智’s Eyes

歌い手・ナガオカ智のブログ
自分の目で見て・耳で聞いて感じた事を、徒然なるままに!

想像する力~高知竜馬空港の事故で・・・~【完成編】

2007年03月13日 20時13分34秒 | エッセイ
「今から、伊丹発高知空港行きの飛行機が胴体着陸するらしいんだけど、誰も乗ってないよね?」
本社の先輩からの内線で知った。もちろん誰も高知へ出張してなかったので、関係無い話だった。
しかし営業所で話題になり、数人でテレビをつけて見た。
そこには、去年まで私が毎月出張で乗ってたプロペラ機が、まさに「胴体着陸体制」に入り、滑走路に進入してきた場面だった。
リアルタイムで見ていたんだけど、あまりにも急でリプレイなのか中継なのか一瞬わからなかったけど、私はその画面をじっと見てた。
何事もなく着陸したので、テレビをけして仕事に戻った。

しかし私にとっては他人事には思えなかった。

毎月乗ってた飛行機。なんだか懐かしさもよぎるのだが、もしこれが、去年の私が乗っている飛行機だったら・・・、と想像すると、それだけで吐きそうだった。なぜなら小さい飛行機だから機内は狭い。通常なら45分もたてば自分の足で目的地の地面を歩いている。しかし今回はその倍の時間を上空で旋回したというのだ。揺れと恐怖、もともと乗り物酔いする私だから完全にもどしてたと思う。しかも3月のこんな時期じゃビジネスマンしか乗ってない。私も去年は一人で乗ってた。孤独とも戦わないといけない。
なんだか泣きそうだった。

あまりにも気になるので、夕刊を買った。そこに乗っている記事をみて、さらに泣きそうになった。

 機長さん、めっちゃプレッシャーやったよなぁと思うと、ホント何もなくてよかったって思えたし、非常事態だったのに誰一人怪我しないで着陸できたということは、ホントにすごい方なんだなって思った。

 さらに見出しにあった言葉「機体バラバラ覚悟」
そして着ないの様子が記事として書かれていた。家族にメッセージを残したり、御巣鷹山の事故を思い出した方もいたらしい・・・。

 もし私が乗っていたら、何をそこに書き残したろう?何を思ったろう?・・・泣き叫んでいる気もする。そう考えるだけで、涙が出そうだった。

 そこでふと思い出したことがあった。

去年、伊丹から松山へ同じようなプロペラ機で出張へ行った時のこと。一度着陸態勢に入り、高度が下がったはずの飛行機が再度高度を上げたことがあった。「当機は一度着陸態勢に入りましたが、高度が高すぎたため、もう一度着陸しなおします」というアナウンスが流れた。「は?!”しなおす”って何??」しかもその頃身近に大切な方をなくされた方がいて、「まさか・・・私呼ばれてる?」とも思った。

その時私が思ったことは??ってかもしその時に事故に巻き込まれていたら??と思うと、本当に今日の事故は他人事には思えなかったし、非常事態のプレッシャーに負けることなく機長さんの頑張りでけが人もなく、みなさん地面に足をつけていられることが出来てよかったと思った。

それにしても・・・想像しただけなのに、泣きそうになったししんどかったし、なんだか疲れたよ・・・。

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