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ハネっちのミリブロ?

エアガンはyahooオークションでもyukichi10500のIDで出品していますので併せてご覧頂ければ幸いです。

マルシン ワルサーP88 パワーカスタム

2022-05-07 19:07:40 | フィクスド・固定スライドガスガン

マルシン(レプリカ)の固定スライドガスガン P88へのカスタム施工の様子をお伝えしています。

前回までの加工でようやくまっとうな性能を発揮できるようになったこのP88ですが、このままだとただのビンテージエアガン(エアソフトガン)のレビューになってしまいますので、私らしく?パワー系のチューニングを施して極悪仕様のP88にしてみたいと思います。

という訳で最初の加工はガスルートの研磨です。段差をなだらかにしたり細くなっている場所を削って広げることでガスの流れがスムーズになります。

ノズル径の拡大も行いました。増えたガス流量に合わせて面積を拡大すれば相乗効果でパワー効率は一気に上がります。

固定スライドガスガンでは必修のハンマースプリング強化も忘れてはいません。と言っても「○○○%強化スプリング」なんてパーツを組み込んでしまうとせっかくのトリガーフィーリングが台無しになってしまいますので、今回は亜鉛のハンマーに真鍮製のカラーを組み込むことで摩擦力を軽減してみました。

既に前回のシアー調整で十分な打撃力は確保していますし、スプリングだけ強くしても夏に規制値をオーバーする可能性がありますのでホドホドで止めておきます。

絶対に外せないのがバレルの交換です。このP88は旧レプリカ時代の製品なのでバレル内径がかなり広く(6.20mmぐらい)現行の6mmBB弾よりも少し大きいマルシンSM弾に合わせた仕様にもなっていますのでパワー効率が非常に悪く時々給弾不良(2発同時発射)が発生してしまうどうしようもないシロモノ、なのでこれは換えないとお話になりません(汗)

例によって「P88用カスタムバレル」なんてものはありませんので専用品を作りました。電動ガン用のバレル(6.03mm)をベースにサイズを合わせるのですが切り込みの位置も変更して現行BB弾が使えるように修正しました。またチャンバー部分の厚みを増やして気密性能も向上させています。

最後の仕上げはHOPの組み込みです。ニトリル製ゴムシートを加工してパッキンにした固定仕様で弾が銃口から落ちる”弾ポロ”もなくなります。0.28g弾で適正HOPとなります。

イモネジを追加すれば可変仕様にもなるのですがハンドガンの限られたスペースではあまり高性能なものが組めませんので気密や弾道の安定性を重視した仕様にしています。 あと作るのも楽ですし・・

左:ノーマル 右:パワーカスタム

完成したP88パワーカスタムのスペックはこちらです。ノーマル比1100%以上のパワーで10禁から一気に最強モデルへと変貌してしまいました。

マンターゲットへの有効射程はハンドガンですので30m程度といったところですが飛んでいくだけで良ければ重量弾によるハイパワーな特性で最大飛距離は約90mと長物クラスの実射性能を持っています。

この辺のスペックは「流速カスタム」と原理的には同じで、実は今回のP88のようなガス流量を増やした固定スライドガスガンの特性を電動ガンやエアコッキングガンにも応用したのがこのチューニングの原点だったりもするのです。

 

30年の歳月を経て甦ったP88は、軽快なスライド作動音の代わりにヒットされたゲーマーのうめき声がフィールドに響く”割りばしマガジン最強”のガスハンドガンに生まれ変わりました。たぶんこれを持ってる私が弾切れになっても、うかつに近づける敵はいないと思います(笑)

 


Tokina 24mm F28

2022-04-02 15:12:25 | レンズ

今回はいつもの映画ブログをお休みして私が集めてるカメラのレンズを分解掃除してみたいと思います。

 
記念すべき?第一弾は「Tokina 24mm F2.8」、フィルムカメラ時代の古~いレンズでヤフオクでポチリました
 
絞り羽が開いたまま動かない”難あり品”、ジャンクってやつです(;^ω^)
 
まずは銘板を半時計回りに緩めます・・と、前の持ち主も分解してたみたいでココは最初からユルユルでした
 
銘板を外したら前のレンズユニットがごっそりとれます
 
中のレンズをぺったん棒で引っ張り出してさらに奥に進みます
 
これが前ユニットのレンズと
 
後ろユニットのレンズ(^_^)/
 
出品者の説明は「申し分ないレンズですっ」なんだけど、それホドでもないかも( ̄▽ ̄;)
 
でもま~軽くアルコールで拭くとキレイになったからヨカッタっす✌
 
次は後ろのマウントを外します(`・ω・´)
 
と、ここで問題発生、ネジがガッチガチで全然開きませんっΣ( ̄ロ ̄lll)
あとよーくみると前の持ち主が苦労したみたいで潰れかけのネジとスレ傷が・・(^_^;)
 
こんな時はこいつの出番(`・ω・´)、ネジを加熱してするとなんとなーく緩んできました(^^)/
 
で、いよいよビックボスの登場、固着した絞り羽に到着です。とりあえずピンセットでこじると動かなかった絞り羽は動くみたいですがグリスっぽいのが付いてます。たぶん可動部に塗られてたグリスが染み出て絞り羽についてしまったのが固着の原因みたいです(-ω-)/
 
羽についたグリスを取るのにパーツクリーナーをブッシュ~っとかけてから( ゚∀゚)
 
地味~に拭き上げる・・を、何回も繰り返して( ̄- ̄)
 
直りましたっヾ(o´∀`o)ノ
 
あとはレンズの向きを間違わないよーに組み戻せば出来上がりです(^◇^)
 
試し撮りもばっちり、キレイに撮れます(≧∇≦) 
 
という感じで「Tokina 24mm F28 」の分解修理をお伝えしてみました<(_ _)>

S&T M933 パワーカスタム流速

2022-03-13 14:05:35 | 海外製STD電動ガン(エアガン)

S&T M933 M4スポーツラインをベースにしたカスタムガンのレビューです。

「スポーツライン」とは海外製エアガンで樹脂製のエアガンによく付けられる名称、金属製の製品に対して軽くサバイバルゲームでも振り回しやすいことがメリットとして紹介されています。

樹脂製といってもアウターバレルやバレル基部、メカボックスなどは金属でできているのでマルイのスタンダード電動ガンぐらいは剛性もあるようです。ナイロンファイバーそのままの仕上げはいかにも質実剛健といった感じですが、テカテカしておもちゃっぽい訳でもなく、塗装がゲームでボロボロになることを考えるとこれはこれでアリじゃないかという気もします。

刻印というかプリントはこのモデルのオリジナル、商標にお金をかけないのは無駄のないスポーツラインらしい選択ですがマウントベースまで樹脂製なので光学サイトを乗せるのであれば軽量なものを ↑ この辺(強度が一番高いです)に装着することをお勧めします。マガジンは画像のLONEX製の他にもマルイ等色々なマガジンと互換性があります。

HOPの調整はチャージングハンドルの操作でダミーボルトを後退させてから行います(調整が済んだら指で戻して下さい)。ノッチの付いたレバーを操作して調整するのはVSR-10に近い感覚で好印象ですが肝心の弾道は・・・(汗) まあこの辺は調整する楽しみということにしておきます。 

マズルハイダーはメタル製で14mm正ネジ規格、電子トリガータイプは逆14mmに改められてはいますがコストダウンで素材が樹脂にランクダウンされているようです。

ノーマル時のスペックはこんな感じです。0.20g弾ゼロHOP時で0.82Jはマルイ次世代クラスのパワーが出ています。「ゲームにも十分使える」と評価する人が多いのも納得なんですが、重量弾を使うとハンドガン並みのパワーしか出ないのはちょっと物足りません。

という訳でカスタム施工後のスペックがこちらです。0.20g弾ゼロHOP時は少し下がって0.77Jですが、0.28g弾HOP適正時にはノーマルの2倍近い0.85J、次世代電動ガンでもここまでのスペックはありません。飛距離や命中精度もトップクラスで、海外製電動ガンにありがちなギアノイズを調整したことでフルオートサイクルも向上しています。

発射音はこんな感じです。ノーマル時の95㏈はこのサイズの電動ガンでは一般的なものですが、バレルを短くしてメインスプリングの強度も上げたはずの「パワーカスタム流速」を施工した状態では逆に一回り小さくなって93㏈、さらにサイレンサーを装着すると92㏈、うるさくしないのが私のカスタムガンのモットーです。 *銃口から約50cm離れた屋内で計測しています。

軽くて扱いやすい上に重量弾をバシバシ撃てる「S&T M933パワーカスタム流速」は、”しょぼいスポーツライン”なんてナメてくる奴らを皆殺しにするために生まれたゲームウェポンなのです(笑)

以上、S&T M933パワーカスタム流速のレビューをお伝えしました。

 

 


S&T M4 BABY SBC パワーカスタムβ(ベータ)

2022-03-01 20:21:41 | 海外製STD電動ガン(エアガン)

S&T M4 BABY SBCをベースにしたカスタム電動ガンのレビューです。

S&Tのエアガン(エアソフトガン)を一言で表すと「質実剛健」、多少荒い造りの部分もありますがマルイ製で強度が問題になるような部分が最初から補強されているのでとにかく丈夫な造りになっています。その荒い部分が性能を落としているのも否めませんが、逆に言えばその辺を詰めてあげると性能もグッと良くなるのです。

ノーマル時の性能は標準的なスタンダード電動ガンといった感じで飛距離と精度はまあまあ、特に悪いって程ではありませんがそれ以上でもありません。あとギアノイズもちょっと気になるかな・・・その辺をカスタムして”使える赤ちゃん”に育ててみました。

 

パワーカスタムβ施工後の性能はこんな感じです。パワーカスタムβは0.28g~0.30g弾の使用を想定した私の電動ガン用セッティングメニューですが、重量弾を使うことによって空気抵抗によるパワーの減衰を低く抑え風の影響にも強いことで屋外での命中精度の向上も高めます。

0.28g弾HOP適正時で0.85J程度のピークパワーを発生させることができますがこれはHOPでパワーを抑えこんでいる訳ではないので弱めてもパワーが上がることはありません(ゼロHOP時で0.73J)、一般的なセッティングとは異なるパワー特性になるのが流速カスタムの特徴の一つです。

 

ノーマル時もそうなんですが発射音は搭載されているハイダーがラッパ状になっているので大きめです(105㏈)、そのため音が気になる方はサイレンサーの仕様をお勧めします。M14逆ネジ規格のサイレンサーを装着すれば-13㏈の減音効果を確認できました。

 

マガジンはマルイスタンダード電動ガンのM4と互換性があります。標準装備のマガジンは300連タイプとなります。

 

チャージングハンドルを引くとダミーボルトの奥からHOP機構がのぞけるのはマルイM4と同じです。

 

バッテリーはストック底部のふたを開けて交換します。ミニSタイプが指定になっていますがスペース的には余裕がありますので多少大きなサイズのバッテリーでも収納できるのかもしれません。

 

商品には含まれませんがサイレンサーとサイトを装着したBABYSBCです。固定ストックのガッチリした剛性感は収縮式にはない安定感があり、カスタムの施工で高まった実射性能を妥協なく発揮できます。作動ノイズも小さくなってサイレンサーを使っても違和感のない発射音に、”山椒は小粒でピリリと辛い” S&T M4 BABY SBCはそんな表現がぴったりのカスタム電動ガンに生まれ変わったのでした。

以上、S&T M4 BABY SBC パワーカスタムβのレビューをお伝えしました。

 


パワー特性

2022-02-16 03:37:27 | 実験&考察(エアガン)

今回は流速カスタムのパワー特性についてのお話です。

カッコいい外観に左右調整ができる凝ったHOPシステムで海外製モデルにしては珍しく?命中精度も悪くないこのS&T M40A5、でも即サバイバルゲームに投入とはならなずに私の所に舞い込んでくるのには理由があります。

 

それは絶対的なアドバンテージ(優位性)に欠ける性能、0.20g弾ゼロHOP時に0.89J(画像左)あったパワーは0.28g弾HOP適正時で約20%(画像中)、0.30gでは半分程度(画像右)とどんどん下がってしまいます。勿論これはM40A5がまだ普通のエアガン(エアソフトガン)だからなのですが、これでは単発ボルトアクションのM40A5がフルオートの電動ガンに太刀打ちできる筈がありません。

 

そこで登場するのが流速カスタムです。私の「カスタム流速サイレント」をコッキング式のエアガンに施工すれば電動ガンの弾幕を超える遠距離からのスナイピングも可能で、弾数で勝負してくる敵に対しても質で対抗できるアドバンテージが生まれます。*画像中の発射音は銃口から直角に50cm離れた屋内で計測しています。

 

ただこの流速カスタムのパワー調整は注意が必要なのかもしれません。普通のエアガンのように漫然と合わせると実はオーバーパワーだったなんてこともあり得るのがこのセッティングの特性でもあるのです。

例えば今回のM40A5は前項画像のとおり0.28~0.30g弾HOP適正時に0.9J程度のパワーを発生させることができますが、これよりも軽い弾ではそのスペックを十分生かすことができません。

0.20g弾をゼロHOPで発射すると75%(画像左)HOPを作動させても85%(画像右)程度で、だから「ゼロHOPで98m/s」や「0.2g弾で0.96Jまで」なんてゲームレギュレーションにギリギリで合わせてしまうとピーク時で1.1~1.3Jものパワーを発生させることになってしまいます。

 

そのためこの特性を使ってパワーチェックをすり抜ける輩(やから)から知らずに作ってしまうヘボチューナーまで、この辺のルールが理解できないルーズな人たちの周りでは事件や事故が起こる可能性が常にあるのです。

「どんな弾の重さやHOPの位置でもパワーレギュレーションをクリアできる」のが正しい流速カスタムの最低条件、そして性能の良い流速カスタムであれば軽い0.2g弾なんか使う気にもならないハズなんですが・・・

 

以上、流速カスタムのパワー特性についてのお話でした。

 


爆音と静音

2022-01-17 17:59:32 | 実験&考察(エアガン)

エアガン(エアソフトガン)の飛距離を伸ばすのに欠かせない流速カスタム・チューン、失速せずに遠くまでスーッと飛んでいくあの重量弾を使った遠距離射撃を味わうともうノーマルには戻れません。そんな流速カスタムの発射音は大きい程に高性能なんて言う人もいますが実際のところどうなんでしょうか、今回はその辺のお話しです。

↑ 普通のエアガン(エアソフトガン)のセッティングを一言で表すと「高効率」、長いバレルに加速しやすい軽い弾を組み合わせることで圧縮するエアーが低圧でも十分なパワーを発生さることができます。パーツの強度や気密性能も程々でよく大量生産に向くこのセッティングは発射音も静かです。

 

 

↑ それに対して流速カスタムは短いバレルに実射性能を高めるために重量弾を組み合わせるのが基本で、バレル内の圧力を高めるためにシリンダー容量を増やして強いスプリングを使うのでノーマルセッティングより発射音は大きくなってしまいます。

 

画像左:ノーマル   画像右:パワーカスタムγ施工後 

↑ ただ発射音がこの内圧差だけで大きくなる訳でもありません。例えばマルイM4SOPMODをベースにした私の「パワーカスタムγ」の場合、空気抵抗や風の影響に強い0.30~0.33g弾を使ってHOP適正時に0.92Jの最大パワーを発生させることができますが、ノーマルの発射音97.7㏈に対して98.1㏈と殆ど変化がありません。

「爆音」と言われる大きな発射音を伴う流速カスタムと同等以上の性能なのに発射音圧を抑えれる仕様が存在するのは一体なぜでしょうか? *音圧は銃口から直角に約50cm離れた屋内で計測しています。

↑ 前述したとおり流速カスタムでは重量弾を発射しますが、そのためにはノーマルよりも強い力=「高圧」を必要とします。しかしノーマルの気密強度のままでこれをやると大量のエア漏れが発生してしまいシリンダー容量は必要以上に確保しなければなりません。

そんなセッティングで高圧のエアーを発生させるためにはモーターが止まってしまうような高レートのメインスプリングを使ってピストンの前進スピードを恐ろしい程に加速させることになります。

そうです、あの強烈な発射音の大部分はピストンがシリンダーヘッドやメカボックスに激しく衝突している音なのです(汗) つまり高性能だからではなく無駄が多すぎるから発射音は大きくなっていただけで、きちんと作れば流速カスタムでも発射音はそこまで大きくはならないのです。

 

画像左:気密カラー   画像右:コンプレッション(加圧)テスト

↑爆音チューンは難易度の低い工法なので手軽にその効果を楽しめるのですが性能的には無駄の多いセッティング、対して気密性能を高めた高効率な流速カスタムはその分ワンランク上の性能を手に入れることができます。 大量生産されたノーマルやバイトのお兄ちゃんをこき使って作るショップカスタムにはない特別な一丁を作るには手間を惜しんではいけないのでした(笑)

以上、流速カスタムの発射音についてのお話でした。


マルイ M4パトリオット パワーカスタムα

2022-01-03 03:10:16 | ハイサイクル電動ガン(エアガン)

東京マルイ  M4パトリオットHCをベースにしたカスタム電動ガンのレビューです。

ハイサイクル電動ガンをベースに流速チューン・カスタムを行うには十分な耐久性を確保するのが重要、なぜなら流速化で増える負荷に加えて連射速度が通常サイクルの1.5~2倍程度のハイサイクル電動ガンではその負荷も飛躍的に高まってしまうからです。そんな過酷な条件でのセッティングを可能にしたM4パトリオットHC パワーカスタムαは、ギアとピストンをちょっといじっただけのエセ流速ハイサイクルカスタムには真似のできない高い実射性能と耐久性を両立できるカスタム電動ガンです。

 

画像左:0.20g弾ゼロHOP 中:0.25g弾HOP適正 右:0.28g弾HOP適正

という訳でまずはノーマルスペックから見ていきたいと思います。0.20g弾でそこそこあるパワーがHOPと重量弾の使用で徐々に低下していくのがお分かり頂けるでしょうか。発射サイクルはリチウムポリマー7.4v/2000mAhバッテリー使用時に24.5発秒、公称値に少し足りませんがバッテリーを新しくすればもう少し上がるのかもしれません。

 

画像左:0.20g弾ゼロHOP 中:0.25g弾HOP適正 右:0.28g弾HOP適正

こちらはパワーカスタムαでの計測結果、0.20g弾ゼロHOP時よりも0.25g弾や0.28g弾でのHOP適正時の方がパワーが増しているのが分かります。また発射サイクルの低下を最小限に抑えることができるのは加速シリンダーを使った流速化やギアセッティングの効率化などの技術を積み上げた効果で、ニッケル水素バッテリーでの運用も可能になっています。

 

そして流速カスタムと言えば気になるのが発射音、特に今回のパトリオットのようなショートモデルをベースにした場合には大きくなりがちですが、画像左のノーマル96.4㏈に対して消音対策も施したパワーカスタムα(画像中)では95.6㏈と音圧は-0.8㏈の低下を確認できました。更にサイレンサーを装着した状態での画像右89.3㏈は下手な消音カスタムと比較しても引けを取らない数値です。*計測は銃口から直角に50cm程度離れた屋内で行いました。

 

ノーマルのハイサイクル連射はそのままに重量弾を使った遠距離&静音射撃が可能なM4パトリオット パワーカスタムα、遠くから飛んでくるBB弾シャワーに敵ゲーマーも苦戦することになるかもしれません。

以上、マルイM4パトリオット パワーカスタムαのレビューをお伝えしました。


カスタムバレルって

2021-12-01 16:05:39 | 実験&考察(エアガン)

エアガンに使われているインナーバレルについてのお話です。

まずインナーバレルとは銃身のこと6mmBB弾で規格がほぼ統一されているエアソフトガン(以下エアガン)には ↑ こんな感じの部品が入っており純正品の他にもパーツメーカーからも色々な商品が販売されています。

前回ご紹介したマルイM4 SOPMOD FIRSTカスタムにもこんなのが入っていました。真鍮製の純正バレルをへし折っているこのステンレス製カスタムバレルの売りはとにかく「頑丈」なことみたいです。

 

ただノーマルバレルが破損したなんて話は聞いた事がありませんのでアルミ製でも強度自体は十分、軽さを補うパーツも色々ありますのでワザワザ交換しなくてもいいような気もしますが、乱暴に扱う人にはそのぐらいの強度が必要なのかもしれません(汗)

 

このカスタムバレルは俗にいうタイト系バレルで純正6.08mmに対して6.03mmの内径で作られているようです。ただ大昔のプラ製バレルならともかく今の純正バレルを交換しても性能はそこまで変化しません。数値にして3~5%といったところでしょうか。それよりも内径が細くなる事でバレルの内壁にBB弾が当たりやすくなって命中精度が悪くなる弊害が問題になります。

ちなみにこのカスタムバレルは実際には6.01mmぐらいの超タイトバレルのようで、6.00mmの硬質ベアリングボールをそっとバレル内に入れてみると画像右の6.08mm純正バレルではコロリとすべり落ちるのに対して真ん中ぐらいで停弾してしまいます(画像左)試射でも一回りぐらいノーマルSOPMODより散るような印象でした。

 

古い話で恐縮ですが1988年にMGCからS&W M645というフィクスドガスガンが発売されたのをご存知でしょうか。搭載されていたサイクロンバレルはライフリングが刻まれた特殊なバレルで「バレル内に発生したエアーの渦でBB弾を回転させて命中精度を向上させる」ことを売りにしていましたが、実際にはBB弾は回転しておらずこの一流メーカーの大ウソで業界は大騒ぎになります。

雑誌でも取り上げられたこの問題は「回転はしなくても、ライフリングのすき間から逃がされたエアーがバレルとBB弾の接触を防ぐことで命中精度は向上している”らしい”」という結論に至り、後に「バレル内の気流が命中精度を向上させる」的な理論に続きます。

そして発生した「タイトバレルとルーズバレルはどっちがいいの」論争?の結果、極端に隙間を減らしてパワー効率を優先するタイトバレルとあえてブカブカで精度を謳うルーズバレル、いったんは否定されたはずのサイクロンバレルも「ツイストバレル」として再登場してたりワケの分からないカスタムバレルが市場に溢れかえりますが、一方でエアガン製造メーカーが採用するバレルは6.05~6.10mm程度の内径で落ち着き技術的には成熟を迎えて現在に至ります。

という訳でせっかく入ってるこの6.03mm(実際には6.01mm)の超タイトバレルも取り外してノーマルの6.08mmバレルで施工させて頂くことになりました。せっかくお金をかけて交換されたご依頼者様には申し訳ないのですが使えないものは使えないのが技術の世界、とどのつまり今のノーマルバレルってよく考えて作られているんです。

 

以上、インナーバレルの内径についてのお話でした。

 


CYMA H&K MP5K パワーカスタムα

2021-11-02 19:36:27 | 海外製STD電動ガン(エアガン)

CYMA CM041Kをベースにしたカスタム電動ガンのレビューです。

海外製エアガンの多くは一般にマルイなどの国産エアガン製のコピー製品が多いのですが中には多少のアレンジが加えられている製品もあります。このCYMA 041Kもそんな製品の一つであり、アッパーレシーバーがメタル製であったり配線の取り回しが改良されていたりとマルイMP5Kとは異なるテイストの製品になっています。

 

ではそのスペックを見ていきたいと思います。ノーマルは0.20g弾ゼロ~適正HOP時のパワーが0.8J程度、マルイ製品であれば次世代電動ガンクラスと同程度になりますので中々にハイパワーなMP5Kと言えます。そして0.28g弾HOP適正時でも0.66Jとノーマルセッティングのモデルとしては上々な実射性能です。飛距離も0.20g弾を使う分には十分出ています。造りは多少荒いですが海外製電動ガンも性能的には侮れませんね~

 

ノーマルも十分に使えるスペックではありますが、それでは私の面目が立ちませんのでパワーカスタムα施工後のスペックも見て下さい(笑) 0.20g弾ゼロHOP時のパワーは同じですがノーマルで0.66Jまで低下していた0.28g弾HOP適正時のパワーは0.84Jとさらに上昇しています。ノーマルに対して空気抵抗や風に強い重量弾の強みが生かせるセッティングになっているのがお分かり頂けるでしょうか。内部機構のフリクションを少なく発射サイクルもやや向上しています。

 

流速チューン・カスタムで気になる発射音はこんな感じです。ノーマル103.2㏈に対して100.6㏈と-2.6㏈の音圧低下が確認できました。今回は発射音が元々大きいモデルへの施工ですが、パワーカスタムαであれば流速=爆音にならないことが確認できました(銃口から約50cm離れた屋内で計測したデータです)

 

軽量なサブウェポンとしてMP5Kを考えるのであれば樹脂製レーシーバーのマルイ製を選ぶべきですが、メタルのずっしり感や安定した射撃性能を求めるのであれば、メインウェポンとしても他のカスタム電動ガンに引けを取らない実射性能を発揮するこのCYMA MP5K パワーカスタムαがお勧めです。


HOPの原理

2021-10-16 19:43:41 | 実験&考察(エアガン)

「HOPUP(ホップアップ)」とはBB弾にバックスピンをかける機構の通称、これが入ったエアガン(エアソフトガン)は入ってないものに対して2~3倍ぐらい飛距離が伸びる便利なシステムですが、今回はどうしてHOPをかけるとBB弾の飛距離が伸びるのかを説明してみたいと思います。

↑ まずは一般的なHOPの仕組みを見てみます。丸いのがBB弾で灰色の部品がチャンバーパッキン、射出力で前進するBB弾はパッキンの突起部分を通過する際の抵抗や摩擦で矢印の方向に回転(バックスピン)しながら発射されることになります。システムなんて大げさに言いながらも原理は簡単ですね~

↑ 回転しながら飛ぶBB弾は周囲の空気をかき回して渦を作りそれが気圧の差を作ります。そして気圧が下がる上方に向かって吸い上げらる力(揚力)が発生することになります。でも弾をフワフワ浮かせるのと飛距離にいったいどんな関係があるのでしょうか。

 

ところで弾速計に出てくる「m/s」の意味をご存知ですか?これは平たく言えば弾の”勢い”を示したもので、この場合は90m飛ぶのではなく「1秒間に90m飛ぶ勢いがある」という意味になります。

「勢いがあるのなら、実際に飛ぶんじゃないの?」

それが飛ばないんですよ

HOPがない(HOPを切った)エアガンの飛距離は大体20mぐらいでしょうか、角度をつけて撃てばもう少し伸びますがそれでも90mなんて絶対に無理です、でもなぜこんな現象が起きるのでしょうか。

↑ BB弾を指でつまんで地面に立っている様子を想像してみて下さい。その指を離すとどうなりますか?そのまま地面に落ちますよね、それを示したのが右端の「弾道0」です。

これに射出力が加わるとBB弾の落下地点はさっきよりも左にそれます、HOPがないエアガンから発射されたBBの弾道(弾道1)はこの状態です。そして「弾道1」が「弾道2」になれば飛距離は伸びた事になります。

では具体的に飛距離を伸ばすにはどうすれば良いのでしょうか、これには2つの方法があります。

1,弾の移動速度を上げる

いわゆるパワーアップです。弾速を上げることでBB弾が地面に接地するまでに移動距離を稼ぎますが、BB弾が接地するまでの時間は手から落としたのと同じです。

2,弾の落下速度を緩める

時速60kmの自動車で1時間走ると移動距離は60kmですが2時間だと120km、3時間だと180km・・速速が同じでも時間をかければ移動距離も伸びます、そしてHOPもこれと同じ原理で飛距離を伸ばしているのです。

地球上で発射されたBB弾には射出力の他に「重力」が働いています。だからHOPなしのエアガンは銃の高さからBB弾を落としたのと同じ時間しか弾が飛ぶ時間は稼げません。その時間はおおよそ1/4秒程度でしょうか、だとすれば銃口初速が90m/sの銃は22.5mしか移動できないことになります。

でも前述した「揚力」はこの「重力」とは相反する力、だからBB弾にHOPで揚力を発生させてやると落下までの時間を伸ばすことができるのです。HOPなしのエアガンに対して仮に3倍の時間が稼げれば67.5m、5倍だとなんと112.5mの飛距離が・・・、いやいくら何でもそこまでは飛ばないか(笑) 

 

バックスピンによる揚力でBB弾の滞空時間を伸ばして飛距離を稼ぐ、つまりはこれがHOPUPシステムの原理なのです。