会社を休み、CT、MRCP、造影の結果を持ってC大学病院肝胆膵外科のM先生と話をする。
1、膵臓頭部に腫瘍らしき影がある。転移像は見られない。
2、マーカーの数値から悪性と思われるが、現段階では「?」マークで構わない。
3、悪性の場合、膵臓癌か胆管癌のどちらかであろう。
4、肝臓周辺の腹水は、ガン性のものではないと考える。
5、この部位の癌は外科的に摘出しない限り治癒の可能性はゼロ。
6、手持ちのデータからは手術可能と考えられる。
7、手術のリスクは3%から10%程度と比較的高い。
8、できるだけ早い段階での転院と手術を考える。
9、説明後、入院の予約とPET検査の予約を入れる。
この部位の癌はたいてい手遅れで発見される事が多いことを知っていたので、光と希望が見えた気がする。現実のものとしなければ。
父の元へ戻り、M先生の話を説明する。強くうなずきながら聞いていた。「よし、分かった、よろしく頼む」と、戦う気持ちを見せてくれた。安心した。
担当医の先生が「チューブが胃壁に触れていたために気分が悪くなってしまったようです。壁からは離すようにするのですが、うまくいかなかったようです。申し訳ありませんでした」と何度も謝ってくれた。人間的に信頼できるいい先生だと思った。
母もようやく動揺が治まってきたようだ。