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HPE Moonshot とHDI
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HPは各社がブレードPCから撤退してゆく中、ほぼ唯一、めんめんとブレードPCを提供し続けてきたメーカーです。
仮想デスクトップ実現手段としてみると、ブレードPCは良い選択肢だと思っています。
・高額な機器(IA64サーバや共有ストレージ等)が不要
・負荷集中するあい路(ストレージのIOPSやサーバのCPU/メモリ)、LAN
がなくシステム設計が楽~不要
・高額なVDIソフトライセンス(VMware View, Xen Desktopなど)が不要
・高額なWindows仮想化ライセンス(VDA/RDCCAL/CAL)が不要
・他のユーザの影響を受けない、他のユーザに迷惑もかけない
・GPUがあれば高性能な描画もできる
・アプリ動作が保証されているデスクトップOSを使える
かつては以下のような理由で衰退したブレードPCですが、技術の進歩で状況が変わったようです。
・ノートPC用のHDDは性能が低い(4000rpm)
・小型ゆえ高性能CPUやGPUが乗らない
最近、
「VDIの課題はこうして解決、手のひらサーバーで作るリモートデスクトップ6事例」
というホワイトペーパーが紹介されていました。
「VDIの課題はこうして解決、手のひらサーバーで作るリモートデスクトップ6事例」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/activewp/v/16/05/12/00021/?act03
=============================
1)HPE Moonshot というカートリッジ型PCシステム
=============================
HPE Moonshotは単行本位の大きさのカートリッジ(内部に4台のPCが詰まっている)を4.3Uハイトのラックに45枚搭載できる集合型PC。
リモートデスクトップでしか利用できないが、接続先が物理PCであるため、VDIでなくHDI(Hosted Desktop Infrastracture)と呼ばれる仮想デスクトップの基盤に使う。
HPE ProLiant m700サーバーカートリッジ
● AMD Opteron. X2150 APU
( 4コア、1.5GHz、Radeon HD 8000シリーズ(GPU)内蔵)
● 8GBメモリ /ノード
●最大120GB SSD/ ノード
●1Gbネットワーク×2 /ノード
●サポートOS : Windows 7 / 8.1 / 10およびRHEL
●4サーバーノード/カートリッジ
●サーバーカートリッジ1枚で4ユーザー環境を提供
●サーバーカートリッジ1枚/4ユーザー単位で構成・拡張可能
●4.3Uのシャーシに最大サーバーカートリッジ45枚/180ユーザーを収容
カートリッジ単体での特色は
●1カートリッジに小型PC4台が相乗りしている高密度性
●各PCのスペックがそれなりに高い(ブレードのようにLAN集約などをしていない)
・1.5GHz 4CoreCPU、8GBメモリ、120GB SSD、1Gbps x2 LAN
●独立GPU(Radeon HD 8000)搭載
かつてのブレードPCと比べると以下のような進歩を遂げており、負荷の高いアプリを動かすならHDIと言われるゆえんであると言えそうだ。
SSD搭載で高性能をより小型なPCで実現している
独立GPU搭載により高精細描画が主メモリを圧迫しない
また、シャーシ全体として特色的なのは、シャーシにはm700(クライアント用)の他に以下の2種類のカートリッジが乗っていること。
●HPE ProLiant m710pサーバーカートリッジ
これは、HDI環境を運用する上での各種サーバ( ADやプリントサーバなど)をイ
ンストールする為にあるようだ。
●HPE Moonshot Remote Console Administrator
これが特色的なサーバである。
OSインストール用
バーチャルメディア機能搭載専用カートリッジ
と記載されているのでおそらくm700に Windows10等のOSをインストールするイ
メージ配信専用のサーバソフトを載せた管理用のカートリッジであるようだ。
m700に加えてこれら2種類のカートリッジが乗っている事で、必要なものが全てシャーシに詰め込まれているということになる。
=============================
2)彼らはなぜVDIやSBCでなくHDIを選んだか
=============================
紹介6事例が HDIを選んだ理由はいろいろで、各社の立場により理由が異なるところが興味深いです。 やはり多くは、占有できる事と高精細な描画を評価しているようです。
1つだけ、聡明にもHDIの価値をBlade PC以前に既に見出し、手作りでHDI環境を構成していたという事例が含まれています。
各事例がHDIを選んだ理由は以下のようなものでした。
-----------------------------
パナソニックIS ⇒設計のむずかしさ
VDI導入は、サーバーや共有ストレージの性能見積が重要
導入時点では問題はなくてもクライアントOS更新で想定外の状況(パフォーマンス悪
化、サーバリソース不足)に陥った
-----------------------------
沖縄クロス・ヘッド ⇒競争力がある仮想デスクトップの実現
VDI ベースのDaaS の対抗馬として、スペック・品質・価格それぞれで優位性がある
VDI導入企業の中には、レスポンスの低さに不満を持っている場合も数多くある
-----------------------------
iSource 社 ⇒高いグラフィックス性能
必要とするデスクトップアプリケーションをパフォーマンス低下なく実行できる
グラフィックス多用アプリケーションは敬遠⇒ほぼすべてのワークロードサポート
-----------------------------
ブレムガルテン校 ⇒コンピューティングパワーの専有
HDIはコンピューティングパフォーマンスをユーザー間で共有する必要がない
-----------------------------
ヨークシャー住宅金融組合 ⇒お手製HDIの高密度化
FATPCを使うお手製HDI「PCジェンガ」デバイスが400 台を超え、
問題になってきた スペース/ 電力/ 冷却コストを効率化できる手段が必要
-----------------------------
Jordan Ahli Bank ⇒コンピューティングパワーの専有、アプリ、周辺機器の確実な利用
POCのVDIでデスクトップがサーバーのすべてのCPUを独占
支店のデスクトップは顧客サービスに関連。アプリや周辺装置の正常動作が必要
-----------------------------
=============================
彼らはHDIでどんな画面転送ソフトをどんな理由で選んだか?
=============================
Moonshotはハードメーカーが提供するHDIなので、特定のVDIソフトウェアには依存していない。さらに仮想マシンでもないので仮想化ベンダーの縛りもありません。
では、みな、どのような「仮想デスクトップソフト」をMoonshotと組み合わせているのだろう?という点が気になった。
VDIのイメージで XenDesktopやViewを選ぶのか?それとも別の選択肢か?
個人的には、お金のかからない Microsoft RDP で良いんじゃないの?と思うのだが。
で、ホワイトペーパーを入手して読んでみた所、事例によって(=用途によって)、皆さん色々な仮想デスクトップソフトを利用していることが分かった。
紹介6事例に見る仮想デスクトップソフト
----------------------------------------------------------------------------
パナソニックIS XenDesktop 専有PC 240Desktop
沖縄クロス・ヘッド Splashtop Business DaaS 同社のReemo DaaSサービスとして
iSource 社 vWorkspace 8.5 DaaS 同社のiCloud DaaSサービスとして
ブレムガルテン校 XenDesktop+PVS 共用PC 59教室
ヨークシャー住宅金融組合 RDPと思われる 専有PC 500Desktop(共用PCもある)
Jordan Ahli Bank XenDesktop 専有PC 120Desktop->700へ拡張予定
----------------------------------------------------------------------------
各事例が各々の仮想デスクトップソフトを採用した理由はあまりはっきりとは記載されていないが、用途と背景からおそらくこんな感じであろう。
まず、王道的なXenDesktopを選択した3事例だが、各々異なる根拠があるように見える。
--------------------------
パナソニックISは同社がもともとXenDesktopのVDIソリューションのSIerであり
事業の幅をVDI+HDIへと広げるためのパイロットとして選択したようだ。
--------------------------
ブルムガルテン校の理由はPVSがセットになった XenDesktopを使っているという事か
らより明確だ。 学校ならではの環境復元とバージョンアップ管理コストの低減を狙
ってネットブート(PVS)方式を使いたいからだ。
PC時代からネットブートを使っており、それをそのまま活用できる点が魅力だったの
だろう。
--------------------------
Jordan Ahli Bank は周辺機器(小切手スキャナ、バーコードリーダなど)がVDIで動作
しない事を解決したかったと明記されている。
残念ながら、VDIで動かない周辺機器がなぜHDIで安定して動作するようになったかは
明記されていないが、事前試験の結果問題ないと判断したようだ。
(USBリダイレクションを使っていると思われるが、VDIよりHDIだと確実性が上がるの
か? わからない)
--------------------------
他の3事例は3社3様の仮想デスクトップソフトを採用していた。
--------------------------
沖縄クロスヘッドは以下の2つの観点で Splashtop を選んだと明記されている。
・サービスプロバイダとしてモビリティを重視したDaaSサービスを提供
・PC上のゲームをタブレットから楽しむ用途にも使える高性能描画が可能で
AMDの協力によるドライバチューニングでMoonshot搭載のGPUへの最適化が
できた
これを見ると Splashtop は(少なくともHDI環境下では)リモートPCのGPUを利用した
レンダリングを行っている。
--------------------------
iSource 社は同社がhpのパブリッククラウド「HP Helion CloudSystem」の上にDaaS
サービスを提供するというサービスの立てつけ上、vWorkspace 8.5を選択した様だ。
--------------------------
ヨークシャー住宅金融組合は元々あった普通のデスクトップPCを iDCに沢山積み上げ
て、シンクライアントからRDP接続するといういわばお手製HDIをMoonshotに置き換え
場所の節約に成功したと記されている。画面転送ソフトの選択には言及が全くないが
元が RDPであるため、それ以上に厳しい要件がなく、HDIでもRDPを継承的に採用して
いるであろうと思われる。
整理すると、各事例が仮想デスクトップソフトを選択した理由は以下のようになる。
紹介6事例に見る仮想デスクトップソフト選択理由
----------------------------------------------------------------------------
パナソニックIS XenDesktop ⇒事業戦略(VDI事業拡大)
沖縄クロス・ヘッド Splashtop Business ⇒事業戦略(モバイルサービス)
iSource 社 vWorkspace 8.5 ⇒事業戦略(クラウド連携)
ブレムガルテン校 XenDesktop+PVS ⇒ネットブート利用
ヨークシャー住宅金融組合 RDPと思われる ⇒?
Jordan Ahli Bank XenDesktop ⇒周辺機器の確実な動作
----------------------------------------------------------------------------
これが意味する事は、VDIと異なり、HDIは小型PCとそれを管理する仕組みだけの提供であるため、画面転送ソフトやネットブートソフトなどをユーザが自分の事情に合わせ、最良なものを選択できる(安くもなる)点であると言える。
参照資料
「VDIの課題はこうして解決、手のひらサーバーで作るリモートデスクトップ6事例」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/activewp/v/16/05/12/00021/?act03
HPE Moonshot とHDI
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HPは各社がブレードPCから撤退してゆく中、ほぼ唯一、めんめんとブレードPCを提供し続けてきたメーカーです。
仮想デスクトップ実現手段としてみると、ブレードPCは良い選択肢だと思っています。
・高額な機器(IA64サーバや共有ストレージ等)が不要
・負荷集中するあい路(ストレージのIOPSやサーバのCPU/メモリ)、LAN
がなくシステム設計が楽~不要
・高額なVDIソフトライセンス(VMware View, Xen Desktopなど)が不要
・高額なWindows仮想化ライセンス(VDA/RDCCAL/CAL)が不要
・他のユーザの影響を受けない、他のユーザに迷惑もかけない
・GPUがあれば高性能な描画もできる
・アプリ動作が保証されているデスクトップOSを使える
かつては以下のような理由で衰退したブレードPCですが、技術の進歩で状況が変わったようです。
・ノートPC用のHDDは性能が低い(4000rpm)
・小型ゆえ高性能CPUやGPUが乗らない
最近、
「VDIの課題はこうして解決、手のひらサーバーで作るリモートデスクトップ6事例」
というホワイトペーパーが紹介されていました。
「VDIの課題はこうして解決、手のひらサーバーで作るリモートデスクトップ6事例」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/activewp/v/16/05/12/00021/?act03
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1)HPE Moonshot というカートリッジ型PCシステム
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HPE Moonshotは単行本位の大きさのカートリッジ(内部に4台のPCが詰まっている)を4.3Uハイトのラックに45枚搭載できる集合型PC。
リモートデスクトップでしか利用できないが、接続先が物理PCであるため、VDIでなくHDI(Hosted Desktop Infrastracture)と呼ばれる仮想デスクトップの基盤に使う。
HPE ProLiant m700サーバーカートリッジ
● AMD Opteron. X2150 APU
( 4コア、1.5GHz、Radeon HD 8000シリーズ(GPU)内蔵)
● 8GBメモリ /ノード
●最大120GB SSD/ ノード
●1Gbネットワーク×2 /ノード
●サポートOS : Windows 7 / 8.1 / 10およびRHEL
●4サーバーノード/カートリッジ
●サーバーカートリッジ1枚で4ユーザー環境を提供
●サーバーカートリッジ1枚/4ユーザー単位で構成・拡張可能
●4.3Uのシャーシに最大サーバーカートリッジ45枚/180ユーザーを収容
カートリッジ単体での特色は
●1カートリッジに小型PC4台が相乗りしている高密度性
●各PCのスペックがそれなりに高い(ブレードのようにLAN集約などをしていない)
・1.5GHz 4CoreCPU、8GBメモリ、120GB SSD、1Gbps x2 LAN
●独立GPU(Radeon HD 8000)搭載
かつてのブレードPCと比べると以下のような進歩を遂げており、負荷の高いアプリを動かすならHDIと言われるゆえんであると言えそうだ。
SSD搭載で高性能をより小型なPCで実現している
独立GPU搭載により高精細描画が主メモリを圧迫しない
また、シャーシ全体として特色的なのは、シャーシにはm700(クライアント用)の他に以下の2種類のカートリッジが乗っていること。
●HPE ProLiant m710pサーバーカートリッジ
これは、HDI環境を運用する上での各種サーバ( ADやプリントサーバなど)をイ
ンストールする為にあるようだ。
●HPE Moonshot Remote Console Administrator
これが特色的なサーバである。
OSインストール用
バーチャルメディア機能搭載専用カートリッジ
と記載されているのでおそらくm700に Windows10等のOSをインストールするイ
メージ配信専用のサーバソフトを載せた管理用のカートリッジであるようだ。
m700に加えてこれら2種類のカートリッジが乗っている事で、必要なものが全てシャーシに詰め込まれているということになる。
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2)彼らはなぜVDIやSBCでなくHDIを選んだか
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紹介6事例が HDIを選んだ理由はいろいろで、各社の立場により理由が異なるところが興味深いです。 やはり多くは、占有できる事と高精細な描画を評価しているようです。
1つだけ、聡明にもHDIの価値をBlade PC以前に既に見出し、手作りでHDI環境を構成していたという事例が含まれています。
各事例がHDIを選んだ理由は以下のようなものでした。
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パナソニックIS ⇒設計のむずかしさ
VDI導入は、サーバーや共有ストレージの性能見積が重要
導入時点では問題はなくてもクライアントOS更新で想定外の状況(パフォーマンス悪
化、サーバリソース不足)に陥った
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沖縄クロス・ヘッド ⇒競争力がある仮想デスクトップの実現
VDI ベースのDaaS の対抗馬として、スペック・品質・価格それぞれで優位性がある
VDI導入企業の中には、レスポンスの低さに不満を持っている場合も数多くある
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iSource 社 ⇒高いグラフィックス性能
必要とするデスクトップアプリケーションをパフォーマンス低下なく実行できる
グラフィックス多用アプリケーションは敬遠⇒ほぼすべてのワークロードサポート
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ブレムガルテン校 ⇒コンピューティングパワーの専有
HDIはコンピューティングパフォーマンスをユーザー間で共有する必要がない
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ヨークシャー住宅金融組合 ⇒お手製HDIの高密度化
FATPCを使うお手製HDI「PCジェンガ」デバイスが400 台を超え、
問題になってきた スペース/ 電力/ 冷却コストを効率化できる手段が必要
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Jordan Ahli Bank ⇒コンピューティングパワーの専有、アプリ、周辺機器の確実な利用
POCのVDIでデスクトップがサーバーのすべてのCPUを独占
支店のデスクトップは顧客サービスに関連。アプリや周辺装置の正常動作が必要
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彼らはHDIでどんな画面転送ソフトをどんな理由で選んだか?
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Moonshotはハードメーカーが提供するHDIなので、特定のVDIソフトウェアには依存していない。さらに仮想マシンでもないので仮想化ベンダーの縛りもありません。
では、みな、どのような「仮想デスクトップソフト」をMoonshotと組み合わせているのだろう?という点が気になった。
VDIのイメージで XenDesktopやViewを選ぶのか?それとも別の選択肢か?
個人的には、お金のかからない Microsoft RDP で良いんじゃないの?と思うのだが。
で、ホワイトペーパーを入手して読んでみた所、事例によって(=用途によって)、皆さん色々な仮想デスクトップソフトを利用していることが分かった。
紹介6事例に見る仮想デスクトップソフト
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パナソニックIS XenDesktop 専有PC 240Desktop
沖縄クロス・ヘッド Splashtop Business DaaS 同社のReemo DaaSサービスとして
iSource 社 vWorkspace 8.5 DaaS 同社のiCloud DaaSサービスとして
ブレムガルテン校 XenDesktop+PVS 共用PC 59教室
ヨークシャー住宅金融組合 RDPと思われる 専有PC 500Desktop(共用PCもある)
Jordan Ahli Bank XenDesktop 専有PC 120Desktop->700へ拡張予定
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各事例が各々の仮想デスクトップソフトを採用した理由はあまりはっきりとは記載されていないが、用途と背景からおそらくこんな感じであろう。
まず、王道的なXenDesktopを選択した3事例だが、各々異なる根拠があるように見える。
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パナソニックISは同社がもともとXenDesktopのVDIソリューションのSIerであり
事業の幅をVDI+HDIへと広げるためのパイロットとして選択したようだ。
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ブルムガルテン校の理由はPVSがセットになった XenDesktopを使っているという事か
らより明確だ。 学校ならではの環境復元とバージョンアップ管理コストの低減を狙
ってネットブート(PVS)方式を使いたいからだ。
PC時代からネットブートを使っており、それをそのまま活用できる点が魅力だったの
だろう。
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Jordan Ahli Bank は周辺機器(小切手スキャナ、バーコードリーダなど)がVDIで動作
しない事を解決したかったと明記されている。
残念ながら、VDIで動かない周辺機器がなぜHDIで安定して動作するようになったかは
明記されていないが、事前試験の結果問題ないと判断したようだ。
(USBリダイレクションを使っていると思われるが、VDIよりHDIだと確実性が上がるの
か? わからない)
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他の3事例は3社3様の仮想デスクトップソフトを採用していた。
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沖縄クロスヘッドは以下の2つの観点で Splashtop を選んだと明記されている。
・サービスプロバイダとしてモビリティを重視したDaaSサービスを提供
・PC上のゲームをタブレットから楽しむ用途にも使える高性能描画が可能で
AMDの協力によるドライバチューニングでMoonshot搭載のGPUへの最適化が
できた
これを見ると Splashtop は(少なくともHDI環境下では)リモートPCのGPUを利用した
レンダリングを行っている。
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iSource 社は同社がhpのパブリッククラウド「HP Helion CloudSystem」の上にDaaS
サービスを提供するというサービスの立てつけ上、vWorkspace 8.5を選択した様だ。
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ヨークシャー住宅金融組合は元々あった普通のデスクトップPCを iDCに沢山積み上げ
て、シンクライアントからRDP接続するといういわばお手製HDIをMoonshotに置き換え
場所の節約に成功したと記されている。画面転送ソフトの選択には言及が全くないが
元が RDPであるため、それ以上に厳しい要件がなく、HDIでもRDPを継承的に採用して
いるであろうと思われる。
整理すると、各事例が仮想デスクトップソフトを選択した理由は以下のようになる。
紹介6事例に見る仮想デスクトップソフト選択理由
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パナソニックIS XenDesktop ⇒事業戦略(VDI事業拡大)
沖縄クロス・ヘッド Splashtop Business ⇒事業戦略(モバイルサービス)
iSource 社 vWorkspace 8.5 ⇒事業戦略(クラウド連携)
ブレムガルテン校 XenDesktop+PVS ⇒ネットブート利用
ヨークシャー住宅金融組合 RDPと思われる ⇒?
Jordan Ahli Bank XenDesktop ⇒周辺機器の確実な動作
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これが意味する事は、VDIと異なり、HDIは小型PCとそれを管理する仕組みだけの提供であるため、画面転送ソフトやネットブートソフトなどをユーザが自分の事情に合わせ、最良なものを選択できる(安くもなる)点であると言える。
参照資料
「VDIの課題はこうして解決、手のひらサーバーで作るリモートデスクトップ6事例」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/activewp/v/16/05/12/00021/?act03
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