TOFUのぼやきログ

他愛もないぼやきです

おしい店

2006-05-16 11:22:24 | 食のはなし
「おいしい店」ではない。おしい店である。

私が住んでいるのは、オフィスや印刷業などが立ち並び、昼間の人口と夜の人工がけっこう違いそうな地域である。
そのため飲食店もあまり多くなく、夕食をほとんど外食に頼っている私の生活では、行く場所がかなり限定されてしまっているのだ。

家から数分の場所に小さなソバ屋があった。
建物は小さいが、白木の引き戸で余計な装飾はなく、一見して「高そうだな」と雰囲気に押されてずっと行かないでいた。
ソバ屋はそれこそ値段レベルの分からない飲食店の典型で、盛りそば1枚で数千円を取るような店もある。
私は勝手にその店を「ソバ懐石」の店だろうと決めつけていたのだ。

ある日、ちょっと懐が暖かかったこともあり、その店に突撃してみることにした。

入ってメニューを見ると、ごくごく普通のソバ屋さん。
ソバ懐石でもソバ居酒屋でもなく、ソバ屋さん。

ある程度いいものを食べようと思って突入したので、完全な拍子抜けだった。
メニューのなかでも比較的高い「鴨南蛮」を頼んだのだが、せっかく初のソバ屋ということで、盛りそばも一枚頼んだ。
※鴨南蛮+盛りそば…店の主人は明らかに戸惑っていたが…。

食べたソバは特に特徴もなく、普通のもの。
特別に旨いというわけではないが、不味くはない。
ただ、記憶に残らない味と言ったらいいだろうか。
昼飯や通常の夕食には十分だが、わざわざ友人を連れてまで選ぶ店ではないという感じかな。

それより何より、この値段レベルだったら、店の表にでかでかとランチメニューとかを出せばお客は増えると思うのだが。

どんな人でもそうだと思うが、初めて入る飲食店というものは、予備の情報がなかったらまず値段レベルが気になる。
だいたいの大衆向けソバ屋や食堂は、表にサンプルを置いてあったり値段表が貼ってあったりするから心配せずに入ることができるのだが、この店にはそれがない。
せめて「本日のオススメ」とかの一覧でも貼ってあれば、どんな店なのか、値段は予算に合うのかを判断できるのに。

なぜこの店はそれをやらなかったのだろう?

そんな疑問を持ったまま、いつか指摘してあげられる機会があったらな…なんて考えているうちに、その店は廃業してしまった。

その店は現在、別な経営者となり積極的な営業活動を行っている。
そんなに高くなさそうな「本日のオススメ」が出ていたので入ってみた。

今度はまた別な違和感がある。
ソバ屋ではなく、ソバ居酒屋をやりたいらしい。
つまりは、食事を取るという目的からするとどれも中途半端なメニューで、腹を満たせそうな組み合わせにするとけっこう高い。

そのとき注文したメニューは、サラダ風ソバとソバコロッケ。
合計で1,400也。
サラダ風ソバは…これソバ入りのサラダなんだけど…。
ソバコロッケは、おそらくそば粉を使ったんだろうなという程度で、普通のコロッケ。
これで600円はあまりに高い。

今回は店の主人を相手にいろいろと「客としての意見」を言わせてもらったが、言いたかったことはうまく伝わらなかった様子。

主人がこだわりを持って店を経営するのはいいことだが、どうもこの店はポイントがずれているという印象を受けた。
というか、趣味で作った店という感じ。

私はもう行かないと思うが、通勤の通り道なので動向は観察させてもらうとしよう。
コメント
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