フレンド～胸に跡残る舞台

冬になると青の洋服が増えるロナです。
つい最近も淡いブルーのヒョウ柄ニット買っちゃいました。

さて、今日は10/18に観劇した「フレンドー今夜此処での一とさかりー」の感想です。(漢字で正しく表記しなくてすみません。。。)

主役は一旦置いといて…

中原中也役の遠藤さんの声がドスが効いててよかった。
狂ったような昔の文学者って感じで、彼の役から昭和初期の時代に入り込めました。
でも何言ってるかわかんないときあったんだよね。声質と顔の向きの関係上で。
そこは文学の話を熱情込めて語ってるところだったから
何にせよ理解できない部分ということで、まぁいいかな。←

あきちゃんの叫びは痛烈で、時に面白く響いていました。
カテコの佐津川さんが涙を拭いながら整列してるのが印象的だった。
ビバ同郷☆

脇役のキャラクターがすごく好きだった。
近所のおじさん？さぶさん。
いいキャラな分、戦争の嫌な部分を感じさせてくれた。悲しかったよ。

おじさんとおばさんとフレンドの雰囲気は古き良き人情の世界。
安原がどれだけ中原を想っていたか、どれをみんなが理解していて、暴れてる中さんですら感じるその愛情を描くのにふさわしいお店でした。

そんなお店の常連さん・お神輿の3人の出向シーンは泣けた。
この辺りから、人ではなくて時代にぐっとのめり込みました。

ひでさんのエリート同志の2人＆中さんと三角関係の2人も合わせて全員が揃う最後の燃えるシーン。圧巻でした。
燃え盛る戦禍の中でのどんちゃん騒ぎ。
爆撃の音からずっと続いていた鳥肌がこのシーンでピークに達しました。

炎のような赤い幕がおりて、生きろと言う中さん。
生前の我武者羅な中さんからは聞けなかったかっこいいお言葉。
これは安原の理想、憧れの中さんの声なのかな？
分からず屋で頑固者ってイメージの中さんがすごくかっこよく再登場したものだからそう思った。
ただでさえ亡くなった人は後から悪く描かれないものだけど、それが尊敬していた人なら尚更美しく現れるかなって。
それとも安原に支えられていた中さんがあの世から送った感謝の気持ち？
キラキラ降ってくる紙の演出、美しかったなー。
私のいるこの世とは違う命の境目にいる二人を感じられて、
2階席も悪くないなって思った。

生死を彷徨う安原と向こうの世界にいる中さんの別れ。
そしてラスト。
あんなに嫌っていた中原を尊敬している愛する旦那のために手紙を持ち出し、思い出のレコードに耳を寄せる…

シゲ主演の「中の人」は現代青年が主役のアーティスティックな舞台だったけど、
今回は昭和初期の激動的な物語。
詩人が中心だから浪漫があって、だけどいい感じの哀愁はなくて荒々しい。
とにかく「まっすー」は感じなかった。
両想いを確認するレコードに耳を寄せるきゅんきゅんシーンも愛しい妻を抱きしめるシーンも。

文学から足を洗うシーンから笑いがなくなった。
若い青春時代に区切りが着いて、大人になるステージへ向かったから。
そして時代が戦争に向かったから。
前半のガヤガヤした活きの良さが観ている私にも懐かしくて「あの頃はよかったなぁ」って言いたくなったよ。

セットはストーリー上での家具の移動くらいで、ほぼ変わらない中、
最後になくなってしまったフレンド。
すーごく悲しかった。思い出の場所が失われることは悲しいね。

フレンドを観劇している女性の多くが涙を浮かべていて、日本人として安心した。よくわかんないけど。笑
私も例外でなく涙がじわじわ。
号泣はしなかったけど、心にじわじわ今でも残っています。

今、千秋楽を迎えているところですね。
お疲れ様でした。
まっすーの舞台にハズレはないです。