猫野トクコの生活

気が向いたときにどうでもイイコトをダラダラ語るオナゴの日記

包帯クラブ

2007年10月15日 23時08分47秒 | 邦画を観たよ

9月に観に行った映画だったんだけど、
ブログをさぼっているうちに…
あーぁ…名古屋の上映、終わっちゃったね 


でも、でも、とてもイイ作品なので、
書こうと思います 
レンタルでお手にとって頂きたい作品です。


包帯クラブ

公式サイト : http://www.ho-tai.jp/


心の傷の痛みは当人しか分からない。

人生に嫌気を感じていた高校生のワラ(石原さとみ)は、
何となくフラリと病院の屋上の柵に登ってしまう。

そこで、偶然出会った不思議な少年ディノ(柳楽優弥)は、
ワラが自殺しそうだった屋上の柵に
下手な関西弁で「てあてや」と言って包帯を巻いてくれた。

「そんなことで
…」不貞腐れた態度をとりつつも、
ワラはナゼか心の傷が癒された気がした。

それをキッカケに、人の傷ついた場所に
包帯を巻く「包帯クラブ」を始めることになる。



なんて爽やかなイイ映画なんだ!


冒頭からハンバートハンバートの音楽が
スルスルっと映画の世界に惹きこんでくれる。



石原さとみ の可愛さ、
柳楽優弥 の繊細な変人ぶり、
また、田中圭 や 貫地谷しほり など
脇までキッチリ有望株揃い

巧い子を揃えているから、
青春映画でありながら、
しっかりしたテーマを突きつけられて、
心にズッシリとくる映画でした。


自分のことだけで精一杯な
主人公のワラ(石原さとみ)も、
映画の登場シーンでは友達の傷も見えない状態でした。



親友のタンシオ(貫地谷しほり)の傷は、恋の傷。
両親が離婚して、
愛なんて信じていないワラには、
タンシオの相談なんて下らなく感じたことでしょう。

だけど、人の悩みや心の傷は、
他人が軽い重いを判断できるような簡単なものではない。

タンシオの頭の中が恋しかないのなら、
タンシオは失恋することにより
カラッポになるわけですから、
他人にアホらしいことでも、
結構、失恋って重症なんですよね


この映画に登場する人達は、
みんな傷ついていて、重たいものを抱えている。

傷ついた若い彼らは、自分の傷を見つめるよりも、
人の傷を理解しようとすることを始めた。

他人の気持ちを考えながら、
他人の傷に包帯を巻く活動。

妙な関西弁を話すディノは言うのです。

包帯一本で世界が変わったらめっけもんや!

何もせんよりましや!


この発想がなかなかできないもの

「目には目を、歯には歯を」何て言葉もあるのに、
「他人の傷を、自分の傷に」
この逆転の発想が、
本当の意味の 強さ と言うものなんじゃないでしょうか


本当の優しさ、本当の強さって、
自分の傷しか見えない人には
持てないものなのですね。


2000年に上映された ペイ・フォワード って
いう作品はご存知でしょうか

 http://www.awaji-net.com/pay-forward/

善意で世界を変える可能性を
真剣に考えさせる凄い作品です

ラストで現実をつきつけられるので、
結構、重々しい作品となっております


ペイ・フォワードと同じようなテーマなんですけど、
包帯クラブは、青春映画なのでとっても爽やかぁ~


邦画だということで、より身近に感じました。

特に身近に感じられたのはテンポの存在が大きい

包帯クラブの活動について話すワラ(石原さとみ)
に向って、友達のテンポ(関めぐみ)は言います。

キモチワルイ…


このテンポの台詞は、ズキッっと響く
シビアでリアルな台詞でした…。

善行 
を 偽善 という人もいる

ボランティア を 自己満足 という人もいる

人の善意 を気持ち悪く感じてしまう人が、
意外と多いのが悲しいね・・・このご時勢



テンポ自身が自らの傷で精一杯で、
発してしまった一言なのですが、
誰でもそういう時もありますよね

人の笑顔さえも憎たらしく感じてしまうこと。
若い頃には、ワタシにだって経験あるある。

そういう若者がいる一方で、
ラストの感動のシーン
ちょっとしたネタバレなので反転させときますね。
 ツッコミという少年が寛大  だったことが、
この映画の救いになってます。


人のために何か善い事しましょう。
という押し付けがましい映画じゃなくて、
善い事かもしれないと思って、
軽いノリでやってみたら、
思いがけず、自分達が成長しちゃいました

そういう軽さが爽やかでとてもいい

この作品を観て、何か癒されたなぁ~


知らず知らずのうちに、
ワタシも包帯巻かれちゃったみたいですね。

大した傷なんて何も無いんですけどね(笑)



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6 コメント

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思いやり・・・ (LEON)
2007-10-17 01:07:56
ペイ・フォワードは見ましたよっ。DVDも持ってます。
一人一人善意の輪を広げてく・・・・
そしたら、世界は平和になる。
ラストは悲しい結末でしたよねっ。

自分だけの事しか考えない世の中・・・・
なかなか、難しい事でもあります。
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● LEONさんへ (トクコ)
2007-10-17 23:28:08
いい作品のDVDをお持ちなんですね。

ペイ・フォワードの少年も、
自分自身恵まれた環境ではないのに、
誰かを助けたいという気持ちに溢れているじゃないですか

こんな世の中だけれど、
ペイフォワードという映画に
感銘を受けた人がいること…
これが世の中、捨てたもんじゃない証拠ですよね。

可能性はゼロじゃない!
返信する
おひさ~♪ (Hoo~♪)
2007-10-19 21:51:32
この映画、タイトルと予告だけで、引いちゃった。

そんなに いい映画だったなんて

私は・・・「パンズ・ラビリンス」を見てから、立ち直れない状態でっせ

衝撃的な映画でした。。。

トクコちゃんも見てね。おススメです。
返信する
● Hoo~♪さんへ (トクコ)
2007-10-23 22:03:36
パンズ・ラビリンスですが、
名古屋では終わっちゃったのかな?

それともこれからか?
返信する
私もおひさ~♪ (hoppen)
2007-10-29 18:12:11
よかったですよね、この映画。
同じように感じてくださって、うれしい♪
柳楽君の傷に包帯が巻かれるシーン、とてもよかった。
つらい涙の中に、笑顔が見えていたのが印象的でした。
全然売れなかったみたいで、残念ですが。
DVDとかで、たくさんの人に見てほしいですね。
返信する
● hoppenさんへ (トクコ)
2007-10-30 22:33:20
「自虐の詩」が思ったよりいい映画で、
監督もココ名古屋の方だし、
そういう繋がりで観に行って、
まさか泣かされるとは思いませんでした(笑)

柳楽君の存在感はスゴイですね!
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