「甲斐トリビュートLIVE in 名古屋」レポート＜その3＞

●Pockys
　＜marmi(Vo)、さっちゃん(Vo)、淳子(Vo)、とうこう(G)、カオスくん(G)、淳(B)、靖夜(D)＞
　曲目：グッドナイト・ドール／花・太陽・雨／七月の便り

　DDボーイズのメンバーがステージに残ったまま、「ポッキーガールズ」の3人を招き入れる。ポッキーガールズの正体はライブ当日まで極秘事項とされていたが、この時ついに白日の下に、ではなくライブハウスの照明の下に晒されたのだ。そう、marmi、さっちゃん、淳子という素敵な関西女性トリオだったのである。で、バックバンドも含めたグループ名がポッキーズ。コテコテの……いや、絶妙のネーミングである。
　彼女たちが登場するまで僕はステージ脇のスピーカーの前にいたのだが、ここで最前列の中央へと移動する。実は事前に彼女たちから「振り付けで視線が泳がないように、トッパさんには前列中央付近にいてほしい」とお願いされていたのだ。仮にも主催者側である僕が前の方にいたらヒンシュクものだよなぁ、と思っていたが、この時点では幸いにも最前列が空いていた。なのでササッと移動して真っ正面から彼女たちの歌と振り付けを楽しませてもらうことにしたのである。
　「こんにちは、ポッキーズでーす」という挨拶とともに、1曲目の『グッドナイト・ドール』が始まる。うん、実に良い！　初々しくて可憐で健気で、なおかつドキドキさせられるような色香が漂ってくるのだ。だって、衣装が黒のフォーマルなドレスよ？　しかもmarmiとさっちゃんは大胆にも肩を出しちゃってるのよ？　僕、どこを見てればいいの？　あとから彼女たちから聞いた話によると、marmiがセクシー担当、さっちゃんがキュート担当、淳子が癒し系担当であるらしい。だが、僕に言わせりゃ3人ともセクシーでキュートな癒し系である。もうメロメロですわ。途中で間違えた？　歌詞を忘れた？　全っ然っ気付かなかったなぁ。いや、ホントは気付いたけどさ、細かい失敗は気にせんでいいって。それを補って余りある魅力があるもん。
　それにしてもショックだったのは、3人とも僕の方を一度も見てくれなかったことだ。いつ見てくれるんだろ、目が合ったらどうすればいいんだろ、思わず目をそらしたら失礼だよなぁ、なんとか笑顔を作らなきゃ、思い切ってウインクしちゃおうかな。そんな風に心は千々に乱れまくっていたのに、最後まで3人は完璧すぎるほど僕を一瞥もしなかった。も、もしかしたら、僕の心を弄んだだけ？　何かの罰ゲーム？
　歌い終えたあと、淳子がしゃべり始める。見事な関西弁だ。あ、関西人だから当然か。「少しの曲のために、たくさん練習してきました」という言葉が、なぜか西川きよしの「小さなことからコツコツと」を連想させる。そして始まったのが、さっきとはガラリとイメージが異なる『花・太陽・雨』。重い心象風景を描いた楽曲であるから、歌い手には高度な表現力が要求される。しかし、ポッキーガールズの3人は、ひたすら真剣に歌うことでその壁を乗り越えた。それぞれソロで歌う部分もあるが、危なげなく……いや、危なっかしいけど、それもポッキーズの魅力なのだ。
　ビックリしたのは、さっちゃんが間奏でピアニカを奏でたこと。どこに隠し持ってたんだ？　僕が気付かなかっただけか？　しかも奏でっぷり(って言葉があるかどうか分からんけど)が堂々としている。感服モノだ。と思ったら、その少しあとの「太陽もある」で始まる一節は、さっちゃんの独唱。さっちゃん株、ここに来て急騰である。天井知らずだ。しかもしかも、そのあとのMCも、さっちゃんが担当する。「あと一曲になってしまったんですけど、みなさん楽しんでってください」だって。うんうん、楽しむ楽しむ。というか、すでにウルトラ級の楽しさですぅ。
　ここで淳(ジュン)がしゃべり始める。あ、キミ、まだいたんだ。ポッキーガールズの3人に夢中だったんで視界に入らんかったなぁ。というか、前面に立つ時は思い切り目立っておいて、引き立て役に回る時は気配を消す――これが淳(ジュン)の美学なのだろう。素晴らしい男だ。見習わなきゃ。褒めたから今度オゴってね。
　DDボーイズとPockys、合わせて8人がステージに立ち、『七月の便り』が始まる。オリジナルとは大きく異なるアレンジで、コーラスワークに工夫の跡が窺える。何度も何度も練習したんだろうなぁ。ホント、お疲れ様でした。素敵な8人に乾杯！　あ、僕まだドリンクをもらってきてないや。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜つづく＞

※すんません、この続きはいつになるか未定です。でも、必ず書くから待っててね。ってキミ、ずっとパソコンの前で待機してなくていいってば。