あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

な、なんだこれは!

2021-10-07 | 本(文庫本)
一條次郎さんの『ざんねんなスパイ』を読みました。
書店で平積みになっているのを見つけて、帯にあった「伊坂幸太郎 超推薦」という文字がまず目に飛び込んできました。その伊坂さんに「こんな小説が書けたら楽しいだろうな、と思わずにはいられません!」と言わしめた作品です。気にならないわけないじゃないですか。それにこの表紙カバーイラストですよ。気にならないわけないじゃないですか!

73歳の新人スパイ。コードネームはルーキー。自称「最終兵器」。任務が与えられる日を待ち続けて50年以上清掃作業員として「第一線」で働き、その年齢になるまでスパイとしての仕事を与えられることがなかったのに、初仕事が「市長暗殺」。しかしあろうことか彼はターゲットである市長と友だちになってしまった。

ダンスが得意な73歳の新人スパイという設定だけが「ちょっと変」なのではありません。ターゲットである市長も結構アレだし、ルーキーの家に福音を届けに来てペーパーナイフで殺されるイエス・キリスト、隣人のマダム・ステルス、実は密造酒工場を持っているショッピングモール≪ワリダカ≫の社長などなど、次々とアレな人たちが出てくる。正確に言えば、アレな人しか出てこないのです。表紙カバーに描かれているリスだって、巨大なリス「キョリス」として十分にアレな役割を担っています。
とにかく読んでいる途中から「な、なんなんだ、これは?‼」とかなり楽しくなり、このアレな世界観からしばらく抜け出せない状態になっておりました。これヤバイわ。クセになるわ。
伊坂さんも言っています。「面白いけれど謎だらけ、少し不謹慎だけれど可愛らしくて、みんなが踊りたくなる傑作だと思います! 」
その通りの作品でした。アレな世界観なのに、読後はめちゃくちゃ爽快でした。心が綺麗になっていくような感じでした。なので一條さんの他の作品も凄く読みたくなったけど、アレだから続けては無理~www
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