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雪の状態が悩ましいが、人の多いであろうカミフはパスした。
おまけに天気も微妙。
人が少ないであろう、
雪も少しはあるであろう、
撤退時にも安全であろう、
風の弱い予報のためロープウェイも動くであろう
「黒岳」を選択した。あわよくば、その奥にも・・・
ロープウェイ駅に集合。
晴れてはいないが高曇りのため視界がいい。
風も殆んど感じない。
始発に我々3人と、もう2人のスプリットボーダーとの5人で乗り込んだ。
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まだリフトは休止していてスキー場としては閉鎖、コロナウィルスの影響なのか中華系インバウンドも居なく、ロープウェイ乗り場はひっそりしていた。
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ロープウェイ黒岳駅よりハイク開始。
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スキー場の一部を通らせてもらい黒岳に取り付く。
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今日もクランポン装着。
下は硬いのだが新雪もあり、硬いところと柔らかいところの差が激しすぎる。
この中途半端な雪がカラコラムのクランポンは苦手とする。
硬いところまで歯が届かずずり落ちる。おまけにG3の赤はグリッブが弱い。
皆についていくのが容易ではない。
体力も消耗してすぐにヘロヘロ。
そうでなくても還暦近いじじいには3連チャンは相当に体にきている。
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それでも高曇りのおかげで、相当遠くまで眺望があり、それに助けられる。
本日黒岳に向かっているのは、我々3人とスプリットボーダー2人の5人。そのうち4人がスプリットボーダーというこれまで見たことのない組み合わせ。なんとスキーヤーはタカシだけ。
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それぞれ別のルートで上がっていたが、肩で2人とも会い話が出来た。岐阜と石川からきた本州のBCボーダーであった。ケンさん同様、本州の雪不足を嘆いていた。
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彼たちは肩から落とすようだ。
自分たちはというと黒岳のピークには行く。
その先も視野に入れていたが、自分には今日はどうみても無理だ。
時間にもあまり余裕はないので、2人で先に行けるなら行ってくれと頼む。
『とりあえず黒岳ピークまでは行きましょう』ということで、3人でピークまで行き考えることになった。
がっ、自分には今日は到底無理なことで、足を引っ張りたくない気持ちでいっぱいだった。
肩からはたぶんガリガリのはず。
早々にアイゼン装着して板を担ぐ。
ここでまた問題が・・・
ケンさんはアイゼンを持っていない。
スノーシューで行く。
大概の人は無理をしないのであればシューを持てば大丈夫、登山目的ではないのでアイゼンまで使いたくないというBCスノーボーダーが多いであろう。
肩から進むとすぐに急勾配、斜面はかなり硬め。
うっすらとあるツボトレースもやはりアイゼントレース。
アイゼンなら支障なく登れる。
だが、ケンさんはポールは短くするものの、アイゼントレースには合わず、シューを蹴り込むこともできず、そのままシューの裏全体で急斜面を登る。
『怖いっすわ~』
ほとんど斜面に這いつくばっている。
おまけにシューの爪が効かずズリズリしてる。
たまらず、タカシがウィペットを1本ケンさんに渡す。
「ウィペットを刺しながら登れ!」
『どうやって使うんすか?』
「ぐうパンチで突き刺せ!」
ケンさんようやく理解したようで、おっかなびっくり登っていった。
核心部を過ぎるとようやく安心したようだ。
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ケンさんには恐怖の時間だったろうが、自分たちには普通のことでそれほど恐怖なことでもない。
たとえ黒岳でもこんなことは普通にあることを知っていて、もっと恐ろしいところを何度も踏破しているからだ。
ケンさんにはいい経験になったことだろう。
黒岳ピークは嘘のように穏やかだった。
やはり高曇りの空ではあるが、信じられないほど遠くまで見えていた。
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最高の眺望だ!
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「ケンさん持ってるわ~」
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しばらく景色を堪能した。
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するとケンさんが
「アイゼン買います!みんなどんなの使ってるんすか?」
いろいろ説明を聞いて、なんとなくどんなものかわかったようだ。
最初の年から「クランポンとアイゼンは必要だよ」と伝えていた意味が3年たってやっと全てが理解できたようだ。
という意味では、今年の最悪のコンディションが、ケンさんのこれからの活動の新たな出発点となってくれれば幸いである。
すでにこの先は諦めていた。若い2人もだ。
さぁ帰りますぞ!
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ケンさんにファーストトラックを行かせる。
ピークからのまねき岩シュートはまぁまぁのようだ。
我々もドロップ。
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底付きは硬いが、初滑りの時よりはマシだったかも。
3日間では1番だろう。
行けるところまで行く予定はあっさりと諦め、途中から疎林に逃げた。
こちらは雪のあるところとないところが極端。
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ガリガリだと思ったらしっとりパウダー、パウダーからいきなりガリガリとめまぐるしいコンディション。全てが白く化粧されているため判断できない。
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肩まで登り返して、疎林をまた滑り下りゲレンデを通って黒岳駅まで帰った。
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下りのロープウェイには中華系の方が5~6人いて、この時期だけにマスクもしていない彼たちに少し緊張した。
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下りてからは名残惜しい気もしたが、来年の再会を約束して別れた。
タカシとも彼の仕事の関係でしばらくはお別れだ。
一気にお祭りが去ったような寂しい気持ちになって帰路に着いた。
なんかモチベがた落ちの模様・・・
それでは😞
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