野老の里

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自己申告制はそんなに悪い制度なのだろうか?

2020年04月17日 | tokoroの日常
緊急経済対策の一環として国民一人当たり10万円の給付を安倍首相が発表した。ボク個人としては外出自粛要請によって犠牲となった人たちへの補償を望んでいたから全国民に給付を行うのはかえって不公平だし、消費を喚起しがちな現金給付は感染拡大を招かないかと感じてはいるが、幅広い業種で収入を減らしている人たちが多くいるために一律給付としたという首相の説明は十分賛同できる。

さて、この現金給付に先立って麻生財務相が自己申告制で給付を行うとしたことが批判を呼んだようだ。ボクは自己申告制といってもやり方次第では何も問題はないと考えている。というのも申告してくれなければ給付先が確定できないからだ。口座に振り込むのかそれとも書留で郵送するのか、いずれにせよ国民から申告してくれない限り政府は給付できない。サラリーマンの人たちなら年末調整の方法を使って口座を申告しているからそのまま振り込むこともできるかもしれない。しかし還付を受けられない個人事業主は預金口座を役所に対して申告することはないし、また年末調整を利用しない日雇い労働者なども還付申告しない限りはやはり口座を申告することがないので、改めて口座を申告してもらう手続きは必要になる。今回の給付には所得制限が設けられていないのだから、必要な人は堂々と申告すればいい。その際に給付先を確定する手続き(具体的にはマイナンバーと預金口座等が必要になるだろう)を行えば手続きを簡素化できる。国民の側で全く何のアクションを起こさずに給付できる仕組みというのはまだ出来上がっていないことを理解する必要はあるだろう。

まあ麻生さんとしては自己申告制にして給付を抑制したいという思いは当然あったのだろう。だが前述したとおり給付を受けるのに制限はない。安倍首相は給付申請の手続きについて郵送やオンラインで実施すると明言したのだから、コロナウイルスの感染拡大は心配せずにどんどん申請すればいい。そもそもボクたちが日頃払っている税金や各種公的保険料は公的サービスを受けるために存在している。公衆衛生や治安や防衛というサービスを受けるのは当然と思っているのに、いざお金を受け取るとなると恥ずかしいと考えたり、悪いことだと考える人がいるのか、ボクには不思議でならない。消費税が無かった時代なら国民の中に税負担をしない者もあり得たが、今はモノやサービスを購入すれば誰もが消費税という形で税負担をしている。苦しい時に国から援助を受けることは納税者や保険料負担者として当然の権利だ。今回の現金給付はそれを悪だと看做しがちだったボクたちの社会風潮を反省する良い機会になるかもしれない。
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