あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

あの頃の読書 ②

2007-12-20 | 本(文庫本)
甥っ子が高校受験を迎えます。「おばちゃん、東大なんて簡単に入れるんだよ、わはははははは~」と、漫画の『ドラゴン桜』を読んで思い込んでいるような奴なので、高校受験なんてさらに簡単なように考えているんだろうな…。
私が通っていた高校は女子校で、3年生のときの古文は、一年を通して『源氏物語』をみっちりやりました。『源氏』だけでも決して飽きることがなかったのは、その物語の面白さに引き込まれていったからだと思います。だって冒頭からワクワクしちゃいましたから。

「いつれの御時にか 女御更衣あまたさふらひ給けるなかに いとやむことなききはにはあらぬか すくれてときめき給ふありけり」

女御更衣があまたさふらひ給けるのに、その中で、いとやむことなききはにはあらぬにもかかわらず、すくれてときめき給ふって、それって、♪チャチャチャ・チャチャチャ・チャラ~ン♪って、「火サス」のCM前の曲が過るんですけどぉ~。女だらけの中で「すくれてときめき給ふ」ことがあったら、それは女の嫉妬からの事件につながるに決まってるじゃ~ん! って、何てことを考えながら授業を受けていたのだ、私は!
そんな高校3年生の一年を過ごしたおかげで(!)『源氏物語』は近寄りがたい話ではなく、日本最初の長編小説を学べたことを、今でもありがたく思っています。

そして高校を卒業してから、かなりユニークな『源氏』に出合いました。
田辺聖子の『私本・源氏物語』。

この小説は『源氏物語』のパロディです。シュッとした美男子・光源氏は、物語のための表の顔で、素顔の彼は「六条のオバハンとこは気取ってて疲れるなぁ~。あぁ腹へった…。 ぶぶ漬けじゃぁ~!!」って言っちゃうようなキャラ。おまぬけな光源氏と、従者・伴男のコンビが笑わせてくれます。性教育の本を愛読しているコギャル・若紫、実は絶世の美女の末摘花、グルメな花散里など、人物設定がそうとうイケてます。

本当に面白くてオススメの本なんですが、残念なことに、絶版です。今探すのはかなり難しいかと…。もし運よく見つけることができたら、是非是非お読みください。『源氏物語』を詳しく知らなくたって「こんな解釈もあるのね~」と、きっと楽しんでもらえますよ! ちなみに、続編もあるので、こちらも見つけたら是非!
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4 コメント

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へえぇ~☆ (ハナキャップ)
2007-12-21 08:33:58
私本…の方、かーなーりソソラレます。
私は源氏物語は‘あさきゆめみし‘でしか存じ上げませんで、
(もとい、高校古文でサラッとみたような気もしますが…)
あ~なんか、イケメンでマザコンのナルシストなプレイボーイ(死語?)の話~ 
ってな解釈にとどまっておりましたが、
田辺さんのなら楽しそう!
心にとめおいて、みつけたら小躍りして報告しますから♪

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ハナキャップさん (とみ)
2007-12-23 00:32:25
この『私本~』での光源氏は、イケメンでマザコンのナルシストなプレイボーイでありながらも、
ズッコケ(きゃ~、まるっきり死語よ死語!)な野郎で、こっちの方がある意味、好感持てます。
絶版だなんて本当に惜しいのだけど、図書館で置いているところがあるかもしれない…
心よりハナキャップさんからの小躍りの報告、お待ちしてます。
どうか見つけられますように
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あー! (なおきちどん)
2007-12-25 22:45:29
ワタシも読んだよ~!
田辺聖子の『私本・源氏物語』…というか、コレしか読んでないんだけどさ
面白かったよね~。
絶版なんだぁどこかにまだ取ってあるかなぁ。
なぜか、この本でイメージする光源氏は、沢田研二さんなんですよね
ハナキャップさんの『あさきゆめみし』も見たなぁ。

関係ないけど、ワタシも女子高です!
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なおどんさん (とみ)
2007-12-26 01:27:24
おお! なおどんさんも女子高出身だったのね~。
おまけに『私本~』を読んでいたのね~ こんなオモロイ本が絶版だなんて、ねぇ…。
ジュリーは随分前に正月ドラマで光源氏をやったよね。
まだ樹木希林に「ジュリィ~」って言われていた頃だから、恐ろしく昔の話だけど
この本は、続編と一緒に年末年始に再読する予定でいます。
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