細かい事を先に言うと画像をちょっと大きめにアップするようにしてます(笑)。
今日は夜に数時間用事で出かけた以外はずっと家にいて、『海辺のカフカ』上巻の3分の1と下巻全部を一気に読みました。
難しかったですね。少なくともこの本を「理解して面白かった」と言い切れる程、僕の頭は良くないです。何回か読み直す事でその味わいが増していくんだと思います。
でも、それでも1日で600ページ程を読み通せたのは、確かに引きずり込まれるものがあったからだと思います。
文中の中にことある事に出てくる「メタファー(暗喩)」については、読みながらつい考えてしまいました。自分にとってメタファーとは何か。そこまで直裁に自分と繋がる事柄があるのだろうか。例えば、僕がファンをしている高橋愛は、自分の中で何らかの形でメタファーとなっているのだろうか、そこまでの存在にするべきなのか、どうなのか。
・・・みたいなヤヤコシイ事を考えながらも(笑)、目は常にストーリー(文字)を追っていました。自分の観念が本と自らの心を行ったり来たりしているような、不思議な感覚でしたね。
そして、そういうコムツカシイ話(笑)の中に、「食べ物」の話が散りばめられていて、例えばウナギとか(これすら何かのメタファーかと思ってしまったりもするけど)、煮物とか、卵焼きとか、「大島さん」が作る洋風なものとか、そういう観念ではなく味覚で理解できる箇所があちこちにあって、それがこの小説を読みやすくしているような気がしました。単なる哲学書なら、これほどスピーディーには読み進めないですから。
そして、総体として、文全体の『風景』として、とても好きな小説でした。こういう世界、僕は大好きです。