あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

コテンパンな色男

2013-11-26 | 本(文庫本)
田辺聖子さんの『新・私本源氏 春のめざめは紫の巻』を読みました。

何と、私、やらかしてしまいました。実はこの本、2年前に購入していたのに未読…。購入していたことを忘れてしまい、書店でつけてもらったカバーそのままに、同じカバーをつけていまだ読み始められない宮城谷正光さんの『三国志』の中に紛れて「私も三国志です」みたいな状態で本棚に置かれていました。「三国志と源氏では、厚さが違うだろうが、おりゃ~!」なんですけど、そのまま…。
そしてまだ読み始められない宮城谷さんの『三国志』の9巻(ようやく泣いて馬謖を斬った模様)を本棚へとしたときに、「あれ? 厚さの違う文庫本があるが、何ぞ?」と気付いたのでした。
以前紹介した『私本源氏物語』がとても好きだったので、当然買ってすぐに読むはずだったのに、何やかんやで読了が今です。嗚呼、私の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿…。

流人生活を送っていた須磨から京へ戻り、政界最高の実力者となった光源氏。30歳を越えておっさんとなった(現代なら男の30歳なんてまだまだアオいのにねぇ~)光源氏。しかし世間の「おっさん」評価など気がつく様子もない源氏の君は、相変わらず色恋にご熱心。いまだに自分は都イチの色男だと信じて疑っていない。でも幼いときから思い通りに育てたはずの紫の姫さんに翻弄されっぱなしだわ、末摘花にはそっけなくあしらわれるわ…。

今回も源氏の君はバリバリの関西弁で、今回は女性目線で光源氏の「ちょっとズレてる恋物語」を描いた古典パロディになっています。美貌と体力は確実に衰えている(現代なら30男なんてまだまだこれからの坊やですからね~)源氏だけどまったく自覚がないままに恋の相手を次から次と…。哀れな感じもしなくない、お気の毒やらおかしいやら。
「あ~、やっぱりお聖さんの私本源氏は面白い!」と、こういう恋愛小説なら全然OKなのです。あ、恋愛小説じゃないのか。でも『源氏物語』そのものは、人間関係が複雑(グチャグチャ)な恋愛小説ですからね~。

こんな状態でいた間に、絶版になっていたものも文庫化されてたようです。既に新しい『私本源氏』も出ているようです。わ~、大変だ~、読まなきゃ~!
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