東京トライアスロンクラブ

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みっちゃんの九十九里トライアスロン 初OD完走レポ

2014-10-10 | レース紹介・体験記・観戦記
■まえがき
"トライアスロン"に挑戦した35歳みっちゃんの青春の1ページ。


2014年2月23日、東京マラソンが幕を閉じた。目を閉じればあの日の光景が走馬灯のように蘇る。
身も心も燃え尽きたのか、私はしばらくの間休むことができた。そして、春が来た。
「そうだ…次の目標を設定しよう。」5~6月は情報収集をして、ロードバイクを友人から借りた。7月に入り、初心者の合宿に参加した。
時間的にも空間的にも大変だったが、なるべくたくさん泳ぎ、自転車の練習もした。経済的にも厳しかったが必要な道具もなんとか買い揃えた。

そして2014年9月20日、九十九里を舞台に鉄人たちが集まった。


■出発~サイクルトレイン

午前5時起床。持ち物の最終確認は前日に終えてある。
トライアスロンともなるとチェックリストが必要になるぐらい準備が大変だ。
さすがの私も前日に済ませておいた。



※1 前日の荷物準備の1枚

午前5時50分頃家を出て、いざ自転車で両国駅まで。 2,000人規模で行なわれるトライアスロンの大会は国内最大級、この日はJR東日本も年に1~2回しか運行しないというサイクルトレインを準備した。
サイクルトレインと言っても普通の電車。ただ自転車を輪行バッグに入れずに、自転車ごと乗車できる電車のことだ。


※2 サイクルトレインの中

乗車受付は6時50分まで。時計を見るとまだ3分前。
これから電車に乗り1時間半の移動を考えると、どうしても胃に何かを入れておきたく、コンビニで"おにぎり"、"どら焼き"と"チョコレート"を買い、急いでサイクルトレインの受付へ。
この時既に6時50分をまわっていた。5号車に到着。早速仲間と出発前の写真を取る。


※3 サイクルトレインの出発前

車内では競技説明会が行なわれた。資料にザッと目を通す。ナンバーシールを張ったり、ゼッケンを付けたり、タトゥーシールを両腕に貼る。


※4 隣の選手に撮ってもらった出発前の私

ホノルルでトライアスロンをした話や、トライアスロンの魅力やタイムの話そんなことをしていると、あっという間に駅に到着したようだ。

■会場~スタートまで~
午前8時51分、上総一ノ宮駅に到着。※6 車掌さんと上総一ノ宮駅改札口にて


※5 車掌さんと上総一ノ宮駅改札口にて

外は小雨が降っている。気温21度。ノースリーブでは肌寒い。
駅に着いて写真を撮ったりしていると、友人はもういなかった。

仕方なく1人で駅から会場までは自転車で移動する。まず真っ先に向かったのはメカニックサービス。
タイヤチューブに空気を入れ万全の状態にする。バイクの試走ができるみたいだが時計を見て諦めた。
トランジションエリアで自転車を設置する。隣で着替えていた選手もどうやら初めてのトライアスロンとのことだ。
話を聞くと会場まで辿り着くかどうかも分からないほど道中は大変だったらしい…。


※6 トランジションエリアで隣の山本選手と

預ける手荷物を袋に入れ、ウェットスーツに着替える。
意気投合したその選手とSWIMのスタート地点までゆっくりと歩いていく。
計測器を足首に付け、トイレを済ませ、配っていたエナジードリンクを飲む。


■SWIM(1.5K)
SWIMは河の1周回の往復コース。九十九里の海は波が高く危ないため河になったらしい。
年代別による5分おきのウェーブスタートだ。

大会実行委員長が挨拶をし、千葉県知事の森田健作氏が激励する。脇を通ったのですかさずハイタッチ。
スタート前に気持ちを高ぶらせることができた。第3ウェーブのスタートの号砲が鳴る。
7~8月のトレーニングを思い出し、いつも通り泳ぐことを意識する。2ビートという泳ぎ方は時間がなく習得できなかった。

集団泳によるバトルが始まる。

右左、前後、他の選手とぶつかる。もちろんぶつかるのが好きなわけではなく。普通に泳いでいるだけでぶつかる。
自分の脚に後ろを泳いでいる選手の手が引っかかり、一瞬溺れかける。

「落ち着け、まだまだ先は長い…」と言い聞かせスペースを探しながら泳ぐ。
ブイが見えた。それをいい感じでターンし折り返す。
このあたりでは、前後に5分差でスタートしたグループの選手と入り乱れる。
私はSWIMが得意でないので、速い選手にはすぐ追いつかれてしまったようだ。
河の流れに逆らい、まるでサケが産卵場所を探すかのごとく。

ゴーグルの前に何かの枝が絡んだ。それがまるで合図かのように、脚に痙攣がきた。
左のふくらはぎだった。もう何度も経験していたので、左脚を突っ張って泳ぐ。
しばらくすると右のふくらはぎも攣った。フィニッシュ地点が見えた。
まわりに人の歓声がする。河から顔をあげるたびに、地上の景色と音が表れる。
なんとも言えない幻想的な感覚だ。人間は母から生まれてくるまで羊水の中で育まれているんだ。


■TRANS1
重力がのしかかる。距離にして約1,000m、日本一長いトランジションの始まりだ。
呼吸を整え、歩幅は小さくして、ピッチをリズム良く刻む。後ろの方から「長げっー」と言う悲鳴も聞こえた。
ウェットスーツを慎重に脱ぐ。ウェット着脱時にはある程度力が入り、足や肩を攣ることがあるが、なんとか攣ることなく脱ぐことができた。
エイドでスポーツドリンクを補給。スタート前に出会った山本選手が既に自転車の準備をしている。
声を掛け合いながら、靴下を履き、ヘルメットを付け、ゼッケンベルトを腰に巻く。
ビンディングシューズに履き替え、補給ゼリーを胃に流し込む。
山本選手の「先に行って下さい」の一言を頂き、いざBIKEの旅へ。


■BIKE(40K)
「カチッ」と気持ちのいい音がなる。
ビンディングシューズをはめる音だ。この音が気持ちの切替になる。
最低時速30キロを目標にインナーギアで回転数90を心がける。
ゼッケンを着けるのを忘れたのか審判に警告を浴びせられた外国人選手が「ファック!」と声を荒げている。
その左側を颯爽と走り抜けた。
風になっている。
流線形のヘルメット、体にフィットしたトライスーツを身にまとい空気抵抗を限りなく抑えた状態でバイクに乗っていると、風と一体になれた。最高の気分だ。曇天という天気を除けば…

折り返してからは自転車はもう体の一部になっていた。アップダウンはそこまでないが、適当にギアチェンジをしたり、ダンシングを入れたり、ハンドリングも変えた。
あと5キロ…間も無くトランジションだ。


■TRANS2
自転車から降りると、再び重力を感じる。太腿がぱんぱんに張っている状態だ。走りづらいので、シューズを脱ぎ、左手に持ち、右手にバイクのサドルを持った。自転車を元の位置に戻し、ヘルメットを外し、サンバイザーを付けた。アシックスのランニングシューズに履き替える。一呼吸して、靴紐を結ぶ。

■RUN(10K)
走り始めから脚が上がらない。BIKEのスピード感とRUNのスピード感の違いに混乱した。
ペース感覚が把握できない。かと言ってペースを上げられる状態でないことだけは分かった。
まだ走り始めて500メートル。フルマラソンの30キロの壁を見ているようだった。ランニングウォッチはしていたが、使用しないで自分の感覚だけを頼りに走ることにする。裸一貫。一定のペースを意識する。沿道からの地元の方の声援が胸に響く。

しばらくして折り返してきた友人に気付く。彼は身長が190cmある大男だ。
いったい折り返し地点はどこなのだろうか?舗装されていない道を通り抜け、しばらくするとやっと折り返し地点が見えた。
大男がかなり速いと気付かされる。折り返し地点をまわり、エイドでスポーツドリンクを飲んだ。
折り返して走っていると、対向側で頑張って走っている選手の顔がよく分かる。
笑顔で走っている人はあまりいなかった。港区トライアスロン連合の理事長の姿が見えた。
40代半ばとは思えない走りっぷりだ。お互い声を掛け合う。元プロ野球の古田敦士選手ともすれ違った。
数字の「9」と書かれた看板が見えた。あと1キロだ。
一ノ宮海岸を右手にゴールまで一直線。波は荒々しく高い。追い風を体全体に受ける。なんだかいつもの1キロより長く感じる。
オレンジ色のフィニッシュゲートが見えた。
ゴール!最後は笑顔でフィニッシュできたと思います。


※7 ゴール後


■あとがき
初めてのトライアスロンを完走できて嬉しいです。来年は綺麗な海でのレースに挑もうと思います。
http://www.99t.jp/
SWIM(0:41:19)1197位
BIKE(1:28:53)560位
RUN(0:57:51)789位
男子総合順位:822位/1370人中 ※TO・DQ・DNF除く

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