楽園の薔薇
9.風邪!?なのか?
<4>
「まったく…。話さなくてもいいみたいね。」
「じゃ、じゃあ本当なんですか!?」
ただの夢だと思っていた。
予言みたいなことにイスフィールは驚く。
「えぇ。私が水の守護。ラウディーが風、ラディアが火よ。みんな、ソフィアをずっと守ってた。」
レイアースとセイレーンがいなかった。
マリーナも。
どこに行ったのか気になったが、話を聞いている途中だ。
「でも、ソフィア姉様が亡くなる時。こう言ったんだ。『イスフィールはあの子を倒す。その時のために、そこまで成長するまで、見守ってあげて。』と。」
言葉を続けたのはラウディーだった。
彼女は姉のソフィアが好きだったようで、よくイスフィールに話を聞かせていた。
その声は少し低く、とても優しい。
続いて、無口だが戦い好き(!)で国の兵を鍛えている四女、ラディアが言う。
「だから私達はなじみやすいと思われる年の姿をとっているんだ。」
「そ、そうだってんだ…。」
初めて知ることばかりだ。
確かに十代後半の姿はなじみやすい。
「ということでした。はい、この話は終わり!行くわよー。」
リカティアが立ち上がる。
「え、行くって?どこに?」
「杖の間。」
「!」
杖の間はエプスタイン家の地下に広がるホール。
そこで、判決をするのだ。
新入りの召使いやら何やらが、薔薇姫に必要かどうか。
「いつも追い出してたイスフィールが欠席。さぁて、どうなることやら。」
ラウディーが楽しそうに笑った。
ラディアがイスフィールを寝台に寝かしつける。
(やばい!マリーナは父様も賛成してるからいいけど、このままじゃ、レイアースが!)
イスフィールは冷や汗をかいた。
それにレイアースはイスフィールを叱ったりしているから、無礼という判決が下されるかも――。
(母様・お祖母様・イエズス様。どうか!お願いします!)
判決―杖の儀式―は無情にも始まった。
イスフィールの神頼み。
結局何もお願いしていないことにイスフィールが気付くことはなかった。
written by ふーちん
9.風邪!?なのか?
<4>
「まったく…。話さなくてもいいみたいね。」
「じゃ、じゃあ本当なんですか!?」
ただの夢だと思っていた。
予言みたいなことにイスフィールは驚く。
「えぇ。私が水の守護。ラウディーが風、ラディアが火よ。みんな、ソフィアをずっと守ってた。」
レイアースとセイレーンがいなかった。
マリーナも。
どこに行ったのか気になったが、話を聞いている途中だ。
「でも、ソフィア姉様が亡くなる時。こう言ったんだ。『イスフィールはあの子を倒す。その時のために、そこまで成長するまで、見守ってあげて。』と。」
言葉を続けたのはラウディーだった。
彼女は姉のソフィアが好きだったようで、よくイスフィールに話を聞かせていた。
その声は少し低く、とても優しい。
続いて、無口だが戦い好き(!)で国の兵を鍛えている四女、ラディアが言う。
「だから私達はなじみやすいと思われる年の姿をとっているんだ。」
「そ、そうだってんだ…。」
初めて知ることばかりだ。
確かに十代後半の姿はなじみやすい。
「ということでした。はい、この話は終わり!行くわよー。」
リカティアが立ち上がる。
「え、行くって?どこに?」
「杖の間。」
「!」
杖の間はエプスタイン家の地下に広がるホール。
そこで、判決をするのだ。
新入りの召使いやら何やらが、薔薇姫に必要かどうか。
「いつも追い出してたイスフィールが欠席。さぁて、どうなることやら。」
ラウディーが楽しそうに笑った。
ラディアがイスフィールを寝台に寝かしつける。
(やばい!マリーナは父様も賛成してるからいいけど、このままじゃ、レイアースが!)
イスフィールは冷や汗をかいた。
それにレイアースはイスフィールを叱ったりしているから、無礼という判決が下されるかも――。
(母様・お祖母様・イエズス様。どうか!お願いします!)
判決―杖の儀式―は無情にも始まった。
イスフィールの神頼み。
結局何もお願いしていないことにイスフィールが気付くことはなかった。
written by ふーちん