野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

今日の一曲 Bedside Manners Are Extra by Greenslade

2011年10月19日 | 今日の一曲

http://www.youtube.com/watch?v=2XbsR2-yJ0I

秋も深まり、段々と陽が落ちるのも早くなってまいりました。

先月奥秩父を旅していたときに悩みの一つとなっていたのが、
テントを張ってから寝るまでどう時間を潰すかということでした。
以前からテレビはあまり見ないほうでしたが、今回は長旅で本を持ってきていません。
ネットを使うにも携帯の電波が入らない。そこでしばしばラジオを掛けていました。

何時ごろだったかはよく覚えていませんが、NHK-FMで秋の夜長の長い曲特集のようなものをやっていて、それをよく聞いていました。
和洋問わず流すというプログラムだったようですが、実際には邦楽が殆どだったと思います。
まあそれでもTM-NETWORKの30分を超える曲だとか、
あがた森魚さんの10分を超える曲など聞けてそれなりに楽しかったことは確かなんですけれどね。
ただ長尺の曲ならやっぱりプログレだろうっていうのが私の見解。
オススメはCaravanの"Nine Feet Underground"にどうしてもなってしまうのですが、
単純に秋の夜長にピッタリの曲は何かといえば、今回取り上げたGreensladeの"Bedside Manners Are Extra"なのです。
この曲は彼らの2枚目のアルバム"Bedside Manners Are Extra"(1973)の冒頭に収録されていて、
当時のラインナップは

Dave Greenslade(Key 元コラシアム)
Dave Lawson(Key Vo 元ウェブ、サムライ)
Tony Reeves(B 元コラシアム)
Andy McCulloch(Drs 元キング・クリムゾン)

の4人でした。
ギターレスのツインキーボードという編成ということもあってか、全体的に柔らかい音で構成されているのが印象的です。
Dave Greensladeはコラシアムで魅せていたクラシカルなキーボードを、
Dave Lawsonは在籍していたウェブやサムライでも披露していたジャジィかつブルージィな音を
楽曲の中で上手く組み合わせていたのが大きな特徴です。
その中で今回取り上げた"Bedside Manners Are Extra"は大人のロックと言ってもよい隠れた名曲です。

大人のロックというとBoz ScaggsやBobby CaldwellなどのAORのイメージが強くありますが、
元々プログレバンドの多くは複雑な構成の曲や意味深な歌詞などによって大人向けの音を志向していたといえます。
ただどちらかといえばロックのダイナミズムを体言していたKing CrimsonやYes、ELPなどのバンドに注目が集まり、
押し出しの強くないバンドはせいぜいPink Floydが注目される程度だったと思います。
またプログレバンドの多くが一癖ある個性の強い音を出していたこともあって、必ずしも万人向けとは言いがたいものでした。
Greensladeが通常のプログレバンドと一線を画していたのは、
この曲を聞いてもわかるようにポップで洗練された音作りをしていたことです。
これは各メンバーがそれぞれ実績のあるバンドに在籍していたことも影響があるのかもしれません。
奇を衒った音作りよりもこれまで培ってきたテクニックをどう昇華させるか、そこに力点が置かれていたように思います。
その点では人気のあったAsiaと似たようなバンドであったと言えますが、
彼らほどに人気が出なかったのはヴォーカルの弱さとやはり押し出しの弱さだったのでしょう。
それでも彼らの洗練された音はこのまま埋もれさせておくのは勿体無いと思わさせてくれるものなのです。

ジャケットはロジャー・ディーンの手によるもの。
個人的には一作目のほうが好きですが、これもなかなかの出来。

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