「甲斐トリビュートLIVE in 名古屋」レポート＜その2＞

●DDボーイズ
　＜淳(ジュン)(Vo&B)、とうこう(G)、カオスくん(G)、akane(B)、靖夜(D&Vo)＞
　曲目：レイン／漂泊者(アウトロー)／かりそめのスウィング

　ボーカルの淳(ジュン)がステージに上がり、カッコつけて、いや、カッコよく「オッケー、ロックンロール」と一言。そして、アレンジを大胆に変えた『レイン』が始まる。僕自身は何度も聴いているので耳に馴染んでいるが、初めて聴いた方々は相当驚いたんじゃないだろうか。オリジナルが持つ壮大さと切なさを残しつつ、輪郭が明確で陽気なアレンジになっているのだ。淳(ジュン)の声にもバッチリ合っている。ツカミはオッケー、だ。それにしても淳(ジュン)のヤツ、マイクさばきが堂に入ってるなぁ。もうちょっとステージが広かったら確実に振り回していただろうね。おっ、間奏でブルースハープを吹いてやがる。くーっ、認めたくはないがカッコいいぜ。
　歌い終えた淳(ジュン)が、ちょっとキザっぽい口調で挨拶。いつもより明らかにキザっぽいが、それがサマになってやがるから憎たらしい。白いシルクのシャツが似合っていて、さらに憎たらしい。それはともかく、メンバー紹介、というかメンバーいじりが少々長い。ギタリストのとうこうのことを「僕を甲斐さんとすると彼は松藤」。ここまでは良い。しかし「本人いわく、松藤というより梅藤。松竹梅の梅ですね」ってのは少々クドい。関係者が一斉に「あんまり長々としゃべるなよ」と眉をひそめた……ような気がする。あと、ベースのakaneのことを「男みたい」と紹介するのは失礼極まりないぞ。10点減点。だが、淳(ジュン)はそんな空気を気にする素振りも見せず「危険な香りのプンプンする歌を」と不敵な笑みを浮かべ、甲斐バンドの代表曲『漂泊者(アウトロー)』を歌い始める。ワイルドっぽく装いながらも丁寧に歌う姿を見て、客席の女性陣の目が一斉にハート型になる。
　このまま淳(ジュン)ワールドが続いたら、ここに集まっている女性全員が淳(ジュン)のトリコになるんじゃないか。「ジュン様～」とか叫び出すんじゃないか。そう思っていたら、次の曲ではドラムスの靖夜(せいや)が歌うとのこと。彼は大阪で[KinPouGe]というバーを経営しており、今日は店のスタッフの真樹という女性と一緒に名古屋まで来ている。さっきのメンバー紹介では、淳(ジュン)が「二人は今日、婚姻届を出したそうです」と言い、客席から拍手が起こった。その時は冗談かと思ってたけど、あとから聞いたらホントのことだった。ああ、驚いた。
　それはともかく、靖夜の『かりそめのスウィング』もお見事。この曲は低音で歌う部分が多いから下手な人が歌えば単調になるだろうけど、その辺は難なくクリアしちゃっている。さすがだ。サビのところは荒々しく歌う。声のかすれ具合がカッコいいねぇ。感心してたら、C-C-Bのドラム＆ボーカル氏っぽいメガネまでカッコよく見えてきた。最初に見た時は「芸人みたい」と思ったのに……おっと、そんなこと書いちゃ怒られるか。ちなみに、数ヶ月前に靖夜と初めて会ったF嬢は、綾小路きみまろに似てると思ったらしい……けど、それはナイショにしとこう。あ、もう書いちゃったか。なお、オリジナルではバイオリンの音色が印象的だったイントロと間奏は、カオスくんがギターで奏でていた。これまたお見事。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜つづく＞

※靖夜さんが経営するバー[KinPouGe]のサイトは、こちらです。ぜひ覗いてみてね。
http://plaza.rakuten.co.jp/KinPouGe/