楽園の薔薇
11.側仕えの少女
<4>
「…お前なぁ…。」
一番最初にそういったのは、レイアースだった。
呆れのせいか、深緑の目がさらに濃くなり、黒に近くなっている。
「ほんっと、薔薇姫の自覚ねーな。」
そのしみじみとした言い方に、イスフィールは反論する。
そう言われると思って、ちゃんと対策を考えてきたのだ。
「平気だって!名前変えて髪も結えばいいじゃない!」
「そういう問題じゃねぇよ!薔薇姫は命をねらわれるんだし。」
「名前変えれば分かんないわよ。」
「分かるって!イダとかお前の顔見てんだぞ!?」
マリーナ・ユニゾン・セイレーンを置いて、レイアースとイスフィールの口論はヒートアップ。
「どうせ会わないじゃん。レイアースは心配しすぎ!」
「もしもってことを考えろ。お前は考えなさすぎ!」
「おーい…ねぇ~。」
セイレーンが途中で口を挟んだ。
レイアースとイスフィールの動きが止まる。
「僕は賛成だけど。」
セイレーンの言葉にレイアースが目をみはって、イスフィールが喜んだ。
「はぁ!?何言ってんの!?」
「やったあ!ありがと、セイレーン。」
それぞれの反応にユニゾンが笑う。
どうして2人の反応はこんなにも面白いのだろうか。
「だって、屋敷の中に入れておくだけじゃ、かわいそうじゃないか。それに、イスフィールにはカリスだっているんだし。」
「そうそう。心配なら見に来ればいいだけだし。」
セイレーンの説得に押され、レイアースは仕方なく了承した。
でも、と付け加える。
「変な奴についていくんじゃねえぞ!何か感じたらカリスに言え。いいな!」
「はいはい。私はそこらの子供じゃないんだから!しかも、何で上から目線なの?」
「どうだっていいだろ。」
「よくない!」
まあいろいろあったが、こうやって『イザベラ』になったのである。
そして約3週間後の、今。
written by ふーちん
11.側仕えの少女
<4>
「…お前なぁ…。」
一番最初にそういったのは、レイアースだった。
呆れのせいか、深緑の目がさらに濃くなり、黒に近くなっている。
「ほんっと、薔薇姫の自覚ねーな。」
そのしみじみとした言い方に、イスフィールは反論する。
そう言われると思って、ちゃんと対策を考えてきたのだ。
「平気だって!名前変えて髪も結えばいいじゃない!」
「そういう問題じゃねぇよ!薔薇姫は命をねらわれるんだし。」
「名前変えれば分かんないわよ。」
「分かるって!イダとかお前の顔見てんだぞ!?」
マリーナ・ユニゾン・セイレーンを置いて、レイアースとイスフィールの口論はヒートアップ。
「どうせ会わないじゃん。レイアースは心配しすぎ!」
「もしもってことを考えろ。お前は考えなさすぎ!」
「おーい…ねぇ~。」
セイレーンが途中で口を挟んだ。
レイアースとイスフィールの動きが止まる。
「僕は賛成だけど。」
セイレーンの言葉にレイアースが目をみはって、イスフィールが喜んだ。
「はぁ!?何言ってんの!?」
「やったあ!ありがと、セイレーン。」
それぞれの反応にユニゾンが笑う。
どうして2人の反応はこんなにも面白いのだろうか。
「だって、屋敷の中に入れておくだけじゃ、かわいそうじゃないか。それに、イスフィールにはカリスだっているんだし。」
「そうそう。心配なら見に来ればいいだけだし。」
セイレーンの説得に押され、レイアースは仕方なく了承した。
でも、と付け加える。
「変な奴についていくんじゃねえぞ!何か感じたらカリスに言え。いいな!」
「はいはい。私はそこらの子供じゃないんだから!しかも、何で上から目線なの?」
「どうだっていいだろ。」
「よくない!」
まあいろいろあったが、こうやって『イザベラ』になったのである。
そして約3週間後の、今。
written by ふーちん