予想していたとはいえ、やはり強烈な作品でした。
愚行録。愚かな行いの記録。
「人間とは愚かな生き物である」
なんとも陳腐な表現ですが、自分という人間のことを考えると、ほんと愚かだなと思いますよ…
まあ、「テヘペロ」程度の愚かさなら笑って許せますが、犯罪レベルの愚かさは勘弁してほしいし、自分だってそんな愚かなことはしたくない。
でも、誰かの心を無慈悲に傷つけるような愚かなことは、自分だってやらかしているんだろうな…
この映画には、さまざまな「愚行」が登場します。
その頂点は「殺人」になるわけだけれども、それ以外にも「幼児虐待」「性的虐待」「浮気」「嫉妬」「裏切り」…跡を絶ちません。
雑誌記者の田中武志(妻夫木聡)の取材を通じて明らかになる、数々の愚行。
きわめて当然のことながら、人は自分のことを正当化する。
ある「事実」から、観察者の数だけ「真実」が生み出される。
「私」という視点で撮られた映像に写っているもの、写っていないもの。
人と人との繋がりの間に生まれる愛憎。
正誤のどちらとも言いがたい、でも間違いなく愚かな行為。
妻夫木さんの「感情があるのかないのか判然としない」演技が実に良かったです。
妹の田中光子を演じた満島ひかりさんも、幼児虐待で逮捕され、悲惨な過去を持つ女性という難役を、見事に演じきっていました。
自分はどんな愚行を重ねてきたのだろう。そんなことをふと思いました。
誰かを傷つけたり、自分を傷つけたり、あちらこちらにぶつかりながら、それでも生きてきた。
嫉妬に駆られたり、理不尽な怒りをぶつけたり、自己顕示欲だけにとらわれたり。
思い出すだけで苦い気持ちになることは多いですね…
内容的に大ヒットは難しいだろうけれど、非常に見応えのある作品でした。
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