぎますが、BB弾が接地するまでの時間は手から落としたのと同じです。

2,弾の落下速度を緩める

時速60kmの自動車で1時間走ると移動距離は60kmですが2時間だと120km、3時間だと180km・・速速が同じでも時間をかければ移動距離も伸びます、そしてHOPもこれと同じ原理で飛距離を伸ばしているのです。

地球上で発射されたBB弾には射出力の他に「重力」が働いています。だからHOPなしのエアガンは銃の高さからBB弾を落としたのと同じ時間しか弾が飛ぶ時間は稼げません。その時間はおおよそ1/4秒程度でしょうか、だとすれば銃口初速が90m/sの銃は22.5mしか移動できないことになります。

でも前述した「揚力」はこの「重力」とは相反する力、だからBB弾にHOPで揚力を発生させてやると落下までの時間を伸ばすことができるのです。HOPなしのエアガンに対して仮に3倍の時間が稼げれば67.5m、5倍だとなんと112.5mの飛距離が・・・、いやいくら何でもそこまでは飛ばないか(笑) 

 

バックスピンによる揚力でBB弾の滞空時間を伸ばして飛距離を稼ぐ、つまりはこれがHOPUPシステムの原理なのです。

 

 


VFC VR16 Stinger2 PDW パワーカスタムΔ 

2021-10-02 14:44:43 | 海外製STD電動ガン(エアガン)

VFC VR16 Stinger2 PDW パワーカスタムΔ(デルタ)制作記のラストは完成後のスペックをご紹介したいと思います。

パワーカスタムΔは0.32~0.36g弾の使用を前提とした私の電動ガン向けセッティングメニューです。負荷の高くなる流速チューン・カスタムながら加速シリンダーを使うことで低負荷と高効率化を図り、消耗の激しいハイスペックモーターや高電圧バッテリーを使うことなく最強スペックを楽しむことができるので、今回のような小型バッテリーを搭載するモデルにも対応ができます。

 

ではノーマル時のスペックから見ていきます。0.2g弾HOP適正時で0.58J(画像左)はこのサイズの電動ガンとしては標準的なパワー、そして0.32g弾HOP適正時で0.4J(画像右)まで低下するのも一般的な特性といった感じです。弾道も悪くはありませんが全体に頼りない印象が拭えません。

 

次はパワーカスタムΔのスペック、0.2g弾ゼロHOP時の0.69Jが0.32g弾HOP適正時には一気に0.92Jにまで上昇します。さらに重量弾は空気抵抗による弾速の低下を低く抑えることができますので、軽量弾に対して距離を開けるほどにパワーの差が大きくなります。つまりこの2段構えのパワーアップが性能を大きく向上させるのです。

更にHOPを増したり重い弾を使ったら、逆にHOPを弱めたり軽い弾を使えばオーバーパワーになるのでは?

確かに一般的なセッティングであればそんなこともあるかもしれません。でも私のカスタムガンは使う弾の重さに合わせたセッティングを行いますので、最大パワーを適正HOP時に発生させてレギュレーションも安全にクリアします。

 

続いて発射音の計測です。画像の上段がノーマル、中段がパワーカスタムΔ、下段はサイレンサーを装着したパワーカスタムΔです。ショートバレルにアルミレシーバーが組み合わされたStinger2 PDWは元々があまり静かな銃とは言えませんが、ノーマル同等の発射音(102㏈)が維持されているのがお分かりいただけるでしょうか。

一般に流速カスタムは発射音が大きくなるのが通例ですが、私のパワーカスタムは静音にも配慮した仕様になっていますのでパワーを大きく上げながらも発射音はノーマル同等、サイレンサーを装着すればさらに抑えることもできます。(銃口から直角に50cm程度離れて計測しています)

 

全長467mm(ストック収納時、サイレンサーは除く)のコンパクトな外観はそのままに高スペックを組み込んだVFC VR16 Stinger2 PDW パワーカスタムΔ、プリンキングに害獣害鳥の撃退、レギュレーションがあえばサバイバルゲームにも?施工ご依頼者様の最高のパートナーになれれば幸いです。

 

最後の画像に変なのが写ってますが気にしないで下さい(笑)