東京トライアスロンクラブ

港区在住在勤者を中心とした会費無料のトライアスロンクラブです。

もちけんさんの挑戦   アイアンマンジャパン北海道@洞爺湖

2014-11-02 | レース紹介・体験記・観戦記






最初に: アイアンマンジャパン北海道、それは2014年8月24日(日)に洞爺湖で開催されたスイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2kmのトライアスロンのロングレース。社会人になり、色々なことがあり体重が激増した2011年の夏、会社の先輩に表参道のブリートー屋さんで、その体型は不味いだろと言われ、その場で2012年の石垣オリンピックディスタンスに出走することを約束。トレーニングを開始。 2011年の年末に45KMのマラニックと言うランの催しに出走するも、疲労骨折と言う最悪の結果に終わった。 其処からリハビリを実施し、何とか2012年の石垣オリンピックディスタンスをレンタルしたバイクのサドルが折れると言うハプニングがあったものの無事に完走することが出来た。本当に単純に勢いで2012年に台湾で行われたアイアンマンのハーフレースに出走、きちんとした補給の知識等も無かったため、ハンガーノックになり、足がつりまくると言うハプニングにも見舞われたが、何とか完走。 その翌年の2013年、ロングに挑戦しようと考え始めた。が、やはり気持ちでビビり、準備不足と言うこともあり、ロングへの出走を考え直した。


そして今年、必ずロングを完走するんだと言う意気込みの元、自分自身、逃げられないようにアイアンマンジャパン北海道に仲間と一緒に申込んだ。




準備: まず、ロングへの大会の日時が決まってから最初に実施したのが、練習の計画を立てることだった。それまでは全て勢いでやってきたので、初めて計画を立てた。まずオリンピックディスタンスの5月に行われた横浜大会に申込み、全て逆算での計画を立てた。 


それまで無計画だったことを振り替えると、本当に闇雲にやってきたのだなと実感。 大会の流れを決めた後、練習量に就いては、現在所属しているトライアスロンチームのT3の仲間とも相談し、スイム・バイク・ランをどのように実施して行くのかを決めた。スイムは時間を見つけて区民プールや小中学校のプール開放日に泳ぎ込み、海外出張中はホテルのプールで泳いだ。 バイクは週末、荒川を中心に何とか距離を稼ぎ、また、ジムに行ってエアロバイク等々を実施。 


ランは朝、会社に行く前に走る習慣を付け、何とか足を走れる筋力をつけられるようにした。 そして、何よりも合宿。合宿は2回参加した。 最初の合宿は港区が主催してくれた合宿で、初めてきちんと基礎を教えて貰った。その後、T3の合宿でバイクの山登り、海でのオープンウォータースイム、ランを実施して北海道の大会に準備をした。 また、初めて、補給食に就いて真剣に考えた。思い返せば2012年の台湾のアイアンマンハーフ、良く倒れなかったと思う。 何の準備もして行かず、勢いだけで行ったからだ。 


ロングの大会を控え、ロングを完走した方達のアドバイスを生で聞き、補給、レース中の要注意事項に就いて聞かせて貰った。 そして、以下のような補給食メニューに至った。 


大会当日の朝: スパ王を2つ+菓子パン+バナナ+水分補給 レース
直前:  ジェル 
スイム後:  ジェル+レッドブル 
バイク:   ジェル+塩分飴+チューブの梅+スポーツワッフル+カロリーメート+甘栗+スポーツドリンク 
バイク後:  ジェル+レッドブル 
ラン: ジェル+塩分飴+チューブの梅+スポーツワッフル+カロリーメート+甘栗+スポーツドリンク 


また、今までに買っていなかったグッズに就いても考え、持参することにした。 それが以下。 痛み止めとしてロキソニン バイクとランで雨が降った時ようの薄いウィンドブレーカー ランの時にボトルを腰に巻けるウェストポーチ 大会を一週間後に控えた週末、持参するグッズ、補給食を買い込んだ。 必要なグッズを忘れていないか、持ち物グッズリストをインターネットで適当に検索したものをプリントアウトし、チェックをしながら準備を行った。例えばパンクした時のチューブを忘れたり、細かいけれど大会に持参しないと行けない健康保険証のコピーなど、リストで確認しなければ忘れてしまう物が多いと感じた。 これからは毎回、どのような大会でもリストで確認しようと思う。 


それでも、後述する通り雨が降ってきた時にトランジッションエリアに置いておくバイクに掛けるビニール袋を持って行くのを忘れてしまい、洞爺湖で買おうと思ったが、皆が買ってしまったため、コンビニからゴミ袋が売り切れるというハプニングに見舞われた。 





移動: 8/21(木)、準備したグッズを詰め込み、またバイクを輸行袋に入れ、眠りに就いた。 8/22(金)の早朝、羽田空港から新千歳空港迄、大会に一緒に出走するT3の仲間と移動し、ハイエースにバイクを詰め込み、洞爺湖に移動。 出走の登録を行い、大会前の説明会に出席。 ゴールの場所に行って気持ちを高めた。 8/22(金)は炭水化物を中心に、一日7食を食べた。 皆でホテルの温泉に入り、その日は就寝。 大会前日の8/23(土)、朝から雨がぱらついていたが、早朝体をちょっとだけ動かすことを目的に洞爺湖をジョグ。 その後、皆で朝食を取り、バイクチェックインに向かった。 


バイクチェックインの時に、皆、雨対策としてビニール袋や、バイク専用の袋を掛けているのを見て、一緒に出走するT3の仲間と、ビニール袋を買いにコンビニへ。が、全て売り切れていた。 どうしようか悩んでいた所、お土産屋さんがあったので、駄目元でお土産屋さんにビニール袋が売っていないか確認をした所、売っていた。何と、一枚50円。 ぼられたと思ったが、勿論購入し、バイクに掛けに行った。夕方~夜に掛け、本当に激しい雨が降ったため、ビニール袋をバイクに掛けられて良かったと思う。 その後、バイクコースはかなり上りがあり、且つ、最後の最後にかなりきつい坂があると聞いていたため、皆でハイエースに乗り込んでバイクコースを試走。 


そして、その日はホテルで17時から夕食。 炭水化物を中心に胃がパンパンになるまで、炭水化物を押し込んだ。(しかし、ロングは肉体だけで無く、胃袋との勝負でもあると感じた。) また、一般のお客さんも泊まっていて、ホテルから白米が無くなってしまうハプニングがあった。 小さな子供が、「ご飯が無いよ~~」と寂しい顔をしていた。 トライアスロン軍団は一般のお客さんにレストランでは迷惑だと思った。 18:30には就寝。中々寝付けないかと思ったが、19時には寝ていたと思う。 目覚まし時計は携帯も併せて3つ。 大会当日の朝、2:30にセットした。 





当日の朝:2:30にセットしていた目覚ましよりも数分早く、何故か目が覚めた。 起きて直ぐにしたことは、お湯を沸かすことだった。お湯を沸かし、持参したスパ王のミートソースをまずは作り、食べ、その後にタラコ味のものを作って食べ、菓子パン、及びバナナを胃の中に押し込んだ。勿論水分補給も非常に大事だと言うことで、スポーツドリンクを出来るだけ胃の中に入れるように努めた。 


また、アミノ酸のサプリメントも取った。 時計を見ると、既に3:30近くになっていた。 4:00に皆でホテルを出発する予定だったので、あっと言う間に時間が過ぎている感じがした。 ここで本当に重要だと思ったのがトイレ。気が引けるが、敢えてトイレに就いて触れさせて貰う。しっかりとトイレに行って置かなければならないと言うアドバイスを色々な方から頂いた。が、トイレは自分がしたい時に出るものでは無いので、このトイレに行く時間を計算しておく必要がある。



会場に到着: トイレに十分に行ったつもりで皆と一緒に会場へ出発。 歩くこと15分強。 グッズの最終確認を行い、スイムスタートの6:10迄ストレッチやアップをしようと考えていた。 が、其処でまたトイレに行きたくなった。 仮設のトイレは一杯あるが、それ以上にトイレに行きたい人が多く、大行列が。 やばい、、、、と思い、思い切ってホテルに戻ろうと歩いき出した所、会場近くのホテルの方が、トイレだったら使いなよ、と。 助かった!!! トイレを済ませ、再び会場に。 本当にトイレは重要だと思う。


特に女性の場合は気を付けなければならない重要項目だと改めて実感! トイレの話はこれ位、と言ってもまた後でトイレの話はしたいと思う。 メンバーの皆でウェットに着替え、気合いを入れた所、隣にすっごい奇麗な人が。道端カレンさんがいた。思わず話しかけてしまった。「頑張って下さい!」と言われ、「は~い!!」と思わず声が上ずってしまった。。 (心の中では貴女のために頑張ります!とメロメロ状態) おっと駄目だ、ちゃんと気持ちを整えないと!!! 



スイムスタート: そうこうしている内に、整列が始まった。僕は第2ウェーブ。 紫のスイムキャップの軍団の中に。 第1ウェーブはエリート、所謂プロの方達。 スイムは1+2/3週の計3.8km。 イメージトレーニングをきっちりとしていたが、やはり本番になるとドキドキ感が半端で無い。洞爺湖は直ぐに足が付かなくなり、底も見えない。 パニックにならないようにしないと。パニックになった時は、そうだ、港区の合宿で教えて貰ったラッコスタイルだ。 


これを思い出しただけで気持ちが楽になった。 最初の大きなブイまで1km。 絶対に焦ってはならない。 気持ちを落ち着かせ、やってきたことを思い出せと自分に言い聞かせた。 いよいよエリートの第1ウェーブがスタート。 めちゃくちゃ早い! 焦っては駄目だ、自分はスローペースで良いので飽くまでもゆっくり泳ぐ、ゆっくり泳ぐんだと呪文を唱えるように自分に語りかけていた。 第1ウェーブがスタートをした後、今回はフローティングスタートと言う、水の中に入りプカプカ浮いた状態でスタートするスタイルなので紫キャップ集団が水の中に。 


大きい声を出した。周りも出した。

「アイアンマンになるぞ!おーーーーーー!!!」 

テンションがまじで最高潮に。 が、これで焦ってスタートしたら駄目だと自分に言い聞かせた瞬間、スタートのホーンが鳴った。 皆泳ぎだした。 僕は中間位の位置で人が混み合っていない所からゆっくりとスタート。本当にゆっくりと泳ぎだした。ウェットで胸が締め付けられる感じ、腕が回しにくい感じ、今までのレースと変わらない!と自分に言い聞かせ、息継ぎの度に気持ちをリラックスさせるように心掛けた。 その時、「しょっぱく無い!」当たり前だが、洞爺湖は淡水。 落ち着けた。 自分のペースでヘッドアップを何度かして進んで行った。 その時思い出したのが、港区の合宿で教えて貰った、「人に着いて行くと楽だよ」の一言だった。 試してみよう。 楽だ! 本当に楽だ! 後、ヘッドアップしている人達の後ろに着いて行けば自分はヘッドアップしなくて良い。 着いて行った人がコースを間違えたら、それはそれで良いやーーーー!!と楽に考え泳いだ。 いつの間にかブイを周り、一周目が終わった。 





疲れてはいるが、まだ行けるぞ。 二周目も一周目同様、人に着いて行った。泳ぎ切った。 スイムが終わり、トランジションエリアに向かった。 後から見たらスイムのタイムは1:16:45。 結構良いタイムだった。





スイム~バイクへのトランジッション: まずはウェットスーツを脱いだ。 多少強引に脱がないと駄目だが、強引過ぎると足がつってしまう可能性もあるため、座ってゆっくり脱いだ。 ウェットの下にはトライウェアを着ていたが、バイクはその上にもう一枚、バイクウェアを着ることを考えていた。 ゆっくりとバイクウェアの上下を着た。 二重に着る理由は特にお尻。 二重にウェアを着ることで、クッション性を確保する作戦だ。また、ふくらはぎのサポーター、そして左膝のサポーター、ゆっくりと付けた。 ヘルメットを被り、補給食を食べ、レッドブルを飲み干した。 周りはどんどんバイクを取りに出て行く。 焦っては駄目だ。 自分はゆっくりで良いんだと言い聞かせた。 後で完走証明書を見た所、ここのトランジッションに14:03も掛かっていた。 


T3のメンバー全員にお茶でもしてたの?と笑われてしまった。 が、結果オーライ!! サングラスをしていざバイクを取りに。 おっと、手袋を忘れていた。 手袋をして漸くバイクを取りに。 地面が前日と当日の朝の雨でドロドロ! 皆、バイクを担いでいる。 担いだら体力消耗するだけやん、と思い、自分は泥の中をバイクを押して行った。 


これがちょっとしたアクシデントに繋がることも知らずに。。。。 バイクに乗って良い場所迄たどり着き、バイクに跨がった。 いよいよ180kmの長旅。 気が滅入る。 ゆっくり行こう。 と乗り出した時、やけに滑る。 タイヤに大量の泥が付着しているため、タイヤが滑る!!! おーーーーーーだから皆バイクを担いでいたんだ。。 知らなかった。。。。  けど時既に遅し。 


滑りながら何とか走り出した。 ブレーキを、、、ええーーーーー!!!効かない。。。。。。 「何でやねん!!!」これは思わず声を出してしまった。 見たらブレーキパッドに大量の泥が付着していたからだった。 「泥の中、バイクは皆、担ぎましょう」と言う5・7・5が思わず出て来てしまった。 



バイクの旅(洞爺湖の周り)

 泥だらけのタイヤとブレーキ。 そんなことはどうでも良いと思うバイクの距離。 まずは洞爺湖の周りをバイクで進む。最初は抑え気味で時速20~25kmで行く予定にしていたので、ゆっくりとしたペース。だが、どんどん追い抜かれていく。やはりペースを上げた方が良いのか?? 嫌、ここで頑張っても、意味無いだろう、まずはスローペースを守ろう、と言い聞かせながらバイクをひたすら漕ぐ。但し、漕ぐと言う感覚では無く、足の重さでペダルを回す感覚を忘れないように気を付けた。 考えていた補給に就いて冷静になろうとバイクに跨がりながら考えた。 


バイクはDHバーの所に大きなストロー付きのボトル。これには濃いめのスポーツドリンクを入れていた。そしてフレームの部分に2箇所、2つのボトル。1つは真水。そしてもう1つにはジェルを。そしてフレームの上位部分にテープでジェルのショットを7つ貼り付け、弁当ボックスと言われる小さなポーチの様なものにチューブの梅、ロキソニン、塩飴、スポーツワッフル、そしてカロリーメートを搭載。 トライスーツの上に来たバイクウェアの後ろのポケット。この中にアミノ酸のジェル、塩タブレット、そしてウィンドブレーカーを入れた。 ボトルに入れたジェルは5km毎にチューチューちょっとづつ吸い、水分補給はマメに行い、ショットのジェルは20km毎、そして飽きたらスポーツワッフル、そして大好きなカロリーメートはご褒美と思っていた。 


そして何よりも気を付けないといけないのが塩分補給。塩分はまめに補給することにした。そのためのチューブ梅、塩飴、そして塩タブレットだった。 洞爺湖の周りは平坦でペース、そして心を落ち着けるために凄い助かった。 





バイクの旅(始めの上りと下り)

 最初の難関が洞爺湖の周りを進んだ後に来る山登り。 始まったばかりと言うことで、力まず、一番軽いギアで無理をせず上った。しかし、結構体力を消耗した。しっかりと補給をした。チューブの梅が本当に口の中に絶妙な酸っぱさを演出してくれ、助かった。 登り切った後は農場の間を抜ける道、そしてその道を行くと凄い下り坂。下り坂で体を休めて行かないと。一切下りではペダルを漕がないぞ!! そう言い聞かせながら進んで行った。下り坂直前、「そう言えば、ブレーキ大丈夫かな??」何度か試した。効く。けれど心配だったので一旦バイクを下り、ブレーキパッドに付いている泥を念のため拭き取った。 そして一気に下った。爽快!!! けど、これと同じ距離を上らないと行けない!!! 最後に。。。。 大変だ。。。。。 





そして坂を下った時、下半身、特に股関節付近に感じたことも無い違和感が。。。。痛みでは無い、何だこの痺れ??? パンツの位置が悪いのか??? ずらそうと思い、手でパンツをずらそうとした。自分の肌を触っているはずなのに、何だかおかしい。。。 


そう言えば、学生時代に下半身麻酔で手術をした後、自分の下半身を触った時のあの変な感触。ひょっとしてやばい!?!?! 焦った。 本当に焦った。パンツを2重に履いているからか?練習ではこんなことは無かったが。。。どうしよう。ちょっとずらして見よう。思い切って手をパンツの中に入れてバイクを漕ぎながらずらした。 


後から、このとき、自分の皮膚を2cmほど削ってしまい、出血していたことをお風呂に入った時に気づいた。その時は痺れで痛みは感じなかった。 バイクの旅(長い上りと下り、そしてアップ&ダウン、下っているはずがそんな感じはしない) 何とか痺れを克服し、補給に注意をしてバイクをひたすら漕いだ。疲れる。本当に疲れる。オリンピックディスタンスの40kmを超えた、次の目標はハーフディスタンスの90kmを目指す。 エードステーションでは必ず補給した。


しかし長い、やばい、長い、まだまだ終わらない。。。何でこんな大会に出走したんだろう。。。。嫌だ、辞めたい。終わりたい。。。。何度も何度も頭の中で悪魔の囁きが。。


そうだ、こんな時のために大好きなカロリーメートを搭載してたんだ!! カロリーメートを落とさないように弁当ボックスから取り出し口の中に含んだ!! 幸せ??、、、嫌、口の中の水分が全てカロリーメートに取られていく!!!! 口の中がパサパサになるやんけーーーー!!!何でカロリーメートなんて搭載したんやーーー!!!! 後悔の念が一気に押し寄せた。 それでもひたすらバイクを漕ぐしか無かった。もう2度とカロリーメートは搭載しないぞ!と固く誓った。 


しかし、ひたすら漕いでも漕いでもゴールが近づかない気がした。 下っているはずが微妙なアップ&ダウンで体力が着実に削られていく。唯一の救いは曇っていて気温が低いことだ。後、チューブの梅を舐めた時に貰える刺激、これは病み付きになるぞ!!! 


バイクの旅(スペシャルニーズのエードステーション) 

もう嫌だ。。 足が痛いし、果てしなく感じるし、なんでやねん、なんでやねん。 何でバイク漕いでるんやろ??? こればっかりが頭に浮かんで来る。 もう少しでスペシャルニーズが置いているエードステーションだ。 スペシャルニーズとは、自分専用に別途預ける補給食等が入った袋を受け取れるエードステーションのことだ。 漸く辿り着いた。。 袋の中にはレッドブル+カロリーメート+甘栗を入れていた。カロリーメートには悪いが、君は無視だ。まずはレッドブルを飲み干した。そして甘栗の袋を空け、2粒甘栗を食べた。正直もうええわーーーと思った。 周りを見た。 えーー!!!歯を磨いている人が!!! スペシャルニーズの袋の中に歯ブラシと歯磨き粉。リフレッシュするための本当にスペシャルは技だな!!色々あるんだな。次に出走することがあれば色々と考えよう。


カロリーメートは無いけどね!! 


オッと、ここでトイレに行きたい。補給食しか食べていないはずなのにトイレに行きたい。 簡易トイレが直ぐ其処に。 トイレに行った。 この時思った。 ウェアを2重に履いていたもが、上下がセパレートタイプになっているもので脱ぎやすかった。 これがワンピースだったら。。。。 しかし、足を屈めるのが本当にきつい!! 何で和式タイプしか無いねん!!! スペシャルニーズのエードステーションでもゆっくり過ごした。 ストレッチもした。おや? 何だか元気が出て来たぞ!! これってレッドブル効果? 効果があるうちに距離を稼がないと!!急いでバイクに跨がった。 


上り坂、それはT3の合宿で教えて貰った立ち漕ぎ。自分の体重で坂を上る。 以外と疲れない。 行けるぞ!!! けど、頑張りすぎて力を使ってしまうと、まだまだ距離が残っているからな。。。。。 やるしか無い。 行くしか無い。  


バイクの旅(最後??の上り坂)

おーっと、来た、遂に来た、上り坂。 最後の上り坂? 嫌、ちょっと待てよ。 来た時の景色と違うぞ。 ひょっとしてこの坂が最後の坂では無いのか!?!?! そうであれば、力を振り絞ってはまずい。 最後の上り坂を登り切れない。 何でやねん!!ここに来てこの坂は!!! 漸く登り切った。 下りが来た。 やはりこの下りがあることは最後にあの恐怖の上り坂がある。 良かった、バイクコースを下見していて。 良かった、チューブの梅を搭載していて!! 一気に下った。 


下り切った所、其処に現れたのは壁のような最後の上り坂。 周りの皆ももう疲れ果てていて、泣いている人もいた。僕も泣いた。上りながら泣いた。 泣きながらペダルを漕いだ。泣いてもどうにもならないけどひたすら泣いた。 それでも頂上は現れない。 何でこんな競技始めたんやろか。。。 何の意味があるんやろか、、、 この坂、拷問やんけ、、、誰がコース考えてん!!! 意味無いことをブツブツ唱えてひたすら上った。 登り切った。太ももがつった。 やばい!!! 





あ! そう言えば港区の合宿の帰りのバスの中でつりそうになった時に舌にシュッとするスプレーが景品で出された。あれ、買ってウェアの後ろに入れていた!!! 使ってみよう。 使ったことが無いけど、使ってみよう。 神様お願い! どうにかこの太もものつりを直して!!! シュッと1回。 えーーい、もう良い、10回位シュッとした。 シュッでは無く、飲んでる感じだ。 おーーーーーー!!!!! ほんまにスプレーが効いた!! スプレーバンザイ!!! 本当に太もものつった状態が回復した。 驚いた!! 念には念を入れてロキソニンも飲んだ。 後は長い下りと洞爺湖の周りだけだ!!!!  



バイクの旅(終わり) 

最後の坂は爽快だった!!! 本当に爽快だった!! そして最後の洞爺湖の周り、フラット。 このフラットがきつかった。 本当にきつかった。 5kmがめちゃくちゃ遠く感じた。 そして漸く戻ってきた。 長かった180.2km。 バイクの時間は7:35:49。 時間が掛かった。 


バイク~ランへのトランジッション:

本当にバイクは時間が掛かった。 けれど、これからフルマラソン。 何でやねん!! こんなスポーツあかんやろ!!! ここのトランジッションでも時間をたっぷりと使った。 9:45。 まずバイクシューズを脱いだ。 足が本当に痛い! そしてヘルメット、サングラスを外し、バイクウェアを脱いだ。 トランジッションバックから帽子、シューズを出し、レッドブルを一気に飲んだ。 シューズを履き、帽子を被り、腰にポーチをしてジェルの入ったボトルを入れた。 立ち上がった。 ポーチ、めちゃくちゃ重たいやんけ!! こんなん付けてフル走れるか!! 


直ぐにポーチを外した。 補給食どうしよう? 特にチューブの梅、塩関係どうしよう?? トライスーツの後ろのポッケに詰め込んだ。 ポーチはトランジションバックに戻し、そして長い、長い、フルマラソンの旅が始まった。 練習では感じなかったボトルの重さ。本番で感じるとは。。。 やはり本番は何が起きるか分からないな。 おっと、最後にウィンドブレーカーを忘れていた。 ウィンドブレーカーもトライウェアの後ろのポッケに押し込んだ。 ポッケって大事!! 






ランのスタート: 

バイクを漕いだ後の走り出しは何時も足がフワフワした感じがするが、今回は更にそのフワフワ感が半端無い。 こんな足でフルマラソンの距離を走破出来るのか? ほんまにゴールに辿り着けるのか? そんなことをひたすら自問自答しながら走り出した。 コースはバイクのトランジッションエリアからまずはゴール地点まで走り、折り返して湖畔を上がり、折り返すことを2回すると言うコース。 


実は前日迄、1往復と言う先入観があり、たわいも無い会話の中で、実は2往復することに気づいた。2往復、走る前から本当に気が滅入っていた。 まずはゴール地点迄ゆっくりと走る。 バイクから引き継いだ足の痛みを我慢しながら足を前に進めることだけを考えた。 しかし、足がつりそうになる。 やばい。 そうだ、舌にシュッをすれば良いんだ。確かトライウェアのポッケに押し込んだはずのスプレーを。ちょっとでもつりそうになればシュッ、その繰り返しで何とかゴール地点の折り返しに。えーーーーまだ2km程度しか走って無いの!!! やばい、これはやばい、21倍以上も走らなあかんやん。。。。 

ラン、最初の北上: ゴール地点の折り返しから今度はひたすら、本当にひたすら北上だ! やばい、ほんまにやばい、足が全然動かない。。 補給はマメにしよう。 と其処に、見慣れたウェアが。 おーーーー!! ハイタッチした。 仲間とすれ違うと元気が出る。 元気を貰えた。 足を前に、前に、一歩ずつ出すしか無い、その繰り返しだ、そんなこと分かっているけど辛い、痛い!!!! 目の前にスタイル抜群の白人の女性が走っていた。 めちゃくちゃ足が痛そう。 ゼッケン番号を見たらエリートの人。 プロでも痛いもんは痛いんや。 当たり前やけど。 頑張るしか無い。 ひたすら頑張るしか無い。


今度は別の仲間とすれ違った。 お互い目で会話、そしてハイタッチ。 本当に仲間がいて良かった。 北上するしか無い。 一旦公道に出た後、洞爺湖の湖畔のあぜ道に入り、其処から北上、北上、北上。 10kmってこんなに長かったっけ? 距離の計測間違えてるんとちゃうんか!!! 何故か距離に対して怒りがこみ上げてきた。 怒っても距離は縮まらないのに。。。。。。 


エードステーションではしっかり補給した。 ボランティアの皆さんから暑いエール。 ありがとう! エールでこんなに元気が出るなんて!! 北上して漸く折り返し地点に到着。 長かった。 本当に長かった。 やばい、まだまだ距離あるやん。 足が本当に痛い。 ひたすら痛い。 痛いとしか言えない。 足の甲、足首、太もも、全てが痛い。 皆も痛がっている。 我慢するしか無い。。。。 ストレッチしても全然良くならない。 けど、ひたすら走るしか無い。 今回のランで1つだけ決めていたことがある。 それはエードステーションでは立ち止っても良いが、絶対に歩かないと言うことだ。 絶対に歩かない、歩かない、歩かない、呪文を唱えた。 


ラン、最初の南下:

来た道を今度は南下。 来た時より距離が伸びてるんちゃうか!!!! 全然前に進んでいる気がしない!!  こんなんでほんまにゴール出来るんか??? おーー!! T3メンバーで今回唯一の女性参加者の仲間が遠くに見えた。 仲間はやっぱり目に付くもんだ、近づいてハイタッチしよう!!! どんどん近づく、アレっ?? 違う人やん。。。。 気分的にげんなり。 それでも走らないと行けない。 公道に漸く出れた。 其処で本当に仲間とすれ違った。 向こうから声を掛けてくれた。 助かった。 力を貰った。 頑張るぞ!!!


 しかし、何でこんなことしてるんやろ??? 頭悪すぎやろ!! まだ半分も走ってないで!!! 漸くトランジッションエリアに戻って来れた。 沿道の応援に勇気を貰えた。 またあのゴール地点の折り返しまで走らなあかんのかーーーー 遠いなーーーー 足痛いなーーーー。  補給はマメに。 しっかし、チューブの梅、ほんまに美味い!!! 持って来て良かった。 そして漸く折り返し。 既にゴールしてる人達がいるやん!! えーーなーー。 早くこの苦痛から解放されたい!!! メダルを掛けている選手が目に付いた。 あのメダル、絶対に貰うぞ!!!! 


ラン、2度目の北上:

 足の痛さが半端無く凄くなってきた。 こんな足の状態でほんまにゴール出来るんかな?? 2度目の北上、仲間とすれ違う。 皆も朦朧としている。 僕もかなり朦朧として来た。 大分、太陽が傾いて来たな。 ゴールする頃にはまっくらなんだろうなーーー。。。 しかし、2度目の北上、めちゃくちゃ距離があるやん。 絶対に1度目より地面が縦に伸びてるで、ほんまにこんな競技2度とせーーへんで。 辞めたる、辞めたる、けど歩かへんで、今回は這ってでもゴールするで。 その後、こんな競技辞めたる!!! 一生走らへんで!!! どんどん陽がくれてきた。 寒いなーーーー 胸の辺りが痺れて来た。 やばい、低体温症ちゃうか? あっ! ウィンドブレーカー持ってるやん。 ウィンドブレーカーを羽織った。 羽織って良かった。 寒さ対策を考えて来て良かった。 胸の痺れは無くなった。 暗くなって来た。 あぜ道に入って一層暗くなって来た。 エードステーションでライトが配られた。 手に持って最初は走った。 邪魔!!! こんなん持って走れるか!!! けど持たないと危険。。。。 えーーい、ウェアの後ろのポッケにライトを押し込んだ。 これならまだ走れる!! 北上して折り返したら、後は戻るだけやん!! 頑張れ自分! 頑張れ皆!! 皆痛い、皆それでも走ってる。 行くしか無い。 漸く北上して折り返し地点に来た!!!! おっと!! トイレに行きたい。 トイレを探した。 直ぐに簡易トイレが目に付いた。 トイレに行った。


バイクの時のトイレ以上に足を屈めるのが苦痛だった。 一旦屈めると、もう伸ばせないんとちゃうか???? しっかし、何で和式しか無いねん!!! 


ラン、最後の南下:

トイレに行って何だか気持ちが楽になった。 後、体が軽くなった気がした。 暗い。 早くゴールに帰りたい。 暗い。 あぜ道で躓いている人がいる。 地面が見えない! 吐いている人も何人もいる。 動けなくなっている人もいる。 歩いている人もいる。 皆頑張れ!! 僕も頑張る。 自然と皆、声を掛け合った。 足は相変わらず痛い! ほんまに痛い!! 


が、何だか足を前に出すスピードが上がって来た。 何だろうこれ??? セカンドウィンドウ? 折角だ、この感覚がある時に距離を稼ごう!!! どんどん走った。 自分で言うのは何だが、ここに来てこのペース、凄い! 周りも驚いている。 どんどん追い抜かして行く。 すれ違った人も追い抜かして行く。 こんなペース、本当に最後迄持つの? 持たなくてもここで距離を稼がないとゴール出来ない気がした。 ひたすら走った。 足は痛い、「痛い!!」と叫びながら走った。  公道に出た。 ペースは落ちない。 それどころか、上がっていく。 こんな感じ初めてだ。 自分の足、どうなってんの? 痛いのに勝手に前に足が出る。 もう真っ暗。 真っ暗でもひたすら走る。 走るペースは落ちない!!! このままいけ!!! トランジッションエリアに戻ってきた。 後はゴールまでだ!!! 本当にペースが落ちない。 何やねんこのスピード!!! ひたすら走った。 遠くの方でゴールの歓声が聞こえて来た。 もうすぐゴール、もうすぐゴール。 


沿道で応援してくれている人達が全員愛おしかった。 本当にありがとう!!! もうちょっと、もうちょっと、足は痛い、けどもうちょっと!!! ペースは落ちない。 まだペースを上げられる! 行ける! 行けるぞ! 痛いけど行けるぞ!!! 見えて来たゴール地点が。 最後の折り返し!!! 折り返した! 遂に折り返した。 長かった!! 「もっちゃん!!!」既にゴールした仲間が折り返し地点にいてくれた。 「おーーーーー!!!!」何を叫んだか分からない。 嬉しかった。 T3の仲間と一緒に出走して良かった!!!






 ゴ~~~~ル!!!!!! 



ランのタイム4:48:15。 5時間を切れた。 最後の仲間がゴールするまでに1時間位あった。 お風呂に入りに行った。 全身が痛かった。 ワセリンを大量に塗っていたけど、すれて血が出ている箇所が何カ所もあった。 泣いてしまった。 痛くて泣いたのでは無い。 ゴール出来たから泣いていた。 遂にアイアンマン!!! 


最後の仲間がゴールする時間、絶対に応援しに行くぞ! 着替えた。 着替えるのも億劫だったが、絶対に仲間のゴールは見届けないと!! ゴール地点に行った。 既に他の仲間は待っていた。 続々とゴールする人、そしてこれから2周目に入る人。 全ての選手に大声で応援した。 そして仲間がゴール!!! 僕だけフィニッシャーTシャツを着るのを忘れた。 皆に笑われたがこれも良い想い出だ!!! 


最後に:

 仲間の大事さを痛感した。 練習もそうだが、本番も仲間がいなければ挫折していたと思う。 絶対に仲間と一緒にレースに出るべきだ。 もう2度と出走なんてするもんかと思ったロング。 また出てみようかな?? まずは休息だけど!!(体重増に要注意!) 東京トライアスロンクラブの皆とも短い距離で良いので、まずはレースに一緒に出て見たい! 出よう! 思った時に出よう! その前に練習に参加します!!レポーター アイアンマンもちけんさん。


Pain is temporary and the memories last forever!  
Do it and you can do it,  so just do it!! 




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