猫野トクコの生活

気が向いたときにどうでもイイコトをダラダラ語るオナゴの日記

それでもボクはやってない

2007年03月16日 19時27分28秒 | 邦画を観たよ

公式サイト : http://www.soreboku.jp/index.html

わぁ~、2007年も始まったばかりなのに、
早くもこんな出来のイイ作品を観てしまいました

今後の邦画がトーンダウンしてみえること間違いなし

超秀作でした!


この映画が面白いっなんて言ったら、
周防監督の作品ですから、
前作「Shall we ダンス?」みたいな作品を
想像してしまうかもしれませんが、
今回の 面白い という意味は、
とってもとっても 興味深い ということ
笑いはありませんが、裁判の不思議がいっぱいです


フィクションなんだけど、
ノンフィクションと言ってもいいほど、
リアルな感覚を味わうことができますよ。

色んな出演者に感情移入しまくりで、
もうお腹いっぱいです (* ̄◇)=3 ゲプッ


この映画は冤罪裁判がテーマの映画ですから、
もっと熱い弁護士が声を張上げて、
悪い刑事と徹底的に戦うのかと思ってましたヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

ま、それじゃ、かなり在り来たりですけどね


流れは至って簡単。
若者が逮捕されて、裁判になって、判決が出るという話。
さてさて、ここからネタバレ注意です----------------------------------

最初は、この主人公、徹平(加瀬亮)に、
問題がありすぎて、そんなに可哀相とも思えませんでした。
ワタシのような女側目線で見ると
最初の逮捕は、仕方ないように見えてしまう

フリーターで就職活動中の徹平は、
大きな荷物を持ち、満員電車の中で、
10分以上もドアに挟まったジャケットを引っ張り続け
始終ゴソゴソしているのだ


そして、泣きそうな声で、
女子中学生に 「やめてください…」 と言われてしまう。



そりゃ、
  勘違いされても
     仕方ないだろっ! ε-(ーдー)ハァ

こうして、徹平の不注意と不運からこの事件は始まる。

女子中学生が怖がりながらも勇気を持って、
犯人を捕まえたことから、
あっと言う間に徹平は現行犯として
留置房に入れられる。

留置所ってこんなとこなんだぁー( ̄- ̄)フーン

最初は「仕方ない」くらいの温度で見ていたワタシも、
徹平の状況が どんどん悪化 していくに連れて、
仕方ないとは思えなくなってきた。

(  ゜ ▽ ゜ ;)エッ!! なんで、そうなるの?

もう「仕方ない」では済まされない。

徹平のゴソゴソの傍で、
本当の犯人が女子中学生に行っていた痴漢の罪は
運悪く徹平に着せられていく。
無罪を主張してから、徹平が保釈されるまでに、
約4ヶ月も留置所で暮らすこととなる。


不注意と不運で、4ヶ月ですよ…
ありえないけど、これが日本の実情なのです。


留置所を出てから徹平が最初に知ったのは、
保釈金として、母子家庭の母(もたいまさこ)が
200万円も工面した事実だった
犯罪を犯したわけじゃないのに…200万円…サヨウナラ


弁護料は、また別にかかっていることだろう…
母親(もらいまさこ)が何も言わずに
息子に優しく微笑みかけるシーンで涙が出そうになる。
200万円という大金を払っても、
息子の徹平はまだ 被告人 であり、
裁判は続くのだから…


警察は徹平の家に、家宅捜査して、
イカガワシイビデオを証拠として押収

そこまでするんだね
そういうビデオの所有が証拠なら、
世の中に何千万の犯罪者が出てきちゃうよ
うちの旦那クロさんだって…


女子中学生が法廷に立つ。
未成年の被害者保護の為、ツイタテが立てられる。
ツイタテの奥から、
悲しそうにススリ泣く声が法廷に広がる…

女子中学生の痴漢をされた悔しさも分かる。
被害者が、犯人を裁いて欲しい気持ちも分かる。
でもね、犯人は他にいるんだよ…


弁護士がどんなに頑張っても、
警察が間違った初動捜査をしていても、
全てを判断するのは、裁判官であることも分かった。

その裁判官が
    裁判の途中に左遷で変わる…

                     エッ? (;゜⊿゜)ノ マジ?


そう、裁判官だって、出世も左遷ある世界で生きている
ただのサラリーマンなのです。
人の人生を裁く仕事なのに、左遷があるんですね


まー、本当にこの映画は、
お勉強 になる映画ですよ
これは、痴漢に限った話ではないのですから。


アナタの友達や家族が間違って逮捕されたら
アナタはどうすればいいのか?


アナタが間違って逮捕されたら、
アナタはどうすればいいのか?


逮捕された人 = 犯罪者
と決め付けているワタシタチはそれでいいのか?


新聞の報道や、TVのニュースに
惑わされては行けない!


本当にやっていても、
証拠不十分で逮捕されない人もいれば、
本当にやっていなくても、
逮捕されたら、徹平みたいな扱いを受けるんですよ。

ゴソゴソしてたから仕方ない?

1人の人生をそんな簡単な言葉で
済まそうとしてしまったワタシの考えは
間違っていました…ごめんなさい

弁護士も、裁判官も、
「 満員電車なのに、挟まったジャケットを
  なぜ、そんなに必死に引っ張っていたのか? 」
という問いかけをしますが、
徹平は言葉に詰まり、余計に立場を悪くするシーンがあります。
ワタシ的には、特に印象に残りました。

だって、人間は全ての行動の全てに
理屈があるわけじゃないのに…

ワタシだって、満員電車の中で、
コートのボタンを引っ張ったり、
カバンから何か取り出そうとしてしまうこともある。
満員電車じゃなくて、ホームでやれば?とか
会社についてからにすれば…とか
言われてみればその通りなのだけれど、
思わず動いてしまうのが人間じゃないですか?

何も考えずに、自然に起こした行動が、
逮捕されてしまうと、途端に怪しい行動になってしまうのです。
この映画をご覧になったら、きっと怖くなりますよ


徹平が逮捕されてから、
判決が出るまで1年という日々がかかります。
やってないのに1年 1年ですよ
1年なんですよ 

この無罪という主張が通らなければ、
前科1犯として刑務所行きだなんて…恐ろしすぎる{{ (>_<) }}

最後の判決は…???

みんなにオススメしたい作品だったのに、
レビューを書くのが遅れたために、
上映が終わってしまった地域が多いですね

名古屋では終わってしまったけど、
岐阜ではまだ見れる観たいですよ

ビデオになったら絶対観てね



最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (hitomi☆)
2007-03-17 12:53:47
昨日ホリエモンも見たと言ってましたね。

冤罪で拘置所とか入ったら働いてた人は会社辞めさせられたりするんですかね。警察の間違いによって人生を無茶苦茶にされたら・・・。
考えさせられる映画ですね。
返信する
TB&コメント、ありがとうございました (hoppen)
2007-03-17 17:06:59
そうそう!
ホントに、この映画、面白かったですよね!
すぐ間近で起こっている出来事なのに、
私たちは何も知らない世界の話なんですよね~。
それを映画にして、しかも、エンタテイメントとしても充分面白い映画で、周防監督っていい監督さんなんですね。

こういう事件も、振り込め詐欺にしても、巻き込まれるほうの注意が足りないと私も思っていました。
もっと、しっかりしなくちゃ。
でも、それだけでは済まない、解消しなくちゃいけない問題が、大きな要因になってるということを、監督は言いたいのかな。

うちの近所では、まだ上映してましたよ。
返信する
この映画... (tamo)
2007-03-18 03:52:34
観たいですね。これと同じようなケースのドキュメンタリーを以前見たことがある気がします。満員電車と痴漢の問題は難しいですよ。何もしてなくても女性が大声出したらそれで犯罪成立みたいなところありますからね。
どうでもいいことですが俺は電車で2度痴漢被害にあったことがあります。もちろん男性に(笑)
返信する
余計なことですが・・・ (kiyo)
2007-03-19 22:10:13
同じくこの映画とても興味深く見ました。
現在法律勉強中の身の者です。

この映画自体は多様な見方ができる映画ですし、人それぞれ受け止め方が異なってきて当然だと思います。そして、そこがこの映画のすばらしさでもあると思います。

トクコさんのレビューを興味深く見させてもらいました。ただ、2点ほど気になった点があったので、余計なお世話とは思いつつも、書いてみました。

まず、保釈金ですが、これは後で返ってきます。あくまで保釈中に逃走した場合などに、没収されるだけです。つまり。逃走しないための抑止力です。
次に、裁判官の交代ですが、これは、別に左遷させられたわけではありません。裁判官、検事は2,3年毎に転勤があります。これは国内どこでも均質な司法サービスを受けられるためにです。確かに、現在の司法の現状で、無罪判決ばかり出す裁判官が全体のキャリアとして出世コースから外れるかもということは否定できませんが、あんな形での左遷はないと思います。

レビューを面白く読ませていただいたんで、余計なこと書いちゃいました。すいません。。

返信する
わかりました~。。。 (JJJ)
2007-03-19 23:50:06
こんばんは。
私も、この映画、気になっていました。。。
でも、観なかった・・・

もうやっていないからDVDになったら観たいです。

のkiyoさん、保釈金の事、教えて
いただいてありがとうございます。

そうなんだ,返って来るお金なんだ・・・
それにしても、1時金とは言え、銀行では、
「保釈金」は貸してくれないでしょうね。

誤認逮捕って、警察はどう責任をとるのでしょうかね。。。
その後も観たいですね。。。
返信する
お返事 (トクコ)
2007-03-21 13:20:04
● hitomi☆さんへ
 小さい会社ならともかく、
 大手の社員なら、公務員なら、職を失うでしょうね。
 本当に怖い話です。

● hoppenさんへ
 特にhoppenさんのサイトでは、
 監督のQ&Aが載っていたので、
 興味深く読ませて頂きましたよ
 

 映画を自分の道具として使う監督に
 残念ながらなってしまった…って話は、
 とっても興味深いお話ですよね(笑)

 また、オジャマしますね

● tamoさんへ
 そんなに色っぽいオケツをしていらっしゃるの
 ぷぷぷ(笑)

● kiyoさんへ
 初めまして。法律をお勉強中とはスゴイですね
 保釈金は帰ってくるんですね。
 パンフレットにも載っていました。失礼失礼
 それでも、ワタシも母子家庭なので、
 女で1人でそんな大金を工面するのは大変なことだと思います 
 感動的なシーンでした。

 あと、留置場で借りれる洋服に、
 「マル留」とマジックで書かれていることとか、
 素人のワタシには新鮮で驚きがいっぱいでした

 法律を学ばれているkiyoさんは、
 素人とはまた違った観方ができていいですね
 素人とは違う発見があったのでは

● JJJさんへ
 パンフレットを読んでいたら、
 本当に映画で書ききれなかった、
 マメ知識がいっぱいでてきましたよ。

 被告人の職種や事情によってことなりますが、
 無罪が確定したら、拘留されていた日数分、
 補償としてお金を請求できるそうです。
 映画の徹平の場合は1日1万円…

 無罪になればですが・・・
返信する
TBさせていただきまいした。 (タウム)
2007-11-13 17:55:19
映画でも裁判のおかしな点を取り上げていましたが、この本ではもっと深く犯罪捜査や取調べなど多くの場面での矛盾点を、もと検事の弁護士にぶつけています。問題の掘り下げ方とその方向の鋭さにこの監督の能力を感じました。
返信する
● タウムさんへ (トクコ)
2007-11-17 12:17:54
本で読まれてんですね!きっと映画で語りきれなかった点が
詳しく書かれていて寄り司法が怖くなることでしょう。
ワタシもTBイタダキマスね!
返信する

コメントを投稿